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妻、小学生になる。 (第3話・2022/2/4) 感想

妻、小学生になる。

TBS系・金曜ドラマ『妻、小学生になる。』
公式リンク:WebsiteTwitterInstagram

第3話『もう戻れない・・・小学校妻の、もう一つの家族』の感想。
なお、原作となった漫画・漫画・村田椰融『妻、小学生になる。』は、未読。



圭介(堤真一)は、スマートフォンのメッセージに反応がない万理華(毎田暖乃)のことが気になり、仕事が手につかない。麻衣(蒔田彩珠)は、ホームページ制作会社に就職。小さな工務店を営む社長の息子・蓮司(杉野遥亮)にパソコン操作を説明することになるが、緊張のあまりうまくできない。しかし、一生懸命な麻衣に蓮司は好感を持つ。一方、万理華は友利(神木隆之介)のことが気になっていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:漫画・村田椰融『妻、小学生になる。』
脚本:大島里美(過去作/花燃ゆ、凪のお暇、おカネの切れ目が恋のはじまり)
演出:坪井敏雄(過去作/凪のお暇、カルテット、わたナギ、恋あた、リコカツ) 第1,2
   山本剛義(過去作/凪のお暇、コウノドリ2、わたナキ、オー!マイ・ボス!、最愛) 3
   大内舞子(過去作/「凪のお暇」AD、恋あた、TOKYO MER)
   加藤尚樹(過去作/コウノドリ1,2、ホワイト・ラボ、MIU404、にぶんのいち夫婦)
音楽:パスカルズ
主題歌:優河「灯火」



前回は、ちょっと冷静さに欠けた感想になってしまった…

前回は、ちょっと冷静さに欠けた感想になってしまったことを、少しだけ反省している。

その理由は、私自身が、スピリチュアルな世界とか蘇りみたいな作品が好きと言うのではなく、現実では在り得ない世界を、良い意味で “あざとさ” を敢えて感じさせながら、どんどん在り得ない世界へ視聴者(観客)を引き摺り込んで行くエネルギーを持っている作品が好きだからだ。

私が今作を好きな理由は、この"2つの要素"があるから!

そう、ここで<私>にとって、大事なのは、「少しだけ “あざとさ” を感じさせてくれること」「非現実的な世界へ引き摺り込む圧倒的なエネルギーがあること」の “2つ” だ。だから、素材は「恋バナ」でも「SF」でも「ファンタジー」でも、何でも良い。とにかく、上記の “2つの要素” があると、自然と楽しく感じてしまうのだ。

実は、意外と「面白くない」と感じている人がいる…

しかし、これって、誰もが… と言う感覚ではない。事実、私の知り合いに今作の評判を聞いてみると、意外と真っ二つと言うか…。そう、意外と「面白くない」と感じている人がいるのだ。

その理由を聞いてみると、「流石に、小学生に大の大人が…」みたいな “根本的に今作の世界観に馴染めない派” と “狙いどころが、あざとくて見てられない派” と “斬新なのは初期設定だけで、その後の展開は普通のホームドラマでは? と思う派” の大きく3つに分かれるようだ。

特に、第3話は演出家も交代し、物語に現実味が加わったから

確かに、冷静に第3話を見ると、上記のような “3つの派閥” が存在するのは理解できる。特に、第3話から演出家が交代し、全体の雰囲気に、より現実味が加わった上で、物語も更に現実味を帯びて来たから、前述の “非現実的な世界へ引き摺り込む圧倒的なエネルギー” が感じ難い作品になった。まあ、それでも、私は十分に楽しいのだが。

今回の演出・山本剛義氏の演出では、"あざとさ"が過剰…

例えば、25分頃の「鴨川シーワールド」での “10年前の3人” の回想シーンと “今の3人” のカットを、完全にオーバーラップさせる編集が施された。

前回までの坪井敏雄氏の演出では、石田ゆり子さんと蒔田彩珠さんを “映像的に重ねる編集” を徹底的に避けていた。恐らく、その演出意図は、「貴恵と万理華を重ねるのは視聴者」だと言う信念があったからだと思う。だから、それが “非現実的な世界へ引き摺り込む圧倒的なエネルギー” になったのだ。

しかし、今回の演出・山本剛義氏の演出では、テレビの中で重ねた。こうなると、“あざとさ” が過剰になるのだ。そう、好意的に楽しんでいる人は良いが、そうでない人には「分かってるよ」となるからだ。

原作(未読)が"連載中で未完"だから、結末に対し"あざとく逃げる"しかないのは間違いない

何を言いたのか? と言うと。私は、全体に漂う “あざとさ” が好きなのだが、この “あざとさ” が逆に今作を楽しむための、一つの高いハードルになってしまっているのでは無いか? ってこと。

これが、例えば、今作が「2時間スペシャルドラマ」だったら、多少 “あざとさ” を感じても、2時間と言う限定されて放送尺の中で、力尽くでも最後まで牽引できる。でも、連ドラだと毎週だから、私のように “あざとさ” を “楽しさ” に転嫁している人は良いが、そうでない人には、“違和感” として蓄積していってしまう。

