ミステリと言う勿れ (第1話/初回90分スペシャル・2022/1/10) 感想

フジテレビ系・月9『ミステリと言う勿れ』
公式リンク:Website、twitter、Instagram
第1話/初回90分スペシャル『変わり者の大学生が殺人容疑! 真実は一つじゃない、人の数だけある! 新感覚ミステリー開幕』の感想。
なお、原作となった漫画、田村由美『ミステリと言う勿れ』は、未読。また、本作は2021年11月下旬に全話をクランクアップ(撮影終了)しているため、感想には要望などは基本的に書かずに、単純な感想のみとします。
秋も深まるある日、自宅で大好物のカレーを作っていた大学生・久能整(菅田将暉)のもとに、警察官の薮鑑造(遠藤憲一)と池本優人(尾上松也)がやって来る。近所の公園で殺人事件があり、遺体で発見されたのは整の大学の同級生だという。警察に疑いの目を向けられた整は、警察署まで任意同行を求められる。
青砥成昭(筒井道隆)ら刑事たちは取調室で事情聴取を行うが、話が脱線しがちな上に警察の矛盾点をズバズバと突いてくる一筋縄ではいかない整との会話に、取り調べは長引く。しかし、事件の捜査上で、整の指紋が付いた凶器が発見されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:田村由美『ミステリと言う勿れ』
脚本:相沢友子(過去作/鍵のかかった部屋、ビブリア古書堂の事件手帖)
演出:松山博昭(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男) 第1話
品田俊介(過去作/ルパンの娘1-2、探偵の探偵、ナオミとカナコ)
相沢秀幸(過去作/アンサング・シンデレラ、トレース~科捜研の男、SUPER RICH)
阿部博行(過去作/ココア、シャーロック アントールドストーリーズ)
音楽:Ken Arai(過去作/鍵のかかった部屋、トレース~科捜研の男~)
主題歌:King Gnu「カメレオン」
可能な限り、事前情報も得ず、番宣も見ず、ほぼまっさらな状態で第1話を見始めた
原作は未読。と言うか、原作となった作品とは、実写ドラマ版とは基本的に比較しない立場だから、既読だろうが感想に大きな影響はないのだが。
しかし、「今期の連ドラの期待度」の投稿をした際に、原作が相当に人気がある作品のため、恐らく多くの人が「原作との比較」無しでは感想は書かないと踏んだ。だから、可能な限り、事前情報も得ず、番宣も見ず、ほぼまっさらな状態で第1話を見始めた。
主人公の"おしゃべり"だけで、ここまで怒涛の展開に持ち込むのは秀逸!
原作未読ゆえの先入観の無さと、原作と比較しない立場と、ほぼ事前情報ゼロで見たのが良かったのだろう。
内容は、ミステリーと会話劇を融合させたドラマらしい。そして、今作らしさと言えば、主人公の “おしゃべり” が謎を解明していく探偵モノ風の謎解きドラマ。とにかく、久し振りに恋愛ドラマ以外の『月9』としては、クセの強い “月9らしいドラマ” がやってきた。そんな感じだ。
とにかく、面白いのは、ストーリーが、主人公の “おしゃべり” によって、けん引されて行くこと。“おしゃべり” だけで、ここまで怒涛の展開に持ち込むのは、中々に秀逸なドラマだった。
巧みに脚本で"引き算"をして、エキスだけを抽出して、上手く「90分枠」に収めた
とにかく、一言で言ってしまえば、こう言う個性的でクセのある作品は好きだ。序盤の15分程で、完全に惹き込まれてしまったのは、『月9』では久し振りの感覚。様々なネタフリも自然に散りばめられた上に、俳優と役柄の相性もピッタリだし新鮮。
それに、(「原作と比較しない立場」と断っておいて言うのも、おかしいが)原作では恐らく、この案件を映像化するには、倍以上の放送尺が必要に感じたが、それを、巧みに脚本で “引き算” をして、エキスだけを抽出して、上手く「90分枠」に収めたのは、脚本担当の相沢友子氏の腕の見せ所だったと思う。
『鍵のかかった部屋』に似ているが、かなり満足度が高いドラマだった
(また、繰り返して恐縮だが)巧みな “引き算” によって「90分枠」に収めた割に、ラストまでの流れは、丁寧、且つ、しっかりと描かれていたため、かなり楽しめた。全体の雰囲気が、私が好きな『月9』の謎解きドラマ『鍵のかかった部屋』に似ている点も、脚本家と演出家の影響が大きいようで。その点も、かなり満足度の高いドラマだった。
あくまで今作(実写ドラマ版)として物足りない部分があるとすれば…
まあ、あくまで今作(実写ドラマ版)として物足りない部分があるとすれば。まず、もう少し、主人公が面倒くさい人間であることを強調した上で、コミカルな男であることとを、強調し、印象付け敷いても良かったと思う。
それと、主人公の台詞の聞き取り難さ。恐らく、演技指導か、俳優の演技プランか、その両方によるものには間違いないが、やはり聞き取り難い部分が数か所あった。むしろ、音声だけでも十分に楽しめるくらいに台詞を聞き取りやすくしたら、主人公のキャラも同時に改善されるかも。是非、この2点は次回以降に期待したい。
あとがき
繰り返しになりますが、原作未読と事前情報ゼロで、先入観無しで見たのが、功を奏したようです。キャスティングのバランスも良いし、俳優とキャラの相性もいい。最終的な謎解きの “解明” の部分も、上手く納得出来ました。
とにかく、クセが強い作品ではありますし、救いのない結末も『月9』としては意外ですが。でも、似たような連ドラが増えている中で、『月9』枠で果敢にチャレンジしたのは、大いに評価します。
また、個人的に好きなのは、主人公のキャラの初期設定。社会で “当然のこと” として流されていることに常に疑問を持って、とことん考え抜く性格で、膨大な知識と独自の価値観による持論を、鮮やかに説教や意見としてではなく、さり気ない “おしゃべり” で展開して行く人物像であること。
こう言う論理的な思考回路の人間が、そもそも好きなので、もっと強調してくるのを期待します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16442/
- 関連記事
-
- 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第49回・2022/1/11) 感想 (2022/01/11)
- よるドラ「恋せぬふたり」〔全8回〕 (第1話・2022/1/10) 感想 (2022/01/11)
- ミステリと言う勿れ (第1話/初回90分スペシャル・2022/1/10) 感想 (2022/01/11)
- 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第48回・2022/1/10) 感想 (2022/01/10)
- わげもん~長崎通訳異聞~〔連続4回〕 (第1話・2022/1/8) 感想 (2022/01/09)