ミステリと言う勿れ (第4話・2022/1/31) 感想

フジテレビ系・月9『ミステリと言う勿れ』
公式リンク:Website、twitter、Instagram
第4話『記憶喪失の爆弾魔、爆弾はどこへ?爆発を食い止めろ』の感想。
なお、原作となった漫画、田村由美『ミステリと言う勿れ』は、未読。また、本作は2021年11月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
整(菅田将暉)は風呂光(伊藤沙莉)に頼まれ、闇サイトに爆破予告文と共にアップされた暗号を解く羽目になる。池本(尾上松也)らは条件に合う建物を捜索中だが爆弾が見つからず、青砥(筒井道隆)の目を盗んで頼ってきたのだ。整は犯人が暗号を使った理由を考えるうち、ある法則に気付く。やがて、次の爆破予告事件が起きる一方で、整は雨の中で歌う記憶喪失の男性(柄本佑)と出会う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:田村由美『ミステリと言う勿れ』
脚本:相沢友子(過去作/鍵のかかった部屋、ビブリア古書堂の事件手帖)
演出:松山博昭(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男) 第1,2,3話
品田俊介(過去作/ルパンの娘1-2、探偵の探偵、ナオミとカナコ) 第4話
相沢秀幸(過去作/アンサング・シンデレラ、トレース~科捜研の男、SUPER RICH)
阿部博行(過去作/ココア、シャーロック アントールドストーリーズ)
音楽:Ken Arai(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男~)
主題歌:King Gnu「カメレオン」
俳優の台詞になると伝わり難いエピソードを、良くぞ、ここまで映像化した!
「3時に惨事が起こる」は、出て来ないのかな? と思いつつ見ていたのだが(笑)
原作(未読)が知的好奇心を煽るのが上手く出来ているのか、ドラマ版の脚本が良く書けているのか、映像化が成功しているのかは、分からないが。ほぼ、間違いないのは、漫画である原作で映像化が困難な部類のエピソードであることだ。
「映像化が困難」と言う表現を、もっと正確に言うなら、「絵と文字ながら比較的伝わり易いが、俳優の台詞になると伝わり難い」と言うことだ。
知的好奇心を煽り、満足させるのが "今回のエピソードらしさ" の最大の特徴
そう思う理由は、ほぼ、全編が “二人の会話劇” だけで進む上に、数々の国内外の名作文学作品を始め、人名などの固有名詞が登場するから。もちろん、その全てを知らなくても、それなりに楽しめるように創られているが、知っていれば、もっと楽しめる。
そう、この知的好奇心を煽り、満足させるのが “今回のエピソードらしさ” の最大の特徴だ。その上、シリアスとコミカルな要素も、絶妙な割合とタイミングで混ぜ込まれているから、本当に “本作らしさ” が最大限に表れているエピソードである可能性もあると思う。
整理整頓が行き届いているから、エピソードとしても、映像としても、かなり秀逸!
また、これまでは、どちらかと言うと、主人公の “おしゃべりで面倒な性格” を活かして、物語が構築され、会話を通して事件解決へ導くスタイルだった。
しかし、第4話と言うことで、これまでのスタイルを捨ててと言うよりも、一層際立たせて、主人公の “おしゃべり” と “圧倒的な推理力” を活かした “探偵モノ” に、見事に仕上がった。
「3」に拘った展開、川辺と爆破予告現場を行き来するシーン構成、母と息子の悲しき関係など、意外とたくさんの要素が盛り込まれているのに、整理整頓が行き届いているから、エピソードとしても、映像としても、かなり秀逸だった。
あとがき
桑田佳祐さんのソロ楽曲に、日本の名作文学の文章だけを引用した、18分48秒間の2012年にリリースされた大作『声に出して歌いたい日本文学〈Medley〉』を思い出しました(歌詞は、こちら)※Amazonでデジタル配信を買うなら、こちら)。
好奇心が旺盛で、知的な部分が刺激される作品は、見ていて清々しい気持ちにさえなりますね。特に、これくらい、知らないことが出て来ないと、満足感もありますし。また、「まだ、フジテレビも、『月9』でも、こんなドラマを創ることが出来るのか!」と関心もしました。
次回のゲストは小日向文世さん。映像効果も、これまでにないもの感じになりそうなので、期待大です。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16517/
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