まあ、「感じ方は、人それぞれ」と言ってしまったら、それで終わってしまうが。とにかく、原作(未読)が “連載中で未完” だから、どうしても結末に対しても “あざとく逃げる” しかないのは間違いない。その辺が、本作の今後がどう世間に評価させるか、楽しみでもあり、不安でもある。と、今回は、まず冷静な分析から入ってみた…

私の"思い出の地"でもある「鴨川シーワールド」

さて、本編の感想は、どっぷりと “個人的” で “本作肯定派” として書いていく。

まず、前半の舞台となった「鴨川シーワールド」。まあ、私個人としては、東京の上野の水族館よりも思い入れが深い場所だ。何せ、1970年の開業年に行った場所だから。当時、千葉県の南端である南房総には海に囲まれている割に、本格的な水族館がなく、この「鴨川シーワールド」の開業を機に、南房総の “観光地化” が一気に進んだ。

行ったことのある人なら分かるし、信じられないと思うが。開業当初の数年間は、夏休みになると近隣の国道が大渋滞になり、地元の人でも日の出前に家を出ないと開園に間に合わないことが、しばしばあった位に盛況だった。コロナ禍になって、私も訪れていないが、あそこに行くと、いつでも<小学生の頃の夏休みの自分>に会える。

何せ、詳細な理由は省略するが、0歳児の時から14歳の夏まで、「毎年7月末~8月末は南房総で過ごした私」だからだ。因みに、開業当時のシャチショーの場所は、海が見えないようになっていたが、その後、現在のように海に囲まれたような施設に改善された。

長時間の南房総での冬の屋外ロケの苦労の価値は大いにアリ

とにかく、冬のコロナ禍の撮影ゆえに、寒い中、「10年前」と「今」の両方を撮影しなくてはならない長時間の南房総での屋外ロケは大変だったと思う。でも、その苦労の分、スタジオセットでは味わえない解放感や、ペンギン親子のように可愛らしく歩く3人や、圭介(堤真一)の「貴恵ーっ!」の叫び声もひと際、冴え渡った…

後半の「白石万理華」の心と「蘇った貴恵」の心を宿した万理華の現実も見応えがあった

物語は、凡そ “全体の3/5” を割いた水族館の「新生・新島一家」の3人の “嬉し、楽しいファンタジー” が終わると、本来の母・千嘉(吉田羊)の小学生の娘「白石万理華」の心と「蘇った貴恵」の心を宿した万理華の現実が描かれた。

万理華自身が圭介でなく弟・友利に自己評価を聞いたのが秀逸!

その中でも、秀逸だったのが、万理華自身が弟である友利(神木隆之介)に、自分がどんな人間だったのかを聞くシーンで、友利が姉を「トップ オブ 頼り甲斐」だから「周りを ポンコツにする…」と評価したこと。これ、本来なら圭介に言わせても不思議ではない。だって、第2話までも、圭介は貴恵に叱咤激励をされて成功して来たわけだから。

でも、敢えて圭介に言わせず、友利に言わせることで、貴恵の存在価値と存在の大きさが良く見えて来た。やはり、恋愛関係から発展した夫婦間と、血縁関係の評価は、おのずと違うし、姉に尻を叩かれて来た弟だからこその本音だから響いて来る。だから、圭介も同意だと言うことも、きちんと伝わるのだ…

貴恵を失った人たちが前進する姿が、「浄化への旅」であり「浄化への祈り」であるなら切な過ぎる…

貴恵の誕生日を祝うシーンので、バースデーケーキのくだりも良かった。偶然に起きた “奇跡” を受け入れて、第2話までは “奇跡” に驚き、頼ってばかりだった圭介と娘の麻衣(蒔田彩珠)が、今度は悩んでいる “奇跡” に頼ってくれと言った。

きっと、「貴恵」と言う女性は、“貴い(他に代えるものがない)恵み” であり、それを失った人たちの心の大きな穴を埋めているのが、万理華の殻を借りた「貴恵の魂」なのだと思う。

そして、それによって、貴恵を失った人たちが “10年間もポッカリ空いたままの大きな穴” を埋めるかのように前進する姿が、「浄化への旅」であり「浄化への祈り」であるなら、切な過ぎる。だって、「貴恵の魂」だって、いつまで “奇跡” が続くのか分からないのだから…

あとがき

万理華の母・千嘉が、どんな人間で母親で、母子の生活も、まだ良く見て来ません。そんな中で、“中学生とは思えない死生観” を持った話題の中学生の小説家・出雲凛音(當真あみ)が登場しましたね。彼女も “奇跡” の体験者なのか?

いずれにしても、やはり、前回の感想に書いたように、基本的な部分は「ベタなホームドラマ」ですが、家族再生の物語を通して、更に人間の根深いところまで掘り下げるようですね。

この流れですと、「新島貴恵」と「白石万理華」の両方の記憶がある “貴恵の魂が宿った万理華” が、新島家と白石家のどちらを選ぶのか? その二択を迫るのは、母の千嘉なのかも気になります…

とにかく、先の展開が気になってしょうがないのは連ドラとして良いことですし、登場人物たちが画面の中で生き生きとしているのも、素敵な作品です。“貴恵の魂が宿った万理華” は、心配ですが…

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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