日本沈没―希望のひと― (第8話・2021/12/5) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』
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第8話『日本人大移民計画』、ラテ欄『世界が移民拒否!? 今こじ開けろ!!』の感想。
なお、原作となった小説・小松左京『日本沈没』は既読。また、過去のドラマや映画も鑑賞済み。※本作は、今春に全編撮影終了しているため、要望などは書きません。
中国の日米批判により、機密だった‘日本沈没’の情報が全世界に報道された。さらに、再び交渉の席に着いた中国政府団は、約束していた日本人移民の受け入れ条件として、常盤(松山ケンイチ)の父・統一郎(小野武彦)が経営する企業の一つを含めた日本の大手5社を譲るよう要求する。東山(仲村トオル)から5社の説得を指示された天海(小栗旬)と常盤は、統一郎との交渉に赴く。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小説・小松左京『日本沈没』
脚本:橋本裕志(過去作/LEADERS リーダーズ、死神くん、リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~)
演出:平野俊一(過去作/S最後の警官、インハンド、TOKYO MER) 第1,2,5,8話
土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、凪のお暇、逃げ恥) 第3,4,6話
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、陸王、ブラックペアン、集団左遷!!、半沢直樹2020) 第7話
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、シャーロックUS,テセウスの船、危険なビーナス、青のSP、恋はDeepに)
『日本沈没』と題された連ドラが全9話で終わる事に驚いた!
個人的に驚いているのは、あの日本SF小説の金字塔『日本沈没』と比較しない立場とは言え、その実写ドラマ版が『日洋劇場』で製作された割に、全10話にも届かず、第9話で終わること。それも、大人の事情だか知らないが、21時00分~23時03分の69分拡大放送と言う良く分からない長尺の拡大版で終わること。
まあ、その視聴率的には、無駄に長引かせるより、短命で濃縮させた方が良いとの判断だったのか?
最終回向けて"都合の良い物語"を必死に描いたと言う感じ…
従って、最終回のために、急いで、これまでの話をまとめつつ、最終回で有終の美を飾って終わるための “都合の良いストーリー” を必死に描いたと言う感じだろうか。
ただ、これまでのような、無駄や雑なセリフも少ないし、これまでほぼ皆無だった危機感や緊張感も、それなりに描かれた。それに、フィクション臭ささも薄まって、現実的な雰囲気も見えたのは良かった。とにかく、これまでの8話分の中では最も “普通” だった。まあ、出演者お目当ての視聴者以外が、面白く見られたのかは別にして… だが。
そもそも、脚本家や演出家がだれであろうと、日本SF小説の金字塔『日本沈没』を映画かなならともかく、『日曜劇場』が現代版へ改変し放送するのだから、正直、“こんな感じ” の実写ドラマしかできないとは思ってはいたが。それでも、もう少し、盛り上がって、「先が見たくなるドラマ」になると、期待していたのだが…
なぜ、今作のような展開、今作のような描写にしようと「ゴーサイン」が出たのかが、不思議でならない
また、最終回直前で書いても意味はないが。「間借りをして『日本沈没』の『日曜劇場』風の実写版を創ろう!」と最初の企画会議の場から始まって、撮影開始までのスタッフ&キャストたちの何度も行われてたであろう番組制作会議で、なぜ、今作のような展開、今作のような描写にしようと「ゴーサイン」が出たのかが、不思議でならない。
だって、よ~く考えて欲しい。描くことは、「日本が沈没するから、日本政府は日本人をどう救うのか?」だけなのだ。こんなに単純な内容と、描くべきことだけなのに、盛り上がらないのは、もはや、ドラマ自体の沈没の理由が不明なのと同じような(笑)
あとがき(その1)
楽しく見ている読者さんにはもうし訳ないですが。私、一般的な『日本沈没ファン」より、マニアックでコアなファンだと自覚しておりまして。だからこそ、今回の実写化には期待していたのです。「あの名作の結末を、『日曜劇場』が、どんな結末で終わらせるのか?」の一点だけに興味を抱いて見続けました。
それなのに、前回まで。毎回、緊張感の薄い会議の連続と、緊迫感のない国民たちの描写ばかり。正直、もっと、当ブログでも応援したかったです。でも、応援するより、愚痴の方が多くなってしまったのが事実。要は「この程度なのか…」ってこと。
あとがき(その2)
せめて、これまで、今回くらいの危機感や緊張感と、フィクション臭ささを薄めた現実的な雰囲気(慌て騒ぐ国民たち)を描いていれば、少しは評価を変えることが出来たのと想像できるだけに残念でならないです。もちろん、結末を見るために、これまで見て来たのですから、最終回も見ます。それは、断言します。
あとがき(その3)
但し、正直な気持ちを言うと、今回の終盤での正義感の強い週刊誌の女性記者で元政治部担当の椎名(杏)が天海(小栗旬)に本音を吐露する所から始まるシーンを以って、最終回でも良かったと思います。そして、その後の解釈は、視聴者の想像力に委ねて、“後味、読後感を視聴者に残す作品” となる選択もあったように思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16324/
【これまでの感想】
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