連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第32回・2021/12/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第32回/第7週『1948-1951』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
安子(上白石萌音)が作った、たちばなの味を引き継いだおはぎを食べた算太(濱田岳)は、とある決意を固めます。その頃、雉真繊維では、勇(村上虹郎)の提案で野球部を作る話が上がっていました。当初は千吉(段田安則)をはじめとした周囲の反対がありましたが、次第に野球のチームワークが社内の空気を変えはじめ、売上げにも変化が起きていき…。そしてある日、再び安子の前にロバート(村雨辰剛)が現れ…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2,4,7週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール) 第3,5,7週
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ)
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん) 第6週
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
「算太による『たちばな』再建の決意」は早すぎたような…
基本的に「たちばなの、おはぎ」で15分間を因数分解して残ったのが、「算太による『たちばな』再建の決意」と「美都里のナレ死」と「ロバート」の3つを順番に描いたような感じの第32回。
まずは、算太(濱田岳)による和菓子屋『たちばな』の再建への決意のくだりだが、やや唐突だった気がした。そう思うには、理由があるから、それは、少しあとで改めて書くことにする。
もう少し丁寧に美都里の死を描いても良かったかも…
さて、何度も書いて恐縮だが、本作は「3人の主人公で、ヒロインとラジオの歴史とラジオ英語講座の100年史」と、良くも悪くも “欲張り企画” なため、メインとなる脇役だけでも相当人数が多く、その出入りも大量になる上に、全放送尺が120回位と短いため、話が進むのが速い。
従って、因数分解の2つ目である、美都里 (YOU)が “ナレ死” の扱いになってしまったのはやむを得ないだろう。ただ、前回のラストシーンと、今回の孫るい(中野翠咲)とのやり取りを見ると、もう少し丁寧に “死” を描いても良かった気もするが…
もっと、安子とロバートの"親睦"や"コミュニケーション"を描けば良かった
そして、私は今回で注目すべき登場人物は、ロバート(村雨辰剛)だと思う。単純に言ってしまえば、もっと、安子(上白石萌音)との “親睦” や “コミュニケーション” を描けば良かったと思っている。
折角、“たちばなのおはぎが生んだ縁” なのだから、そこをもっと広げてみたら、今回のラストのナレーションの深みや重みが、より視聴者に伝わったのでないかと、残念なのだ。例えば、1年に一度しか会っていないように感じさせる印象なども、正直、勿体ないし、損していると…
勇が新設した野球チームにロバートを積極的に絡めても良かった
それこそ、因数分解からは外れてしまったが、今回、勇 (村上虹郎)の名案で「雉真繊維」に野球部が出来た。野球と言えば、本場はアメリカ。だから、勇たちの野球大会にロバートが見に来て応援するとか。練習に参加して、ロバートが本場の腕前を披露するとか。米軍の野球チームと勇たちのチームが、日米野球対決をやっても良かったのでは? と思うのだ。
ラストシーンに意味が生まれたのは、安子とロバートが単純な知り合いだったからではないと思うだって、年一度会うかどうかの親しい(と、言えるのかも疑問だが)ロバートが岡山を離れるから、安子が戦争の終焉を感じたのではなく、“親睦” や “コミュニケーション” をして来た仲のロバートが岡山を離れるから、ラストのナレーションも、安子の心情も、しっかり伝わってくるわけで。
そこを、脚本が視聴者の好意的に解釈に頼るのは、一種の手抜きであり、いつもの雑さだと思う。だって、簡単なことではないか? そこを、脚本が視聴者の好意的に解釈に頼るのは、一種の手抜きであり、いつもの雑さだと思う。
今回でロバートと安子が出会った時、"何度も会っている感じ"の台詞を入れるだけで済んだのでは?
だって、簡単なことではないか? 今回でロバートと安子が出会った時に、ロバートに「前回あったのは、月見団子の頃だったかな?」とか、安子に「ロバートさん、今日は何の御用ですか?」と、如何にも “何度も会っている感じ” の台詞を入れるだけで済むのだから。
そして、台詞が無理なら、ナレーションで「安子とロバートは1か月ぶりに会いました」的なのを挿入するだけで、“何度も会っている感じ” は十分に伝わったのに…。
まあ、この程度のことは、脚本に書かれていなくても、演出家、特に今週は「二人体制」の上に、メイン監督がいるのだから、撮影現場でちょちょいと手直しする位の余裕が無いと、この話の速度の中で、内容を正確に伝えるのは、難しいのに…
あとがき(その1)
強情と言われようとも、まだ私は「箇条書き」とは言いません。ただ、ドラマチックなシーンや、独特な演出を披露したい場面の時だけ、普段より僅かに、そこを強調したり、丁寧に描いたり、印象付けようとしているのです。そして、ドラマの速度が速い割に、そのような、つくり手にとっての “見せ場” が連続して見えているのだと思うのです。
あとがき(その2)
物語を進める必要があるのは理解します。頑張って、主人公がストーリーをけん引して行く「強い物語」を創ろうとしているのも伝わっています。
ただ、「ドラマは、人間そのものをえがくこと」と言う私の大前提に立つと、もっと、もっと、登場人物同士を “親しい” や “知っている” と言うレベルでなく、“親睦” や “コミュニケーション” を交わしているように見(魅)せる必要があると思いますし、それが今回では、美都里では出来たのに、ロバートでは出来なかったのが、この先の小さな心配なのです。
最後に、いつものおまじないを。あかるくなぁれ、楽しくなぁれ…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16354/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6 7 8 9 10 土
第3週『1942-1943』
11 12 13 14 15 土
第4週『1943~1945』
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第5週『1946~1948』
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第6週『1948』
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第7週『1948-1651』
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