緊急取調室 特別招集2022 ~8億円のお年玉~ (2022/1/3) 感想

TBS系・『緊急取調室 特別招集2022 ~8億円のお年玉~』
公式リンク:Website、Teitter、Instagram
『<主演・天海祐希>お正月にキントリが帰ってくる!≪8億円強奪事件≫の真相を早急に、極秘裏に解明せよ?立ちはだかる“スーパー法律一家”をマル裸にできるのか?』の感想
「緊急事案対応取調班」の運用停止から3カ月。≪8億円強奪事件≫の特別捜査本部にいた梶山勝利(田中哲司)のもとに極秘指令が下る。ある民家で見つかった遺体が、8億円強奪事件の被疑者の可能性が高いというのだ。さらに、遺体が見つかったのは世間でも有名な“スーパー法律一家”の敷地内。一刻も早い事件解決を目指し、“キントリの臨時運用”が決定!招集された真壁有希子(天海祐希)らは、捜査に乗り出すことになるが…?
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1~4、遺産争族、BG~身辺警護人~)
演出:常廣丈太(過去作/緊急取調室1~4、BG~身辺警護人~)
音楽:林ゆうき(過去作/DOCTORS~最強の名医、緊急取調室1,2、あさが来た)
SPドラマ3本乱立の夜に、あざとさを感じさせない"ドラマづくりの精神"の風格
あの “キントリ” こと「緊急事案対応取調班」の運用停止から3か月のエピソードが、この『緊急取調室 特別招集2022 ~8億円のお年玉~』だ。単純に、視聴率稼ぎや話題作りのために、わざわざ “キントリ” を臨時で運用を再開するのは、“ドラマづくりの精神” から考えると、どうかと思うが。
今回は、予想外に番宣も少なめな印象で、1月3日が偶然だか知らないが、NHKを含めて「スペシャルドラマ」が3本も乱立している中では、ひっそりと始まったから、あざとさを感じなくて良かったと思う。流石、「老舗の風格」か…
説得力と納得力のある「初期設定」に"老舗の味わい"を満喫
さて、今回のSP版では、“法律” を盾に ““法曹一家”として有名な裁判官の家族” と言う、正に “強敵中の強敵” を用意した。何せ、お互いに協力し合える『アベンジャーズ』的な “家族” を犯人にしたことで、如何にも、再招集に相応しいエピソードだし、 「シリーズ史上、最強の敵」と言うお冠も偽りなしって感じ。
この辺の「初期設定」だけで “スペシャル感” を醸し出すのも、「老舗の味」に間違いない。やはり、「初期設定」に最も必要なのは “説得力” と “納得できるか”。やはり、「老舗の味わい」と言わざるを得ない。
見事な初期設定、ストーリーの巧みさ、スペシャル感など、人気シリーズここにあり!
そして、肝心なエピソードについて。前述の説得力のある「初期設定」に始まり、ストーリーの捻り方や紆余曲折も良く出来ていた。
その上で、“スペシャル感” を盛り上げるアイテムである、刑事部捜査一課の生駒亜美(比嘉愛未)と酒井寅三(野間口徹)と言う新キャラクターが加わることで、“チームワーク” が「運用停止中の3か月間」の穴埋めをしっかりした。
そして、当然の如く、レギュラーと新キャラの登場人物の役割の描き分けが、的確、且つ、明瞭に行われて、流石、「人気シリーズここにあり!」と言う見事な仕上がりだ。
全体的に"凝り過ぎ"&"作り込み過ぎ"で、折角の単純なストーリーが分かり難くなったのが残念…
ただ、褒めてばかりでは、当ブログらしくないから、気になったことも書いておく。
まず、確かに、単純な事件を、 警察と犯人たちの人間関係を巧みに不自然なく広げて、面白味を醸し出しているのは大いに認める。
しかし、キャラの人数が多過ぎたのが影響したのか、スペシャル版だからなのか、理由は分からないが、全体的に “凝り過ぎ” た上に、“作り込み過ぎ” て、折角の単純なストーリーが分かり難さを備えてしまったのが残念だ。
とは言え、新キャラを活かすのが目的の “…過ぎ” だから、納得できる範囲ではあるが。やはり、ファンとしては完璧を目指して欲しかった。
「2.5時間枠」は無いと、この詰め込み具合で、分かり易さを表現するのは難しかったのでは?
もしかすると、前作『4th SEASON(2021年)』の最終回で、二人の新キャラの顔見世興行をやっておいて、今回のスペシャル版へ繋げた方が、自然な展開に見えたかもしれない…。
もちろん、連ドラ時代のレギュラー陣の “敏腕さ&優秀さ” と、新キャラの “自信過剰さ&必死さ” を盛り込んで、キントリメンバー間の “格の違い” を表現するのは、ドラマとしては間違っていない。
ただ、2時間5分のスペシャル版では、流石に情報量が多過ぎる。私の肌感覚では、少なくとも「2.5時間枠」は無いと、この詰め込み具合で、分かり易さを表現するのは難しかったと思う。
"分かり難さ"を自分で咀嚼するのも本作の醍醐味だから、満足度は相当に高かった!
但し、「痘痕(あばた)も靨(えくぼ)」と言う “コトワザ” があるように、キントリ・ファンとしては、その “分かり難さ” を自分で咀嚼するのも本作の醍醐味だから、結果的に「満足度は、相当に高い」と言わざるを得ない。
あとがき
久し振りに、新しいメンバーが加わった “キントリ”。警察学校の教官として働く小石川春夫(小日向文世)と、運転免許試験場で働く 菱本進(でんでん)の存在感が、新メンバーの “新鮮さ” に押され気味になって、少々 “お客さま” 的に薄まってしまったのは残念ですが。
でも、逆に、今後もスペシャル版で戻ってくることがあるなら、良い意味で “寄せ集め感” が強調されて、新たな面白味が出たと思います。いや、『5th SEASON』として、今回のメンバーで続編があっても良いと思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16426/
【2017年からのスペシャルドラマの感想一覧】
2022年のスペシャルドラマの感想一覧
2021年のスペシャルドラマの感想一覧
2020年のスペシャルドラマの感想一覧
2019年のスペシャルドラマの感想一覧
2018年のスペシャルドラマの感想一覧
2017年のスペシャルドラマの感想一覧
- 関連記事