ドクターホワイト (第1話/初回15分拡大・2022/1/17) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『ドクターホワイト』
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第1話/初回15分拡大『誤診です! 謎の女性 天才的診断で命を救う医療ミステリー開幕』の感想。
なお、原作となった小説・樹林伸『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』、『ドクター・ホワイト神の診断』は、未読。
医療ジャーナリストの将貴(柄本佑)は公園で倒れている女性(浜辺美波)を見つけ、幼なじみの内科医・麻里亜(瀧本美織)が働く病院へ運ぶ。目覚めた女性は白夜と名乗り、将貴の体調不良の理由や誤診を言い当てるなど医学知識があったが、それ以外の記憶は失っていた。将貴は友人で刑事の淳平(宮田俊哉)に素性調査を頼み、白夜を妹の晴汝(岡崎紗絵)と暮らす自宅へ連れ帰る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小説・樹林伸『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』、『ドクター・ホワイト神の診断』
脚本:小峯裕之(過去作/家政夫のミタゾノ1~3、SUITS/シーツ2、アオニマス、ドクターX-7)
演出:城宝秀則(過去作/マルモのおきて、絶対零度3、竜の道 二つの顔の復讐者) 第1話
河野圭太(過去作/僕らは奇跡でできている、危険なビーナス、推しの王子様)
北坊信一(過去作/世にも奇妙な物語シリーズ、危険なビーナス)
音楽:福廣秀一朗(過去作/未来日記-ANOTHER:WORLD-、破獄、犬神家の一族2018)
主題歌:Ado「心という名の不可解」
医療従事者の妻を持つ私には、気持ちの良くない滑り出しで始まった本作
記憶喪失で社会性が皆無なのに、天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す謎の女性医師が活躍する医療ミステリーのようだ。
しかし、「記憶喪失で…」の初期設定が無ければ、誰がどこから見ても、普通の “医療モノ” って感じで、特段、目新しさは無かった。おっと、あんな誤診ばかりの病院は目新しいが、「あれは、病院や医療従事者への冒涜では?」とさえ思ってしまった。
と言うわけで、妻が医療従事者がコロナ禍で疲弊しているのを毎日、目の当たりにしている私にとっては、気持ちの良くない滑り出しで始まった。
物語以外、"ドラマ"として全然完成していないと言う印象
「誤診」を扱うと言う意味では、気持ちの良くないスタートを切った第1話だが、ストーリー自体は、「こんなものか?」と多少諦めれば、怒りが込み上げるような不快感もないし、至って普通。そう、正直言って、ストーリーはそれなりだが、それ以外の特徴が皆無で、どのあたりを楽しめば良いのか、良く分からなかった。
いや、正確に言うなら、物語以外、“ドラマ” として全然完成していないと言う印象だ。とは言え、 医療ドラマで失敗する作品は珍しいから、今作も、徐々に面白くなるとは思うのだが(期待を含めて)…
最初から最後まで、「何を描こうとしているの?」って感じ
とにかく、最初から最後まで、「何を描こうとしているの?」って感じ。まず、その原因の1つが、主人公の台詞が多過ぎること。いや、“台詞だけ” しか存在感が無いと言うのが正しいかも。
まあ、主人公の設定だから、“喋り過ぎ” なのは間違っていない。しかし、流石に、終始、主人公が喋ってばかりで、動くのは周囲の脇役ばかりでは、主人公の「天才的な診断能力を持ち、現役医師の誤診を正す」と言う “スーパードクター” らしさが伝わって来ないのだ。
主人公も周囲の医師も会話ばかりで、医師らしいことをやっていない
「何を描こうとしているの?」って感じの理由の2つ目は、院内の医師たちの言動や行動の描写が “変” なこと。確かに、身体や手は動いているが、よくよく見れば、ほぼ会話劇。医師らしいことをやっていないのだ。これって、ある意味、“医療モノ” としては致命的では?
なぜなら、普段は見えない “医療行為” や “患者に見えない裏側” を見えるのが “医療モノ” を見る醍醐味の一つなのに、本作ではその “医療行為” の描写さえ中途半端。意地悪な言い方をすれば、舞台が病院であるかどうかさえ、明瞭に見えて来なかった。これも、流石に…
主人公の凄さも、舞台が病院であることも、描写のほぼ全てが中途半端で曖昧
結局、主人公が “スゴイ・ドクター” であることも、舞台が病院であるとも、描写のほぼ全てが中途半端で曖昧。
更に、誰もが知っているような「大ヒット医療ドラマ」なら、難しい医療用語や意味が分からない医療行為が描かれても、卓越した診断能力や敏腕な手術シーンで、何となく “分かり難いことも、分かった気になれる” のに、今作には “それ” が皆無。
要は、主人公や同僚たちの医療行為に関する説明などが、悉く分かり難いまま進んでしまったこと。流石に、現状で「“医療モノ” として楽しめ」と言うのは無理がある。
ちょっと風変わりな"医療ミステリー"として見れば、楽しめるかも?
まあ、いっその事、“医療モノ” としてではなく、本感想の冒頭で書いたように、ちょっと風変わりな “医療ミステリー” として見れば、主人公以外の医師たちの能力&技術不足が際立って、「誤診だらけの、行きたくない病院」が舞台の “医療ミステリー” として、それなりに楽しめる可能性はある。
とは言え、記憶喪失の女性を警察に連絡せず、家に連れて帰ったり、医療知識があるからと言うだけで医師免許も確認しないで、医療チームに加入させたりするのは、些か、やり過ぎでは?
なぜ、ここまで"映像で伝える"と言うことをしないのか、意味が分からない
もう、ここまで書いたから、書いてしまうが。ここまで、ほぼ全編が “台詞” や “会話” だけで成立させて良しとするなら、私の基準では、もはや映像が必要な “ドラマ” と認定するのも微妙。紙芝居だって、もう少し、絵に頼ると思うが。
とにかく、なぜ、ここまで “映像で伝える” と言うことをしないのか、意味が分からない。想像の域ではあるが、これ、原作が漫画では小説なのだ。だから、“映像のもとになるお手本” が無い。だから、文章をそのまま映像化しただけって感じなのかも(原作は未読)?
本来なら、漫画原作が多い、最近のドラマ界の中で小説が原作なら、脚本家と演出家が腕の見せ所で、やる気が出るはずなのだが…
あとがき
これ、妙にテレビドラマ化のための “小手先の改変” などしないで、原作の小説から、ポイントとなる台詞を抽出して、そこから映像を作った方が、マシだと思います。あとは、ナレーションとCGで “分かり易さ” を加えると言う手も残ってはいますが。
やはり、ここまで「台詞でドラマを創る」と言う方向性が明瞭だと、今後、変わってくる可能性は低いでしょうね。次週まで様子見して、内容次第では離脱します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16467/
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