連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第48回・2022/1/10) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第48回/第11週『1962-1963』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
地蔵盆の日、るい(深津絵里)は竹村クリーニング店を訪れた錠一郎(オダギリジョー)を受け入れ、よみがえった母・安子(上白石萌音)との幼いころの記憶を話すのでした。その様子を見ていた平助(村田雄浩)は、るいと錠一郎の親密な雰囲気に気もそぞろ。そんなところを見た和子(濱田マリ)は、タイミングをみはからって二人に近づき…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8,9週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ) 第10週
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
演出家が、今週から"本作初担当"の泉並敬眞氏に交代
演出家が、この第11週から “本作初担当” である泉並敬眞氏に交代した。過去には『まんぷく』、『スカーレット』、最近では『六畳間のプアマン』の演出を担当したディレクターだ。
なぜ、感想の冒頭から、こんなことを書くのかと言うと。実は、この泉並氏は、番組制作の発表時には、演出担当に名を連ねていなかった人。そして、今日(1月10日)の 8:30時点で、Wikipediaの演出担当欄に名前が無い。まあ、こう言うことは稀にあることだから、驚くことではない。
なぜ、今まで名前の挙がっていなかった演出家なのか気になる…
でも、もしも、撮影現場が何らかの事情で混乱し、演出家を追加補充しないとならない状況であるなら、そのまま見過ごせない。なぜなら、本作は、若干の “撮影時間のズレ” はあるものの、「3人のヒロインのパートを同時並行して撮影している」から、途中で、予定外の演出家を増員するには、何らかの理由があるはず。
それが、コロナ感染でないことを祈るばかりだが。むしろ、“ドラマ” の方から考えると、余程「脚本が遅れている」とか「撮影に手こずっている」とか、不安な要素が膨らんでくる。「いつものような、後付け的な増員」であることを願うばかりだ。
演出家交代で一番変わったのは、照明による演出の自然さ
さて、当ブログ的な視点で、この度の「演出家交代」を語ると、まず、これまでの演出家と最も異なるのが「照明による演出」だ。特に、序盤での洗濯物を干しているシーンでの照明は、明らかに違う。
違いを簡単に言うと “ごく自然な感じ” だ。「るい編」になって、大人の事情もあるだろうが、るいを若く見せるために深津絵里さんのメイク(特にドウラン:ファンデーションのようなもの)を明るい色にし、更に照明で “シワ” を隠すような、明るめとは違う、るいだけ “白飛び” させて若く見せる正面演出が行われていた。
光の反射の使い方が"ごく自然"で、上手いと思う
そのため、どうしても、るいと周囲の照明におけるバランスが崩れて、るいだけが浮いた感じに仕上がっていたのだ。しかし、今週の泉並氏の照明演出は違う。アバンタイトルの先週の部分と比較したら、分かる人は分かると思うが。太陽光の使い方が “単純に” 上手い。
その中でも、太陽光(実際は、人口のライティングだが)が最も強く反射している部分(「ハイライト」と言う)と、逆に影の部分とのコントラストのバランスが良いのだ。光が強く当たっていない部分との対比率が “自然” に、とても近い。
照明と言う"美しいベール"で覆ったような演出は、私好み
また、登場人物だけでなく、スタジオセット全体を満遍なく照明と言う “美しいベール” で覆ったような演出にしていることで、“ファンタジー” な雰囲気を醸し出した・
そして、るいが錠一郎(オダギリジョー)を受け入れ、蘇った母・安子(上白石萌音)との幼い頃の記憶を話す場面として、るい自身の現実と記憶、真実と思い込んだ記憶を、自然な会話劇で魅せた。かき氷で季節感も創出しているし、
私は、終盤の夜のシーンを含めて、今週の泉並氏の照明演出は良いと思う。と言うか、私好みだ。
グイグイって感じで、、「安子と稔(松村北斗)」と「るいと錠一郎」の関係性を重ねて来た
さて、ドラマの内容に目を向けてみる。内容は、少々クドいと思われる程に、「On the Sunny Side of the Street(邦題:ひなたの道を)」を強調して、「安子と稔(松村北斗)」と「るいと錠一郎」の関係性を重ねて来た。それも、グイグイって感じで。
アコギのアルペジオの弾き語り風の「On the Sunny Side of the Street」の劇伴をバックに…
でも、終盤での、路地の突き当りで、花火に興じる子どもたちを見て、花火をスローモーションにして、アコギのアルペジオの弾き語り風の「On the Sunny Side of the Street」の劇伴をバックに、夜店で買った風鈴をるいに手渡し、るいと錠一郎が二人で路地を曲がって行く。
「ひなたの道」より、一般的な邦題「明るい表通りで」の方が、本作にはお似合い感じた
そして、部屋で、るいはレコードを買う決心をして、それをまるで応援するように、風鈴を映し、風鈴の涼し気な音色で終える。ちょっと、やり過ぎ感は否めないが、これで、先の展開が少し見えたような。
そして、ウンチクを語らせて頂くなら、普通、ジャズが好きな人は、「On the Sunny Side of the Street」の邦題を「ひなたの道」とは訳さずに、「明るい表通りで」と訳すのが一般的。「安子編」があったから、敢えて、あまり一般的でない「ひなたの道」を使ったのだろうが。
やはり、今日の風鈴の場面を見ると、「明るい表通りで」と訳すのが、本作にはお似合いに感じた。
今回を見た限りでは、少しだが「先が気になる連ドラ」に戻ったような気がした
さて、ここで少々野暮な話をする。本作は〔全120回=24週〕で、三世代を描くのは既にご存じの通り。そして、最初の「安子編」は、キッチリと「8週」で終わった。放送前の公式プレスリリースでは、「三世代を描く」とは言え、メインは「るい編」であることも発表済み。だから、単純に計算すると、3人で「各40回」なる。
となると、「るい編」の残りも「凡そ30回」はあることになる。もちろん、「るい編」の終盤近くになれば、“ひなた登場” のフラグが経つから、現実的には残りは、30回より少ない。となると、この調子で、本作は、るいとジョーの “恋バナ” を描き続けて、「ひなた編」へバトンタッチするのか?
ここは、やはり不安要素。そして、先日も書いたように、「安子編」はクランクアップ済み。となると、あとはジョーの過去と、るいの人生を重ねて描くのか? いずれにしても、今回を見た限りでは、少しだが「先が気になる連ドラ」に戻ったような気がした。
あとがき
今日の演出を見た限りでは、あまり癖の強くない、自然に見られる演出でしたね。となると、あとは脚本家次第。このまま “恋バナ” で引っ張り続けるのか、「安子編」にあったような戦争に値するような、何か大きな出来事が起こるのか。いずれにしても、台詞よりも映像で魅せる朝ドラの気持ち良さを感じました。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16441/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
16 17 18 19 20 土
第5週『1946~1948』
21 22 23 24 25 土
第6週『1948』
26 27 28 29 30 土
第7週『1948-1651』
31 32 33 34 35 土
第8週『1951-1962』
36 37 38 39 40 土
第9週『1962』
41 42
妄想第1回『るいのための貯金』
妄想第2回『算太が町にやって来た』
第10週『1962』
43 44 45 46 47 土
第11週『1962-1963』
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