連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第60回・2022/1/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第60回〔全112回〕/第13週『1964-1965』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
るい(深津絵里)はクリーニング店の平助(村田雄浩)と和子(濱田マリ)の元を離れ、心機一転、京都で暮らすことを決意します。錠一郎(オダギリジョー)と一緒に、京都でお茶のお師匠さんをしているベリーこと野田一子(市川実日子)を訪ねますが、何をして暮らしていくか決まりません。そんな時、北野天満宮の縁日でたち並ぶ出店の間を歩いていたるいは、気になるものをみつけ…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9,13週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
前回との落差が大き過ぎて、手抜きに見えてしまうのが逆効果に
前回のラストが、今作では珍しく、ロマンチックで良い感じで終わったのに、今回のアバンタイトルのダサさと来たら…。これを、メリハリと呼ぶべきか、繋がり皆無と評価すべきか悩む気持ちで始まったのとは真逆な区切りの良い「第60回」。
恐らく、脚本家が書いた部分をそのまま映像化したのだろうが、脚本家のセンスの無さに呆れると言うか。あんなの、簡単にナレーションで済ませてしまえば、サクッと「婚姻届けから新生活開始まで」進んだのに。
こう言う、一見、丁寧に見えそうで手抜きに見えてしまうのが、この脚本の良くないところ。手抜きに見えるから面白く感じ難いのだ。
今回で良かったのは、"ベリー"の由来と、副音声での回転焼きの解説だけ…
さて、本編の感想。ベリーこと野田一子(市川実日子)の愛称の由来については、前回の感想で、追記した通りだった。たまたま、病院の待合室で次々と名前を呼ばれるのを聞いていて、「もしや?」と思って “追記” したのだが、当たっていて良かった。
別に、本編内で触れる必要はないが、触れないのと触れるのでは大きく違う。やはり、触れた方が、ベリーの人柄が見えて来るから。
それと同様に、今回の副音声では、「因みに『一子』の『いち』は漢数字の『一』」とか、回転焼きの作り方の解説や、「因みに、この回転焼き。今川焼とか大判焼きとか、地域によって呼び名はいろいろ」と丁寧な解説が入っており、本編より、遥かに丁寧に副音声が作られていたのには、好感を持った。
相当好意的に見ないと、理解も認めることも難しいのは確か
そして、本当の本編の感想だ。描こうとしていることは理解する。これから進もうとする方向性も見えて来たのも認める。しかし、「安子編」での “るい” が和菓子を作る作業についての描写が雑過ぎて、相当好意的に見ないと、理解も認めることも難しいのは確かだった。
例えば、るいが大阪の「和菓子屋たちばな」にいたのは、2~3歳の頃で、手伝ってはいたが、「あんこ作り」を覚えるレベルではなかった。また、「安子編」では、ラジオ英語講座が始まってからは、英会話の方に興味関心があるように描かれていたから、何か違和感が…
婚姻届け提出から回転焼き成功まで、都合が良過ぎて興覚め
その後、岡山に引っ越してからも、最初のうちは雉真家の台所で “安子” が「おはぎ」を作っていたが、“るい” が積極的に手伝っていた印象は薄い。更に、途中から行商も無くなって、いつまで安子(上白石萌音)が「おはぎ」を作っていたのか不明瞭。
その上、安子と、安子の兄・算太(濱田岳)が「たちばな再建」を始めたから、「おはぎ」を含めた和菓子を作っていたのは、安子と算太が “思い出の味” を作っていたと考えるのが妥当だ。
従って、るいが、2~3歳の頃の記憶で、「おいしゅうなれ」のおまじないを覚えているのは不自然でないが、“たちばなのあんこの味” を再現できるのも、いや再現まで行かなくても、回転焼きを作れるのは、流石に妥当だとは思えない。
まだ、雉真家にいた時代に、家事手伝いを一通りやって来たと言うような描写でもあれば、話は変わって来るが、それも無かったし。
今回で最も不満なのは、回転焼きが完成するまでの試行錯誤が全く描かれなかったこと
それに、今回で最も不満なのは、回転焼きが完成するまでの試行錯誤が全く描かれなかったことだ。「安子編」の時は、散々描いて、こちらの耳にタコが出来るくらいに、おまじまいの「おいしゅうなれ」も “安子の専売特許” の印象が強いのに、ここへ来て、いきなり、店を借りて、厨房機器も買って、試作一発で大成功って???
「安子編」では、生活が苦しくて、材料調達にも悪戦苦闘しながら、あんなに “たちばなの味” に拘った安子を描いたのに。「るい編」の “るい” は、ただ生きるために、回移転焼きって? 流石に、ギャップがあり過ぎるし、“たちばなの味” でない “あんこ” を、 錠一郎(オダギリジョー)が “安子の味” と間違って覚えてしまう可能性だってある。
「るい編」が今作の中核で "たちばなのあんこの味"が大きな"繋がり要素"なのに…
これって、小さいことのように感じるかも知れないが、実は凄く重要なことなのだ。なぜなら、今作で祖母と孫を繋ぐのが「るい編」であり、「るい編」が今作の中核で “たちばなのあんこの味” が大きな “繋がり要素” になっているのだから、せめて試行錯誤くらいは描くべきだったと思う。
あとがき
やはり、祖母、母、孫と続く「女性、3代に亘る100年を描くドラマ」として、もっと「安子編」で “るい” を丁寧に描くべきだったと思います。「I hate you!」ばかりが印象に残っているのが問題なのです。まあ、今さら言っても遅いですが、ここまで都合良く話が進むと、前回があっただけに、白けますね。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16498/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51 52 土
第12週『1963-1964』
53 54 55 56 57 土
第13週『1964-1965』
58 59
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