よるドラ「恋せぬふたり」〔全8回〕 (第3話・2022/1/24) 感想

NHK総合・よるドラ『恋せぬふたり』
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第3話〔全8回〕の感想。
「俺らギリ付き合ってる」というカズ(濱正悟)の言葉の意味が分からず困惑する咲子(岸井ゆきの)。高橋(高橋一生)から渡された「アセクシュアル」に関するアンケートの回答を考えながら、カズとのこれまでの関係について思いを巡らせる。そんなある日、咲子と高橋は仕事帰りに商店街で買い物をし、一緒に帰宅する。そこへ、2人が恋人同士と勘違いしたカズが飛び込んでくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:吉田恵里香(過去作/恋するイヴ、花のち晴れ~花男 Next Season~、Heaven?~ご苦楽レストラン~)
演出:野口雄大(過去作/朝ドラ「エール」) 第2話
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段、朝ドラ「おかえりモネ) 第1話
土井祥平(過去作/真田丸、半分、青い。、ドリーム・チーム) 第3話
音楽:阿部海太郎(過去作/令和元年版 怪談 牡丹燈籠 Beauty&Fear、スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー~)
主題歌:CHAI 「まるごと」
冒頭の「注意書き」に驚いたが…
冒頭で「注意書き」が入ったから、どんな内容になるのかと思って見始めたが。結果的には、各種方面に配慮したって感じだろうか。まあ、NHKではもっと過激な描写は過去にもあったが、最近は「コンプライアンスが…」と騒ぐ風潮が当然のように蔓延っているから、しょうがないか。
やはり、まだまだ、私を含めて、他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない「アロマンティック・アセクシュアル」の人たちの存在への理解が十分とは言えないから…
咲子の感情表現の微妙な描写次第で、視聴者にとっての今作の価値観や存在意義が大きく違ってしまう
それにしても、序盤では、「この脚本家は、“アロマンティック・アセクシュアル” の何をどう描きたいのか?」と言う疑問しか湧かなった。あれなら、「カズ君とは価値観が違うから、付き合えない」と断るだけで済むように見えたし、そのように描いてしまうから、咲子(岸井ゆきの)が、単純な “かまってちゃん” にも見えてしまった。
ただ、後半を見ると、そうでないことが分かった。結局、本作は咲子の感情表現の微妙な描写次第で、視聴者にとっての今作の価値観や存在意義が大きく違ってしまうってことが。
微妙な表現を本作の “核” として捉える必要があると思う
とにかく、“アロマンティック・アセクシュアル” を描いているのは確かだが。今作がやろうとしているのは、きっと、知らない視聴者への啓蒙活動の意味もあるようだ。その部分の脚本と演出が、人によっては「わざわざ、大袈裟なドラマにしている」ように見えるかも知れない… と。
でも、今作を良く見れば分かるが、描こうとしている中核部分は、「アロマンティック・アセクシュアル」の男女が始めた同居生活が周囲に波紋を広げていく様子を「ラブの無いラブコメ」として描くことなのだ。そこに気づいて納得して楽しむには、この微妙な表現を本作の “核” として捉える必要があると思う。
あとがき
「アロマンティック・アセクシュアル」でないカズが同居することで、より違いが分かり易くなると、もっと面白味が味わえるでしょうね。しかし、その分、「だったら、普通のシェアハウスの話でしょ?」ってなる可能性もなくは無いです。やはり、“微妙” な表現を演じるメインの二人から、読み解くしかないですね。
ラブコメとしては、ちょっとハードルが高いですが、たまには、こう言う「考えさせられるドラマ」も、いいものです。
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