恋です!ヤンキー君と白杖ガール (第8話・2021/12/1) 感想

日本テレビ系・新水曜ドラマ『恋です!ヤンキー君と白杖ガール』
公式サイト:Website、Twitter、Instagram
第8話『恋敵はデキる奴』・ラテ欄『初恋の人の思わぬ言葉に涙あふれて… ヤンキー君が聖夜の大ピンチ!? 白杖ガールの未来予想図は?』の感想。
なお、原作の漫画・漫画・うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』は、未読。
ユキコ(杉咲花)が初恋の相手・緋山(小関裕太)と再会。森生(杉野遥亮)はユキコから昔の話だと説明されるが、獅子王(鈴木伸之)に「実らない恋ほど強く残る」と言われて動揺する。そんな中、茜(ファーストサマーウイカ)が出店するクリスマスイベントの手伝いを頼まれたユキコと空(田辺桃子)は、緋山の後押しで承諾。森生は自分も手伝うと言い、緋山に対抗心を燃やす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・うおやま『ヤンキー君と白杖ガール』
脚本:松田裕子(過去作/花咲舞が黙ってない、東京タラレバ娘、正義のセ、レンアイ漫画家)
脚本協力:室岡ヨシミコ 第6,7,8話
演出:内田秀実(過去作/あな番、ウチの娘は、彼氏が出来ない!!) 第1,2,5,8話
狩山俊輔(過去作/フランケンシュタインの恋、高嶺の花、俺のスカートどこ行った?) 第3,4,7話
今和紀(過去作/サムライカアサン) 第6話
音楽:得田真裕(過去作/監察医 朝顔シリース、家売るオンナシリーズ、アンナチュラル、インハンド、ナイト・ドクター)
主題歌:JUJU『こたえあわせ』
定番のネタをうまく全体の中に取り入れ、楽しかった第8話
視覚障害者が主人公であるドラマではあるが、基本的にはそれ以外は、あくまでも “ラブコメ”。だから、全話のどこかには、主人公のライバルが登場して、話をかき回すのは、一種の定番エピソード。そんな定番のネタをうまく全体の中に取り入れながら、本作らしさの象徴である “白杖” を活かした全体の雰囲気もきちんと漂っており、全体的には楽しかった。
第6話から「脚本協力」が加わってから、明らかに"恋バナ"要素が増えたのが気になっていた
ただ、気になることが。まずは、第6話から、「脚本協力」として富岡ヨシミコ氏が加わってから、明らかに “白杖” より “恋バナ” の要素が増えたこと。
今回も、全体の中で最も印象的だったのが、ユキコ(杉咲花)を取り合う、初恋の相手・緋山(小関裕太)と森生(杉野遥亮)、そしてちょっぴり加わった同級生の青野(細田佳央太)の部分になってしまった。これは、敢えて詳細は省くが、前回も前々回も、視覚障害の部分が薄まっていた。
なぜ、“白杖” の方が “恋バナ” より勝たないと、強調されないと、私が気になる理由は簡単で。要は、誤解を恐れずに書けば、ドラマの中のユキコから “白杖” を取ってしまったら、「普通の人と変わらない」から。いや、それが当然で、世の中自体がそうなるべきなのは、十分承知しているのだが、これは、リアルでなくフィクションのドラマだから。
今回は、二人を応援する脇役の親友たちの使い方が良かった
従って、(本当に申し訳ないが)ドラマの中のユキコから “白杖” を取ってしまったら、ユキコと森生の “恋バナ” よりも、二人を応援する脇役の親友たちの方が、“白杖” を常に意識した描写になっており、我が身を振り返る意味でも、勉強にもなるし、好感を持ってみることが出来ているし、何より、普通に面白い。
それが、残念ながら、「脚本協力」が加わった第6話からの本作への、率直な感想だ。本来なら、ユキコこそ、自分以外の “白杖” を常に意識した描写になっているのを見たいくらい。それ位、“恋バナ” 重視は、本作に似合わないと思う。どうか、さじ加減で調整して欲しい。
空と青野、二人の言動が、本作の軌道修正を正しくやった!
とは言え、今回は、ユキコの親友の空(田辺桃子)と、同級生の青野の存在と、二人の言動が、作品全体の雰囲気を、若干だが、第5話までに戻したし、「やや恋バナ中心」から距離を置いた内容にして、本作の軌道修正を正しくやったのは間違いないし、良かったのは、書かざるを得ない。
もっともっと、ユキコと森生が一緒にいるところを描いて欲しい、見たい…
こんな愚痴っぽいことばかりを書いてはいるが、それは私が本作が好きだし、最終回まで期待しているから。だから、面白くないなんて、これっぽっちも思っていない。ただ、もっともっと、ユキコと森生が一緒にいるところを描いて欲しい、見たい… と言うのが、<私>の本音なのだ。
あとがき
やはり、今回の中盤で描かれた、ユキコが森生の手を温めて歩くところに、偶然に緋山が通り掛かる切なさとか、後半でのクリスマス・ツリー前での二人のやり取りとか、終盤のユキコの自宅での森生との本音の吐露とか。全体の中での、ユキコと森生が “相思相愛” と言う放送尺や印象が、今回くらいの程良い塩梅で描いて欲しいのです。
ですから、ユキコと森生を別々に描くシーンや、そうなってしまうようなエピソードは、極力少なめにして欲しいと言うことです。それが、視覚障害者の主人公の “白杖ガール” と、見た目で嫌な思いをしてばかりの “ヤンキー君” のラブコメだと思うから。そして、最終回まで、この調子で、ユキコと森生が一緒にいるシーンを増やして、盛り上がって欲しいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16311/
【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
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