ミステリと言う勿れ (第3話・2022/1/24) 感想

フジテレビ系・月9『ミステリと言う勿れ』
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第3話『遂にバスジャック解決遍!犯人は誰だ!?哀しき復讐』の感想。
なお、原作となった漫画、田村由美『ミステリと言う勿れ』は、未読。また、本作は2021年11月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
オトヤ(阿部亮平)の兄でバスジャック犯一味の坂本(久保田悠来)は、本名をガロと名乗り、妹・愛珠(白石麻衣)を殺した連続殺人犯特定のため乗客達に質問を投げていた。一方、バスジャックと整(菅田将暉)の関連を突き止めた青砥(筒井道隆)や池本(尾上松也)、風呂光(伊藤沙莉)が、整や翔(永山瑛太)ら乗客が集められた屋敷に突入。すると整はなぜか日本のサスペンスドラマの話を始め…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:田村由美『ミステリと言う勿れ』
脚本:相沢友子(過去作/鍵のかかった部屋、ビブリア古書堂の事件手帖)
演出:松山博昭(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男) 第1,2,3話
品田俊介(過去作/ルパンの娘1-2、探偵の探偵、ナオミとカナコ)
相沢秀幸(過去作/アンサング・シンデレラ、トレース~科捜研の男、SUPER RICH)
阿部博行(過去作/ココア、シャーロック アントールドストーリーズ)
音楽:Ken Arai(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男~)
主題歌:King Gnu「カメレオン」
今作のような個性ある"作家性"の強いドラマが好きだ
この度の「解決編」を見て感じたのは、やはり、私は、脚本家や演出家の “作家性” や “チャレンジ精神”、そして、“オリジナルへの執着心” が強く感じることが出来、更に、私の心とシンクロするような作品が、連ドラに限らず、映像作品全般で好きなのだなぁと言うことだ。
第1話が、明らかに私の中で原作は未読でも分かるくらいの “間引き” の多さでも、あれだけ私の心を打った。だから、今回の「解決編」についても、大きな期待をして見始めた。「きっと、普通じゃないエンディングを見せてくれるはずである」と…
「前後編」のような構成や放送尺が、この独特な世界観を創出するには必要不可欠であり、それこそが魅力
作り手たちの答えは、私の期待を全く裏切ることは無かった。もちろん、想定内も想定外の部分もあったが。それでも、やはり、(原作とは原則的に比較しない立場の私として)、本作は、「前後編」のような構成や放送尺が、この独特な世界観を創出するには必要不可欠であり、それこそが魅力であると再確認した。
当然、私自身は「1話完結」を望ましいと思ってはいるが、やはり、前述の “作家性” を重視する、期待するなら、「前後編」も已む無し… が、私の出した答えだった。
明らかに、回を重ねる毎に"完成度"がアップしている
事件についての詳細は、あまりに細かいので省略させて頂くが、今回の事件も、「ラストシーン」を含めて、かなり満足度が高かった。癖は強いし、超が付くくらいに個性的で、しっかり見ていないと分かり辛ささえある今作。原作も大人気。だから、好みの問題は大いにあると思う。
しかし、“ドラマ”、特に “連ドラ” と言う形式の “ドラマ” として、明らかに回を重ねる毎に完成度がアップしているのは確かだ。
あの"エピローグ"を映像化した時点で、更に素晴らしい作品になった
特に、感銘を受け、共感したのは、今回のエピローグの部分だ。尺も内容も長くて分かり難いが。あの部分に、しっかりと放送尺を割き、きちんと物語を描いたのには、正直言って驚いた。恐らく、原作にあるのだろうが(原作既読者さんネタバレ不要です)。また、あれを、エピローグと表現して良いのか分からない。
しかし、私にとっては、「真犯人が誰であるか?」よりも、重要な今回の事件の “最重要パーツ” だと思った。普通の連ドラなら無くても成立するが、今作では無ければ成立しない。それは、あのエピローグこそが、世界観そのものであり、今作の作り手たちの拘りであり、作家性の表現だから。
「続編」や「映画化」を考えている可能性はあるが、それを抜きにしても、あのエピローグまでをキッチリと描き切ったのは、素晴らしかった。
あとがき
クレジット・タイトルの文字の読み辛さも、拘りを感じて、私は好きです。そして、やはり、見終えた後の余韻の心地良さと悪さの、絶妙なさじ加減も見事でした。やはり、連ドラは「次回も見たい」と思わせることが大事で、そこを「予告編」に頼らずに、きちんと考えた構成にしている点も “私好み” です。次回にも、大いに期待します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16493/
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