最愛 (第9話・2021/12/10) 感想

TBS系・金曜ドラマ『最愛』
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第9話『最終回目前! 拭い切れない疑惑… 真犯人は最愛の人…?』の感想。
昭(酒向芳)の遺体と一緒に池から発見されたペンは、梓(薬師丸ひろ子)が会社設立の記念品として作った特注品だった。ペンは梨央(吉高由里子)、加瀬(井浦新)、後藤(及川光博)、政信(奥野瑛太)、梓の5人が持っており、警察はその中の誰かが事件の時に落とした可能性があるとにらんでいた。同じ頃、富山県警の藤井(岡山天音)が、大輝(松下洸平)を訪ねて来る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:奥寺佐渡子(過去作/夜行観覧車、Nのために、わたし、定時で帰ります) 第1,2,3,5,6,8話
清水友佳子(過去作/夜行観覧車、わたし、定時で帰ります、朝ドラ「エール」) 第4,7,9話
演出:塚原あゆ子(過去作/アンナチュラル、グッドワイフ、グランメゾン東京、MIU404) 第1,2,5,8話
山本剛義(過去作/凪のお暇、コウノドリ2、わたナキ、オー!マイ・ボス!恋は別冊で) 第3,4,7話
村尾嘉昭(過去作/アンナチュラル、Nのために、キワドい2人、死にたい夜にかぎって) 第4,6,9話
音楽:横山克(過去作/わろてんか、映画「ちはやふる」シリーズ、ドリームチーム、メネシス)
主題歌:宇多田ヒカル「君に夢中」
まえがき
私もそうですが、読者の皆さんも、個々に謎解きの考察力を張り廻られせて、本作を楽しんでいると思います。従って、最終回直前の今回(第9話)も、謎解きに関わる登場人物界隈については、触れません。そこは、各自で楽しみましょう。私は、個々が推理するのが本作の大いなる面白味だと思っていますので。従って、今回の感想も、脚本と演出を中心に綴ろうと思います。
「奥寺佐渡子×塚原あゆ子」コンビから交代しても…
前回が(こう言う表現は “使いたくない派” なのだが)「神回」と言っても過言でないほどの、脚本と演出が「奥寺佐渡子×塚原あゆ子」の、凝りに凝りまくった展開と演出。特に、思わせぶりな演出がお見事な第8話だった。
そして、今回は、脚本も演出も交代したが、そのおかげで(と、言うか)、このスタッフのチームワーク、中でも作品に対する「表現や雰囲気の統一性」や「連ドラとしての、連続性の見事な整合性の担保」、そして、「それでも、毎回違うスタッフが作るこその個性を出すさじ加減の妙」には、今回も圧倒された。
最終回に向かって「難解なのに、解けそう」が一段アップ!
とにかく、ほぼ全編が “フラグ満載” と言う(良い意味で)の奇妙さと斬新さだけでなく。前回までで、あれだけ物語があちこち動き回っているのに、今回で更に新たなことが…。
それなのに、一向に、ごちゃ混ぜ感はゼロで、むしろ、更にストーリーの複雑化、謎解きに困難化が増しているのに、理路整然とは違う交通整理が成されていて、サスペンスとして「難解なのに、解けそう」と言う、いわゆる私が連ドラで最も必要だと言っている「先が見たくなる」を、サスペンスとして「難解なのに、解けそう」と言うカタチで実現<している。
もちろん、最終回に向かって、更に前回から一段、盛り上がったことは言うまでもないが…
こんな複雑な事をやり、違和感を覚えない最終回を創れる?
(褒める意味で受け取って欲しいのだが)、前述した「表現や雰囲気の統一性」、「連ドラとしての、連続性の見事な整合性の担保」、「それでも、毎回違うスタッフが作るこその個性を出すさじ加減の妙」の上に、「難解なのに、解けそう」と言うことを同時並行させながら、違和感を覚えない最終回を創れるのだろうか?
私が心配することではないとことは十分承知しているが、ここまで(あっさり聞こえるかも知れないが)、サスペンスとして良く出来ていると、「ホントに大丈夫?」と心配になるのだ。
「あれこれとやりまくった割に、最終回でガッカリ!」には、ならないと思うが…
なぜかって? だって、聡明や読者さんたちならお分かりだろうが。これまでも妙で不必要なフラグばかりを大量に立てて、脚本と演出で「この先で、何かがきっと起こる!」と煽りまくり。SNSを巧みに活用して盛り上がるように社会を操作して、引っ張りまくって、最終回でガッカリ! みたいな連ドラが多かったではないか。
そう言う作品にはなって欲しくないのだ。まあ、たかが私の見立てだが。ここまでを見て来て、最終回でズッコケることは、まずないと思うが…
最終回次第で、作品全体の評価が決定することは間違いない!
そして、この『最愛』と言うドラマ。最終回の仕上がり、出来上がり次第で、作品全体の評価が決定することは間違いない。
私のように「全話録画保存」している本作ファンも多いと思うから、ほんの僅かな違和感や不整合な部分が残ったら、明らかに評価は下がるはず。しかし、この第9話の延長戦上で、更にギアを一段上げて、最終回を多くの視聴者が納得できる結末を用意して迎えられたなら、最近の民放のサスペンスドラマの中では秀逸になるに違いない。
あとがき
第8話で(良い意味で)散らかして。第9話で三割ほど残して、それで、最終回。個人的には、最終回で一気に結着… と言う点でない点は、相当巧みに作り込まれているのは確かです。
だからこそ、心配してしまうのです。「ホントに、まとまるの?」って。何せ、今回も、寄付金詐欺以外の事件が多過ぎる上に、展開が早く、正直言うと、説明不足は否めません。こう言う場合の常套手段は、後出しじゃんけんで決着をつけるのですが、本作は広げた大風呂敷が大き過ぎるので、その手は使えないと思います。
だとすると、どうやって、まとめて、どのように、納得させて終わってくれるのか? 根拠はありませんが「裏切らない!」と言う自信みたいなものが、本作のつくり手たちから滲み出ているのが私に伝わっているので、このまま最終回に期待します。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16339/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話
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