DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~ (第3話/15分拡大スペシャル・2022/1/30) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第3話/15分拡大スペシャル『逃したテロリストを捕まえろ! 仲間のため命を懸けた涙の決断!! 衝撃のエンディング』の感想。
隆子(中村アン)のミスで、実習生のサンチェス(フェルナンデス直行)が被害者のスマートフォンを盗んで失踪。しかも彼には治安を脅かす秘密があった。この件でロシア高官の来日が見送られ、隆子は責任を痛感。聞き込みで彼と同じ日本語学校のマリア(エレナアレジ後藤)を見つけた隆子は、焦りから彼女にけがをさせそうになる。新名(阿部寛)はそんな隆子を捜査から外すが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:青柳祐美子(過去作/連続テレビ小説『こころ』) 第1,2,3話
小谷暢亮(過去作/闇の法執行人) 第1,2,3話
谷口純一郎(過去作/半沢直樹2020) 第1話
小澤俊介(過去職/ヤメ検の女シリーズ) 第2話
脚本協力:宮本勇人(過去作/高嶺のハナさん) 第1,2,3話
演出:田中健太(過去作/半沢直樹、小さな巨人、陸王、下町ロケット) 第1,2話
青山貴洋(過去作/下町ロケット2、インハンド、グランメゾン東京、天国と地獄) 第3話
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、陸王、ブラックペアン、半沢直樹2020、日本沈没2021)
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、オー!マイ・ボス!、ドラゴン桜2)
主題歌:Lizabet「Another Day Goes By」
共同制作:シェット・インターナショナル(本拠地:イスラエル)
ファセット4メディア(カナダのテレビ番組制作・配給・出資会社)
脚本が稚拙で、迷走しつつ暴走し、更に支離滅裂って感じ…
まともに、感想を書くのが馬鹿馬鹿しくなるくらいに、脚本が稚拙で、演出もそれを助長しているから、迷走しつつ暴走し、更に支離滅裂って感じだろうか。
流石に、隆子に全ての責任を負わせるのは無茶な展開過ぎる
そもそも、隆子(中村アン)のミスは “証拠品の盗難” だけ。その他のテロ組織や爆弾犯や外ロシア高官の来日などは、単なる “飾り付け” ってだけ。なぜなら、これまた、そもそも、逃亡犯は、警察が不当逮捕していたわけで。そんな怪しい人物を、隆子が “個人的” に送迎すること自体が、不自然なのだ。
もう、その時点で、“ドラマ” として違和感満載で、楽しむどころの内容ではないのだ。これ、普通は、証拠品であるスマートフォンを見つけた後で、指紋などから爆発犯だと分かる方が自然では? そうしないと、爆発犯の逃亡まで、隆子の責任問題になってしまう。
流石に、隆子に全ての責任を負わせるのは、無茶な展開過ぎる。だから、違和感が払拭出来ないのだ。
「移送に失敗したこと」を隆子の問題にすれば良かっただけでは?
これ、「技能実習生」と言う設定に無理があるのだ。と言うか、この脚本家たちには荷が重過ぎるのだ。背伸びせずに、脚本家の能力に合わせて、「ただの不法入国者」、「ただの不法滞在者」と言う設定にして、移送中に仲間の協力で逃亡させてしまったと、簡単な設定にすれば良かったのだ。
要するに、「スマートフォンを盗まれたこと」が問題ではなく、「移送に失敗したこと」を隆子の問題にすれば良かっただけでは? まあ、そこまで今回の内容を否定するなら、ついでに言うが。そもそも、盗難されたスマートフォンの中にあるデータに、証拠能力など殆どないと思うのだが。だって、いくらでも改ざんすることは可能なのだから。
今作の脚本家陣に、「刑事モノ」や「ミステリー」の類の"ドラマの脚本"を書く能力が無いのでは?
結局、前回と今回を無理して繋げるから無理が生じるのだ。最初から、前回と今回に “繋がり” を持たせずに、違う事件、案件にした方が、自然だし、納得し易かったのに…。
能力以上のことを書こうとしたって、脚本家の人数分だけ脚本が良くなることの方が珍しく、チグハグになる可能性の方が高いことくらい、上層部なり演出部が気付かないのだろうか? とにかく、「海」を絡めれば “今作らしくなる” と脚本家陣は信じ込んでいるようだが。
私が見る限りでは、「刑事モノ」や「ミステリー」の類の “ドラマの脚本” を書く能力が無いのでは? 「海」を絡めたいなら、海保も事件も必要なし。それこそ、「DCUの活躍」を描くのでなく、「DCUが出来るまで」を学園ドラマのように潜水訓練など入れて、描けば良かったのに…
なぜ、隆子をあそこまで自己中のキャラクターに設定したのだろう?
その上、何のための設定なのか知らないが、なぜ、隆子をあそこまで自己中のキャラクターに設定したのだろう? 隊長である新名(阿部寛)の静止に逆らう意味も分からないし、武器も持たずに船に乗って、境界線を越える意味も良く分からない。だから、隆子の言動が “自業自得” にしか見えなかった。
隊長の命令を無視して暴走する方もする方だが、隊員の “尻拭い” すら出来ない隊長って、隊長としての意味がないような。
と言うか、“尻拭い” するような状況ではなく、それこそ、“証拠品の盗難” だけと言うミスなのだから、チーム一丸となって、隆子のミスをカバーしようと一致団結して、大団円で前回と今回を繋げた分、感動させて欲しかった…
あとがき(その1)
今回が、ほぼ共感も感動もできない理由は、恐らく、次のことが原因です。1つは、コロナ禍で制作されるドラマが抱える事情です。
そう、大人数で動くようなシーンは出来るだけ少なめにして、単独シーンを増やすことで、感染対策をやり易くするってこと。だから、このエピソードも、「隆子が勝手に一人で動く」と言うシチュエーションにして、それを最後まで貫いた結果、現実味が無くなったということ。
あとがき(その2)
もう1つは、放送前から大量にネット上に流れていた「中村アンさんが『日曜劇場』に好かれる理由」みたいな記事で視聴者の目を引こうとした、浅はかな “大人の事情” です。
この2つの理由で、不自然で無茶な展開が多くなったのだと思います。きっと、今日の昼頃には「衝撃のエンディング」とか言って、提灯記事が出回るでしょうが。でも、流石に、ちゃんと見た視聴者は、ストーリーが支離滅裂であることは分かるはずです。
あとがき(その3)
もっと、脚本を事前に他のスタッフが精査して、一旦、大袈裟な「海外プロダクションと共同制作」を忘れて、冷静に作った方が良いと思います。冷静になるべきは、隆子でなく、スタッフだと思いますよ。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16513/
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