連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第52回・2022/1/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第52回/第11週『1962-1963』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
ドライブの帰りに錠一郎(オダギリジョー)から思いを伝えられたるい(深津絵里)。しかしるいは額の傷を気にして錠一郎の気持ちを受け入れることができません。コンテストに向けて調子の上がらない錠一郎の様子から、るいがなかなか返事ができずにいることを知ったベリー(市川実日子)は激怒。そして、錠一郎の将来のため、るいはある決心を固めます。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
今回、るいと錠一郎の"恋バナ"としては良く出来ていたが…
まず、今日は、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)との “恋バナ” としては、良く出来ていたと思う。その良い部分は、感想の後半に書くことにして、最初に、ちょっとだけ気になっていることを書いておく。
簡単に言えば、この流れで、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』として、るいと錠一郎が結ばれるとか、結ばれないとか、その方向に舵を切って行ってしまって良いのかな? と言う疑問だ。
ここまで、視聴者の脳内補完に頼るのは、どうかと思う…
二人が結ばれるのか、そうならないのかは別にして。確かに、錠一郎が “るいの全てを受け入れて” いて、るいにプロポーズをした。先日の描写でも、錠一郎の過去については、それなりの情報が るいに提供されている。しかし、その逆、るいの過去についての情報提供が錠一郎にされていない。
確かに、「恋は盲目」と言うし、好意的に解釈すれば、前述のように、錠一郎が るいの全てを受け入れていると考えれば、納得できるが、ドラマとして考えると、ちょっとだけ不公平なような気がする。
まあ、るいと錠一郎とは別に、視聴者と言う立場では、全ての事情をそれなりに知っているから、脳内補完できるが、やはり、ここは、折角の “いいくだり” だから、もう少し二人の過去を互いに模索するなり、偶然知ってしまうなどの “ドラマチック” で丁寧なエピソードでも良かったと思う。
特に、恋敵であるベリー(市川実日子)もいるのだから、もう少し二人の “経緯” を描いて欲しかった。
るいとべりーの女同士のジョーの取り合いのくだりの照明演出に注目!
但し、全体的に前回からの流れを含めて、今回に対しても、良い印象だったのは間違いない。
例えば、5分頃から始まった、るいとべりーの女同士のジョーの取り合いのくだりの照明演出。劣勢な状況のベリーの背後の板塀に光が当たっていて、“ひなた” がベリーを応援しているように、照明で演出されていた。一方のるいは、路地の奥側で日差しは当たっていない。

©NHK
画面を左右に分割したような印象を作ることで、映像的な奥行き感も出るし、二人の今後の “明暗” を分ける糸口を感じさせた。ここで “ひなた” が、るいにまで届いてしまうと、何となく先が見えてしまうから、この分割が正解。やはり、今週の演出家は照明演出が上手いと思う。
"額の傷"を鏡に映して見せることで得られる効果について
もう一つ、いや、正確に言うと二つ、姿見の鏡を使った演出も良かった。一つ目は、るいが “額の傷” を錠一郎の見せるカット。これまでも、るいの “額の傷” については、鏡に映った傷を視聴者に見せる機会が多かった。その理由は、恐らく、客観性と主観を同居させたいからだと推測する。

©NHK
普通に、るいが額の傷を気にしているなら、真正面から撮影するだけで済む。しかし、鏡に映った傷によって、視聴者は、その都度、客観的に “るいと傷” を見ることになって、更にその度に「I hete you!」を思い出す。また一方で、るい自身も鏡に映る自分を見て客観的に “額の傷” と向き合う。
そして、視聴者はその時の “るいの心の中” を想像し、るいの主観を感じ取るのだ。そして、今回は、その技法を使って、額の傷を錠一郎が見るカットがあった。ここで、錠一郎と視聴者の気持ちが一体化したと思う。「鏡は嘘を映さない」のだ。
今回の鏡を使った2つの場面が、映画のワンシーンのよう…
また、14分頃のラストカット直前で、試着室の鏡に店長の姿が映り込むカットもあった。ベタな演出だが、どこどなく1960~70年代の欧米のラブロマンス映画のワンシーンを彷彿させるようで、ニヤリとしてしまった。

©NHK
かなり足早で進んでいるのは間違いない。しかし、ここ2回は、ゆったりと描いており、私は、これはこれで “あり” だと思う。なぜなら、物語は確実に前進しているのだから…
あとがき
あとは、英語、ラジオ、ラジオ講座、和菓子を、所々に忍ばせて、「安子編」と「るい編」の “繋がり” を感じさせてくれれば良いと思います。先日の感想でも書いたように「祖母、母、娘」を連続して描くためには、絶対に “伴侶” の存在を描かざるを得ないので、多少は恋バナ寄りになるのは、しょうがないと思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16456/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50 51
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