連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第51回・2022/1/13) 感想 ※キャプチャー画像あり

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第51回/第11週『1962-1963』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
るい(深津絵里)は、トミー(早乙女太一)の誘いで車に乗って海にドライブにいくことに。いくらデートに誘っても乗ってくれない錠一郎(オダギリジョー)との関係を深めたいベリー(市川実日子)の望みを叶(かな)えようと、トミーがダブルデートを計画したのでした。実はそのトミーには隠した狙いがあって…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
アバンの「ドライブ」と「クリーニング店」の"繋ぎ目"が気になった
月曜日の感想で、今週の演出家は照明演出が上手いと書いたが。どうも、それ以外に良いところが無いと言うか(のちに、良い演出にも触れますが)
例えば、アバンタイトル。オープンカーでのダブル・デートは良いとして、るい(深津絵里)の “あの帽子” では “額の傷” を、人生のトラウマ的に気にしているようには見えない。それに、「何で こねんことに なっとるじゃろうか…」の直後の「竹村クリーニング店」でのやり取り。
ここ、例えば「数日前」などとテロップを入れれば、和子 (濱田マリ)がるいに行くように尻を叩いたように見えて、和子のお節介さがコミカルに見えるのに、何の説明も入らないから、ただの状況説明で終わってしまった。説明なら、ナレーションで事足りるわけで。勿体ない…
"今回の15分間"は、意外と言っては失礼だが、良かった
ただ、異論反論あろうが、私は “今回の15分間” は、意外と言っては失礼だが、良かったと思う。その理由は、ここ最近、「るい編」になって、あちこちが端折られた印象が強かったし、あざとく見える感じで次の「ひなた編」へのフラグを立てて、先走った感じが無かったから。
「安子編」と共に戦争が終わり、ようやく若者たちが自由を手にして、青春を謳歌できるような平和な日々が訪れて来た感じが、ゆっくりと流れる時間の中で描写されたのも、良かったと思う。
"景色"と言う言葉には"色"が使われていて、それが"彩り"にも繋がっていく…
そして、60年代初頭から、本場のドイツ生産からアメリカでも生産されるようになった、トミー(早乙女太一)が乗っていた外国製の自動車(あとで詳しく語ります)、瓶入りのジュース、海辺の解放感、アメリカに続く太平洋の青く広い海、遠くの船の汽笛などアイテムを並べて、1963年を知らない世代にとっても “懐かしい景色” を創り出した。
そう、“景色” と言う言葉には “色” が使われていて、それが “彩り” にも繋がっていく。時代と共に変化する “若者たちの彩りと景色” が、正に、太陽の日差しの下で、「On the Sunny Side of the Street(邦題:ひなたの道を)」に呼応するように、美しく描写できたのは、やはり、光の使い方が上手い、今週の演出担当である泉並敬眞氏の手腕によるところが大きいと思う。
戦争で幼少期に大きな傷を負った、るいと錠一郎の二人の若者にフォーカスした展開も良かった
更に、戦争で幼少期に大きな傷を負った、るいと錠一郎(オダギリジョー)の二人の若者にフォーカスした展開も良かった。それも、巧みに、脇役のトミー(早乙女太一)とベリー(市川実日子)を使って、るいと錠一郎の主観的なやり取りだけでなく、客観的なやり取りも絡めて。
「トランペットで優劣をつけたくない」と言う戦争孤児だった錠一郎と、裏切られた(と思っている)母と雉真繊維での裕福な生活と身分を捨てた るいは、音楽で出会った。そして、今、共鳴し合っていることを、丁寧に描いた。
それも、小難しい台詞を一切排除して、状況と心情描写だけをしっかりすることで、共鳴し合う二人の未来に興味を抱かせた。こう言う、たまに、このような15分間があると、作品のダラダラ感が払拭されて、メリハリがついて良いと思う。
分頃、遠くの船の長めの汽笛が1回だけ聞こえて来たのを深堀りしてみた
それに、音響効果も凝っていた。7分頃、遠くの船の長めの汽笛が1回だけ聞こえて来る。詳しい説明は省略するが、船の汽笛には意味があって、長音(2分を超えない長い汽笛のこと)1回は、その船の行先が、霧、もや、降雪、暴風雨、砂嵐などに類する事由により視界が制限されている状態であるってこと意味する。
正に、7分頃の二人の心情そのものを表現している。要するに、周りの状況が目視できない状態ってこと。きちんと「先が見たくなる連ドラ」になるように作られていると思う。因みに、長音2回は「出発」の合図だから、この場にそぐわない。だって、二人が本当に共鳴し合うかどうかは、今日のラストシーンを見ても、まだ分からないのだから…
トミーが乗っていた外車のナンバーが「1031(トミー)」
最後に、トミーが乗っていた外車について。

©NHK
角型のテールランプと、4人乗りのカブリオレ(オープンカー)であることから、初期型がのフォルクスワーゲン社の「カルマン ギア」であると思われる。恐らく、時代は、1957~58年製。劇中は1963年だから、5年落ちと言うことになるが、トミーの設定なら買えない車ではない。

©NHK
更に、ナンバーが、「1031」で「トミー」になっていた。この辺の演出の拘りや、当時の流行を上手く取り入れた部分も見逃したくない部分だ。

©NHK
あとがき
ドライブなのですから、ここで「カーラジオ」が登場していたら、ほぼ言うことなしでしたね。確かに、「話の展開が急に遅くなった」と言う意見は出そうですが。「安子編」は和菓子と英語が取り持った仲、その意味で「るい編」は、英語の音楽。モチーフが違うだけで、そんなに違いが無くなってきたように思います。
この調子で、折角の「3人のヒロイン制」を上手く魅せて欲しいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16452/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
48 49 50
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