顔だけ先生〔全11回〕 (第9話・2021/12/4) 感想

東海テレビ×スイッチ共同製作 フジ系・オトナの土ドラ『顔だけ先生』
公式リンク:Website、Twitter、Instagram、TikTok
第9話〔全11回〕『マジョリティとマイノリティは共存できますか?』、ラテ欄『サンタの捕獲で多数派VS少数派問題解決!? 恋の季節に生徒が消えた理由』の感想。
12月、2年B組ではいい雰囲気のカップルが生まれていた。その一方、間近に迫る生徒会長選挙において、最終的な候補者は佑太(綱啓永)とみずき(田幡妃菜)で、顔が広く、友人が多い佑太がリードしていた。だが選挙当日、思わぬことが起こる。学校に1人も生徒が登校してこないのだ。そんな中、遠藤(神尾楓珠)は‘サンタクロース捕獲装置’を懸命に作っていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
企画:市野直親(過去作/最高のオバサン、中島ハルコ、リカ~リバース、その女ジルバ)
脚本:水野宗徳(過去作/息もできない夏) 第1,2話
櫻井智也(過去作/越谷サイコー、破天荒フェニックス) 第3,6,8話
秋山竜平(過去作/バスケも恋もしていたい、初恋クロニカル) 第5,9話
保木本真也(過去作/幸色のワンルーム) 第2,4,7話
演出:原桂之介(過去作/BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-) 第1,3,5,7,9話
白川士(過去作/三匹のおっさんシリーズ、記憶捜査シリーズ) 第2,4,6話
八十島美也子(過去作/逃亡花[のがればな]) 第8話
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、グランメゾン東京、オー!マイ・ボス!恋は別冊で、ドラゴン桜2)
今回は、早坂と遠藤がきちんと話し合うシーンもあり、そこへ亀高が絡んだため、かなり良くなった
正直、数話前から亀高(貫地谷しほり)の親友の教師で “ゲイ” の早坂(三浦涼介)の出番が増えて、肝心の主人公である・遠藤(神尾楓珠)の活躍が薄まって、少々残念さが募っていた本作。
しかし、今回は、早坂と遠藤がきちんと話し合うシーンもあり、そこへ亀高が絡んだため、かなり良くなった。やはり、学園ドラマで職員室内のやり取りを描く時は、主人公である教師と、脇役の教師キャラとのバランスが難しいのは、昭和の学園ドラマからず~と受け継げられていること。それを、本作は今回で上手く “熟した” と言う感じだ。
使えない1本のネジから、佑太と大輔の心を通わせた遠藤先生の価値ある授業
そして、序盤でフラグとして立てられた、遠藤先生の “サンタクロース捕獲装置” が中盤殆ど登場せずに、40分過ぎから登場。一体、どんな展開になると思いきや、ネジとして機能しないネジとネジ穴を例えにして「何かの一部にならないと 存在意義がないとは 僕は思いません」へ帰着させるとは思わなかった。
更に、機能しないネジを「美しいネジ」として、新たな価値観を創造する意味を、亀田に教えるふりをして、クラスのムードメーカー・佑太(綱啓永)と家庭の事情で工場でアルバイトをしている・大輔(櫻井海音)に伝えるくだり、そして、二人の心が通い合っていく過程も良かった。
遠藤先生の出番が少なかったことで、「遠藤イズム」が、2年B組の生徒たちへ伝わり、沁み込んでいるのが見えて来た
また、今回はいつもの展開とは違って、一見、一部分しか見ていないように見える遠藤先生が、実は、誰よりも多角的に物事を総合判断して、分かりやすく的確に “指導” ではなく “教えてくれる” のが、『顔だけ先生』らしさであり、ドラマとして好きなところなのに。
今回は出番こそ少なかったが、逆にそれが、既に遠藤先生らしい “独特な価値観の考え方” が決して “おかしいことではない” と言う事実が、2年B組の生徒たちへ伝わり、沁み込んでいるのが見えて来た。1本のネジで “個性の大切さ” を生徒に伝えた、遠藤先生しか出来ない “自然体で生きて行くための授業” が、今回も魅力的だった。
あとがき
ラストの、みずき(田幡妃菜)と園芸部部長・朋也(長谷川慎)の関係再構築も、中々良かったです。
そして、「遠藤イズム」のような、他人からの評価を気にしないで、自分の価値観を信じて、自然に生きていくことが美しくて素晴らしいと言う “教え” が、決して、押しつけがましくなく描かれている点も好感が持てます。もっと、子供たちが見られる時間帯に放送して欲しかったドラマの一つです。
更に、「普通とは何か?」を常に問い続けさせられる人間ドラマであると共に、教師らしいことは一切せずに好きなことに集中して、TPOをわきまえない言動で問題に首を突っ込んだかと思うと、あれよあれよと解決してしまう遠藤先生自身も魅力的な登場人物であると再認識しました。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16322/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話
- 関連記事