相棒 season20 (第13話・2022/1/26) 感想

テレビ朝日系・『相棒 season20』
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第13話『死者の結婚』の感想。
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、死者を結婚させる風習‘冥婚’の絵を描く元似顔絵捜査官・黒瀬(勝部演之)から、13年前の失踪事件に絡む妙な話を聞く。失踪した娘を思う愛子(宮田早苗)と直樹(筒井巧)の依頼で描いた冥婚絵に似た女性が、愛子の家にいたという。それが娘のいとこの遥香(山本舞香)だと主張する愛子を右京らが怪しむ一方で、同じ絵が殺人事件現場で見つかる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●脚本:川﨑龍太/演出:権野元(敬称略)
メインの登場人物、それぞれに見せ場が用意された珍しいエピソード
今回のエピソードで、最も興味深かったのは、メインで動いた “レギュラーの登場人物たちと、ゲストの登場人物たち” が、ほぼ全員に見せ場が用意され、それぞれの個性を生かしたエピソードを上手く並べたような構成になっていたこと。
普通なら、当然、右京(水谷豊)、もしくは冠城(反町隆史)なのに、特命係もその一員に含まれて、全員でドラマを構成したように見えたことだ。こう言うのは『相棒』では珍しい部類に入るのでは? その意味で、いろいろ楽しむことが出来たし、その分だけ、「ああしたら、もっと良かったのに…」もある。
シンプルなのに複雑に見せる"仕立て"や、青木を使った"オチ"も良かった
まず、基本的に、大袈裟な話で無い割に、意外と広がりがあって、それでいて、大きなひねりが割るわけでもないのに、複雑な印象を受けるような “仕立て” が良かった。オチに、青木(浅利陽介)の意外な一面を持って来るのも、如何にも “オチ” と言う感じで面白かった。
黒瀬と彩奈を、どこまで描くべきか微妙な感じだったが…
ただ、「全員野球」的なエピソードに仕立てたのなら、 死者を結婚させる風習‘冥婚’の絵を描く元似顔絵捜査官・黒瀬(勝部演之)と梶本彩奈(山本舞香)の扱いは、もう少し考えても良かったかな… と。
確かに、“冥婚絵” と “似顔絵捜査” が今回のエピソードには不可欠だが、結果的に事件そのものに大きく関与していなかったのだから、登場させなくても “ドラマ” としては成立したはず。まあ、特命係が動き出すきっかけなどに “便利に” 利用していたが、それ以外の効果が薄かったのは否めまいと思う。
逆に、もっと、事件と言うか、今回のエピソードの中に組み込んだ方が良いと思ったのは、彩奈の過去。当然、今回の描写でも、ある程度は伝わって来たが、折角のゲストだし、興味深いキャラクターだから、「騙す」と「役に立つ」の両面を兼ね備えた面白いキャラクターだから、過去を描かなくても成立するが、黒瀬を引っ込めて、彩奈を押したら、もっとヒューマンドラマ的な分が、深まったような気がする。
但し、『相棒シリーズ』として見ると、伊丹(川原和久)が、きちんとエピソードに組み込まれるのは、珍しいことだから、そこを本作らしく強調するのであれば、黒瀬を登場させるのは正しい選択と言える。とにかく、いろいろと新鮮で面白いエピソードだった。
あとがき
ピアノの女性の先生と、男子生徒が… と言うのが、少々安直な感じは否めませんでしたね。ただ、他に何かあるか? と考えると、まあ、「ドラマに良くあるネタ」として、全体の要素に対して許容範囲かなと。
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