二月の勝者 -絶対合格の教室- (第8話・2021/12/4) 感想

日本テレビ系・土10ドラマ『二月の勝者 -絶対合格の教室-』
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第8話『先生! 僕、受験をやめます』の感想。
なお、原作となった漫画・高瀬志帆『二月の勝者-絶対合格の教室』は、未読。 既刊13巻(2021年10月17日現在)を既読。
順(羽村仁成)の両親が面談に現れず、電話で異変に気付いた黒木(柳楽優弥)と佐倉(井上真央)は自宅へ急行。離婚を考える母親の優子(遠藤久美子)は、順を連れて実家に帰るという。保護者面談は続き、親がどんなことを言い出しても即座かつ柔軟に、一人一人に合った学校一覧を示す黒木に、佐倉は圧倒される。そんなある夜、黒木が倒れた。佐倉は灰谷(加藤シゲアキ)に連絡し…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
まえがき
原作は既読ですがが、基本的に原作となった漫画と、実写ドラマ版は比較しない立ち場。また、ネタバレしないように感想も書くつもりです。
前回の第7話まで、2種類のドラマに変化してきたのが本作
原作既読だから、書くわけではないが。そそそろ最終章と言うか、最終回に向けて、いろいろ固めて行くと期待した第8話。
これまでも、第1話から第3話までは、私の予想していた、「最強・最悪のスーパー塾講師が、中学受験から現代社会の問題に切り込む斬新なお受験ドラマ」とは正直 “無縁” に近い「ただの、誰もが思いつきそうな中学お受験ドラマ」だった。
それが、第4話から、いよいよ “曲者” の黒木(柳楽優弥)が活躍し始め、第6話から佐倉(井上真央)が “お目付け役” 的な存在で黒木の暴走を止める係になって、面白味が更に増したのが、前回の第7話まで。
第8話で、三度目の方向転換が行われたような錯覚に陥った
しかし、この第8話を見て、三度目の方向転換が行われたような錯覚に陥った。そもそも「塾」が舞台なのに、生徒の自宅であれこれやるのも、個人的にはどうかと思うが。
それ以前に、本作の面白さは、塾講師である黒木の独特な論理展開による、中学受験から現代社会の問題に切り込む斬新な “解決までの過程と結果” のはず。なのに、序盤での順(羽村仁成)の両親が面談に現れないエピソードにしても結末が曖昧だし。保護者面談のシーンも見飽きた感じ。
更に、黒木が倒れるようなエピソードが、本作の第8話に必要なのかってこと。別に無くても、第7話までで、「最強・最悪のスーパー塾講師が、中学受験から現代社会の問題に切り込む斬新なお受験ドラマ」になっていたのだから、それを裏切るようなエピソードは要らなかったのでは?
黒木を通して何を描きたいのか、見えなくなってしまった!
残り数話。今後の展開次第と、結末で印象は、四度目に変わる可能性はあるが。今回を見て感じたのは、ハッキリ言って、本作は、黒木を通して何を描きたいのか、見えなくなってしまったと言うこと。ヒューマンドラマ風のお受験ドラマなのか? それとも、塾が舞台の学園ドラマなのか?
確かに、前述通り、第4話から本作らしいドラマとして、放送の度に昇格して来たのは大いに認める。しかし、正直、第4話から、黒木の印象的な出番が減った印象があるし、ラストで決着をつけているだけと言う印象も、一方では感じている。
なぜ、こんな時期にこんなエピソードを描いたのか…疑問
これ、結果的に、題材は良いのに(特に今回は異様な程に) “盛り込み過ぎ” が原因では? 黒木がラストで決着をつけているから、それなりのドラマに仕上がっているが、この段階で、何を視聴者に伝えたいのか分からなくなってしまったのは残念。更に、初めて書くが、ちょこちょこと登場する灰谷(加藤シゲアキ)も正直言って邪魔。
なぜ、黒木一人に絞り込まなかったのだろう。過去に何かあるから。今のドラマには “縦軸” が必要だから? 結局、今回を見た限りでは、「現代社会の問題に切り込む」までには至っておらず、「問題児や問題のある家庭の解決」止まり。もう一度書くが、なぜ、こんな時期にこんなエピソードを描いたのか… と、思う。
あとがき
黒木そのものの存在が、完全に “フィクションでしか存在できないキャラクター” なのですから、中途半端なリアリティーよりも、フィクションだから描ける “黒木らしさ” を最大限に全面に出して、エピソードは絵空事で良いと思いますが。それなのに…
要は、黒木の論理展開が楽しめるだけで十分だと思います。なぜ、ここへきて迷走しているように見せてしまったのか? 残念です。残り数話の展開と最終回に期待しようと思います。
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【これまでの感想】
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