連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第38回・2021/12/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第38回/第8週『1951-1962』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
安子(上白石萌音)は、失踪した算太(濱田岳)を探して大阪の街を何日も歩き回り続けましたが、消息はつかめませんでした。疲労困憊(ぱい)し、雨の中に倒れこんでしまった安子。目を覚ますと、そばにいたのはロバート(村雨辰剛)でした。その日がるいの入学式だと気が付いた安子は、岡山の家に電話をかけてるいの様子を確かめようとしますが、るいがいなくなったと聞き…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7.8週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ)
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
前作に続いて、時間軸が分かり難くなってきたのは良くない
これでも、かなり好意的に本作を見ている方だと思うが。前回のラストで(繰り返し書かないが)理由不明で “失踪” した兄・算太(濱田岳)を探しに、岡山から大阪に行った安子(上白石萌音)が大雨の中で道で倒れた。で、今回はその後が描かれると思ったが。
確かに、大きな意味で言えば “その後” だが、前回から何日後かも分からぬ「雨の中の娘るいの入学式当日」の朝へ一っ飛び。で、これまた、今度は娘るい(古川凛)が “失踪” だ。るいが傘を持っているから、入学式当日なのはわかるが、前回の大阪での雨と同一日かは分からない。
何度も書くが、こう言う “小さな綻び” が、やがて “大穴” になるのだ。
今回には、"最大級の2つも おかしい点"があるのが大問題!
これね(もう、所々、話し言葉にします)、2つのおかしい点がある。
1つは、本作には自分勝手な理由付けで、視聴者には説明不足の “失踪” のネタが多い。もう1つは、岡山と大阪間を、まるで隣町のように、それも “お金” に困っているはずの母子が、別々に電車に乗っていること。当時は、「岡山-大阪区間」は “無料区間” だったのだろうか?
まあ、1つ目については「失踪=行動力=物語の推進力」と言う好意的な解釈が出来る。しかし、流石に2つ目は、大人と子供では料金も事情も違う訳で。
最近は"人情味"と"人の情け"、それに当人の"謝意"を描こうとしない!
前回の感想について、多くの読者さんから「安子が算太をお金に苦労している割に、容易に大阪に行く理由が分からない」と、私と同じ思いのコメントを頂いた。
私は、前回の感想で提案したが、改めて書くと、本作は、主要な登場人物が困った場面で、必ずと言って良いほど、最近は “人情味” と “人の情け”、当人の “謝意” を描こうとしない。前回も今回も、それらを描いて入れば、少なくとも「なぜ、行くのか?」は不明でも、運賃に関する疑問は解ける。
だから、「描け!」と言いたいの。それが、“ドラマ” だし、“ホームドラマ” じゃないの? って。
時間稼ぎ目的で"逐次通訳"をしているとしか思えない!
それと、ドラマ的にどうかと思うのが、そこに至る過程は無視して、病床? の安子とロバート(村雨辰剛)のやり取り。なぜ、二人とも演説会並みの語学力があることを先日描いたばかりなのに、ロバートだけ “逐次通訳” なの? 要は、英語で言ってから日本語で言い直すと言う通訳の方法を用いるのか?
だって、今回のやり取りの中のロバートの英語って難しくないでしょ? 少なくとも高校英語位の知識があれば脳内翻訳できる内容。だから、言いたいの。「ロバートの台詞は、全部日本語で良いって!」と。
時間稼ぎ目的で “逐次通訳” をしているとしか思えない。時間稼ぎと言えば、きぬ(小野花梨)の出産の間違いなく、そう。もう、お分かりだろうが、これも立派な “小さな綻び” だから、もう、安心してはいられないってこと。
今日の脚本と演出の雑さには、明るい未来が消えたような…
それと、娘るいは、母親と安子の会話を立ち聞きして、「捨てられた」と勘違いして、なんだかんだあって、るいは母を見捨てて、母は日本を見捨てて、ロバートと一緒に渡米する “流れ” に、超好意的に解釈すれば見えなくもない。
だが、いくら今週の演出家がメイン監督の安達もじり氏でも、演出が雑過ぎ。その上に、脚本が更に上乗せして、ず~っと雑。
これ、アバンタイトルで、アパートの大家さんが倒れている安子を見つけて、そこにロバートがプロポーズにやって来て、そこを偶然るいが立ち聞きをして、家を飛び出して、雉真家の人たちや「水田屋とうふ」の人たちが、るいを探し当てて、るいが母を捨て、母は日本を捨てるだけで良かった。
それを、“先=今日のラスト” が決まっているから、適当に編集して繋げて誤魔化した。これが真実では?
あとがき(その1)
今回、大きな失敗が幾つかありましたね。まずは、多くの視聴者に「安子、アメリカと言う逃げ場があって、更にロバートと言う男も一緒で良かったね」と思わせてしまったことです。
日本の地で容易にハグをするロバートも、これまでと違う無神経な人間に映ったし、るいが一番大切だと言っていたのに、言動不意一致を当の本人に見抜かれたし。ヒロインの切り替えだからこそ、もっと丁寧に描くべきでした。
あとがき(その2)
他にもありますよ。るいが、母親を拒絶する理由が不自然極まりないことです。当然、本作としては「ヒロインの切り替え」なのですよ。だから、ここは、明日から気持ちと切り替えて見なければならない視聴者が納得する展開にすべきだったのです。
それは、多少、るいには気の毒だが、雉真家での扱われ方や、るい自身の額の傷の治療費の心配、母とロバートの成り行きを通して、るいは母を捨て、安子はるいと別れるのが最良の選択」であるように見せるべきでした。
あとがき(その3)
それと、ドラマの構成上は「ヒロインの切り替え」をしなければならないから不可能ですが。普通に考えたら、安子は娘のために自己犠牲の精神、無償の愛で、静かに言われた通り “雉真家で、戦死した長男の元嫁” を演じて生活していれば、ぜいたくな暮らしも出来たし、るいの額の傷も治ったはず。
もしかしたら、勇 (村上虹郎)の良き計らいで、安子が前面に出ないで「たちばな」の再建も出来た可能性があるんです。だって、雉真家はお金持ちなのですから。安子の自己満足を満たすための自業自得に見えたのは失敗だったと思います。
あとがき(その4)
最後の前に一言。終盤(12分頃)、安子が雨の中をぼ~っと歩いていると、ロバートが来て、渡米が決まる場面がありましたよね。その時の、安子の靴の色が “赤” でした。
まさか童謡「赤い靴」の歌詞「赤い靴 はいてた 女の子 異人さんに つれられて 行っちゃった」へのオマージュとか、パクリ? 因みに誤解の内容に書きますが、異人さんは「人さらい」でもなく、「女の子は異人さんに連れて行かれはしなかった」のが事実です。
最後に、いつものおまじないを。今日は、昨日より念を込めて…
明るくなぁれ、楽しくなぁれ…(Be cheerful, be joyful...)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16385/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
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第7週『1948-1651』
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第8週『1951-1962』
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