連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第56回・2022/1/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram
第56回〔全112回〕/第12週『1963-1964』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
デビューアルバムのレコーディングのため東京で生活することになった錠一郎(オダギリジョー)。笹川社長(佐川満男)の自宅で娘の奈々(佐々木希)に面倒を見てもらいながら順調に準備を進めていきます。一方、るい(深津絵里)は錠一郎と再会できるクリスマスライブの日を楽しみにしながら待ち続けていました。ところがそんなるいの元に、悪い噂が。錠一郎が奈々に手を出して笹川社長を怒らせたというのですが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
泉並敬眞(過去作/まんぷく、スカーレット、六畳間のピアノマン) 第11週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10,12週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
アバンでの最近の今作の主人公である「錠一郎の生い立ち秘話ストーリー」。単独で見たら悪くない!
まさか、アバンタイトルで、前回のラストにあった、最近の今作の主人公である「錠一郎の生い立ち秘話ストーリー」だが、それだけ単独で見たら悪くない。
まあ、ありきたりと言っては可哀そうだが、でも、世界中のジャズのスター誕生秘話には類似品が多いから、目新しさは無かったが、それでも、“最近の今作の主人公” のスターへの階段の誕生秘話としては、むしろベタでジャズを扱うドラマとして良かったと思う。
描くべきは「錠一郎の過去」ではなく、「るいの過去」ではないか?
ただ、アバンタイトルだけでなく、主題歌明けも、その“最近の今作の主人公” のスターへの階段の誕生秘話が続いたから、“本当(本来)の主人公” である、るい(深津絵里)にとって、他人事のように見えてしまった。
それは、誕生秘話がベタであるのも理由の一つだが、そもそも、今作に於いて、今のところ、錠一郎(オダギリジョー)がどのように今に至ったのかは、大した問題でないからだ。要するに、描くべきは「錠一郎の過去」ではなく、「るいの過去」ではないかってこと。そこが、モヤモヤするのだ。
るいに、定一も「On the Sunny Side of the Street」も殆ど関係性が無い。これが問題!
個人的には、あの喫茶店「Dippermouth Blues」マスター・定一(世良公則)を登場させて、トランぺッターのジョーの誕生秘話を描くのは間違っていないと思っている。その方が、るいと錠一郎の出会いが “より運命的” に見えるし、ドラマチックにもなるから。
そのために、定一と同等、いや、もしかすると、定一以上に重要なのが「On the Sunny Side of the Street(邦題:ひなたの道を)」と言う楽曲だ。しかし、“本来の主人公” である るいに、定一も「On the Sunny Side of the Street」も殆ど関係性が無い。これが問題なのだ。
るいにとって「On the Sunny Side of the Street」が、思い入れのある “特別な楽曲” と言う位置づけだが…
例えば、今作では、るいにとって「On the Sunny Side of the Street」が、思い入れのある “特別な楽曲” と言う位置づけで描かれている。確かに、そう見えなくもない。何せ、本人の名前が「ルイ・アームストロング」から取っているのだから。本人自身も “特別な曲” と思っている可能性はある。
「安子編」で、もっと安子が、娘るいに、「この曲はね…」と、幾度も言い聞かせる映像が必要だった…
しかし、冷静に見れば分かるが、「On the Sunny Side of the Street」が“特別な曲” であるのは、母親の安子(上白石萌音)なのだ。
だから、るいにとっても “特別な曲” と今の時点で描く予定があったなら、「安子編」の時に、カウンター席で聞く、いつも回想で使われている “ワンシーン” だけでなく、もっと、喫茶店「Dippermouth Blues」に通う様子とか、マスターの定一を絡めて、安子が、娘るいに、「この曲はね…」と、幾度も言い聞かせる映像が必要だったのだ。
そうしておけば、るいも(お母さんのことは、まだ許していないようだから)「いつも、定一さんから、サッチモやサニーサイドのことは聞いていました」と言えるし、それこそが “二人の運命的な出会い” そのものになったはず。
それをやらずして、「るいにとって特別であると解釈しろ」と言うのは、あまりにも視聴者頼みになってしまっているのではないだろうか?
もっと、定一についても「安子編」で描いておくべきだった
視聴者頼みになっている点については、定一も同様だ。定一と稔(松村北斗)は “行きつけの店の店主と客” と言う人間関係があったから、安子も似たような関係として理解するのは可能だが、流石に幼少期の娘るいと定一まで似たような関係であるとするのは強引なような。
だったら、今回のアバンでの錠一郎の「誕生秘話」のくだりで、るいが「私も通っていた」みたいに、もっと反応すべき。また、先日、るいが錠一郎にインスタントコーヒーを淹れる場面があったが、あそこでも祖父のことを話すのでなく、「美味しいコーヒーの淹れ方を教わった」など、定一を強調すべきだったのだ。
結局、様々なことが、視聴者の好意的な解釈に頼り過ぎだから、ドラマそのものに説得力がない。だから、じっくり見る必要が無くなり “流し見” や “ながら見” になってしまうのだ。
あとがき(その1)
まあ、木曜日としては、前日で頑張ったので、金曜日への “時間繋ぎ” で終わりましたね。そして、昨日、次期作の放送開始日が正式発表(情報源)され、〔全120回〕の予定が〔全112回〕へ “8回分” も減りました。と言うわけで、気付いたら「半分過ぎ」ているのです。
となると、 〔全120回〕の予定で撮影編集してたとしたら、そろそろ「るい編」も後半になるってことですよね。そして「ひなた編」へ。本来は、祖母と孫を繋ぐ娘の「るい編」が今作の中核を成すはずなのに、これで良いのかな? と、他人事ながら気になります。
あとがき(その2)
また、気になると言えば、8分頃、レコード会社の社長邸にあるグランドピアノの上に、錠一郎がトランペットのハードケースを “ドン” と置きました。音楽好き、趣味で下手ですが楽器を演奏する者の端くれとして、楽器の取り扱いだけでなく、楽器への愛情と言う点で、あまりの無神経さに、ちょっと嫌悪感を抱いてしまいました。
ああ言う描写一つで、定一の教えが崩壊しちゃうじゃないですか? だって、冒頭のアバンを見た限り、「何より、上手くなりたいなら何より楽器を大切にしろよ」と定一が錠一郎に教えたと信じたいので。そこは、視聴者頼みを裏切るなんて…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16474/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51 52 土
第12週『1963-1964』
53 54 55
- 関連記事
-
- ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○ (第3話・2022/1/20) 感想 (2022/01/21)
- となりのチカラ (第1話/初回拡大スペシャル・2022/1/20) 感想 (2022/01/21)
- 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全112回〕 (第56回・2022/1/20) 感想 (2022/01/20)
- 相棒 season20 (第12話・2022/1/19) 感想 (2022/01/20)
- 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第55回・2022/1/19) 感想 (2022/01/19)