日本沈没―希望のひと― (第7話・2021/11/28) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』
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第7話『命をかけた駆け引き』、ラテ欄『黒幕を暴け! 世界と命の駆け引き』の感想。
なお、原作となった小説・小松左京『日本沈没』は既読。また、過去のドラマや映画も鑑賞済み。※本作は、今春に全編撮影終了しているため、要望などは書きません。
田所(香川照之)が詐欺企業に機密情報を漏えいした容疑で逮捕される。田所は面会に訪れた天海(小栗旬)に、日本沈没自体を‘なきもの’にしたい人物に陥れられたと訴え、観測データに日々向き合わないと正確な予測はできないと警告。メディアが田所の黒い噂を報じる中、代役を務められる人物を捜す天海は田所自身にも相談し、データ検証を世良(國村隼)に持ち掛ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小説・小松左京『日本沈没』
脚本:橋本裕志(過去作/LEADERS リーダーズ、死神くん、リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~)
演出:平野俊一(過去作/S最後の警官、インハンド、TOKYO MER) 第1,2,5話
土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、凪のお暇、逃げ恥) 第3,4,6話
宮崎陽平(過去作/下町ロケット、陸王、ブラックペアン、集団左遷!!、半沢直樹2020) 第7話
音楽:菅野祐悟(過去作/半分、青い。、シャーロックUS,テセウスの船、危険なビーナス、青のSP、恋はDeepに)
日本が地没する割りに、"危機感や緊迫感"が欠落し過ぎでは?
今回を見終えて、2つの大きな疑問がある。
1つ目の疑問は、前回から「第二章 日本地没編」になっている。そして、劇中でも「いずれ、日本列島が沈没して、日本国民が海外に移民として受け入れてもらうしかない」ことにもなっているのに、ストーリーとして “危機感や緊迫感” が欠落し過ぎているのでは? と言うこと。
アメリカと中国を天秤にかけて、日本政府は、相手に鎌を掛けて得な方を選べる立場なのか?普通に考えても、両国に交渉がバレるのは当然で、その結果日本政府の信用が、更にガタ落ちになるのは、明白なのに。
主人公の天海が本来やるべきことが、間違っているような…
せめて、派閥争いや、利権争いをメインに描くなら。1億2千万人の日本国民のことを、主人公・天海(小栗旬)が本気で考えているように見せるべきでは? それなのに、ナント劇中で正義感の強い週刊誌の女性記者・椎名実梨(杏)に 「天海さんは他にもやるべきことが たくさんあるんじゃないですか」と、言わせてしまった。
そう、正に、天海が今回でやるべきは、日本沈没を無きモノにする犯人探しや、副総理兼財務大臣の里城弦(石橋蓮司)を国内で、ちまちまと説得することではないと思うが…
「日本国民移住計画」と「日本沈没の真偽判定」は、同時並行で描くべきでは?
もう1つの疑問は、ドラマとして、あらゆるエピソードが引っ張り過ぎなこと。せめて、前述の派閥争いや利権争いで引っ張るなら、もっともっと説得力や現実味が感じられるように描いて欲しい。要は、引き延ばしする部分の選択が間違ってやしないかってこと。
これ、私が考えるに、引き延ばしにするなら、「中々、全日本国民の移住先が見つかること」と、「日本沈没が現実であること」の両方を同時並行に引き延ばしするべきだったと思う。
そして、その2つのエピソードの “接着剤” の役割こそが、「天海さんは他にもやるべきことが たくさんあるんじゃないですか」と言われた主人公が今、やるべきことで鳴ないのだろうか? もはや、大問題を解決する立場と言う印象より、話をややこしくしている立場の印象の方が強いのは、如何なものかと思うが…
あとがき
フィクションのドラマに、ムキになる必要はないと思いますが。流石に「日本が沈没するから、1億2千万人が海外で移民として受け入れてもらうしかない」と言う時点まで話が進んでいるわりに、会議のメンバーを含めて、陳腐な政治活劇ばかりで、少々飽きてしまいました。
『踊る大捜査線』の名セリフを引用すれば、「日本沈没は会議室で起きてんじゃない! 日本全国民の問題なんだ!」と言いたいです。それと、会議室以外の描写に、「既に首都圏が沈没している状況」が感じられるカットが欲しいです。そして何より、せめて、『日本沈没』と言うタイトルさえ付いていなければ、もう少し好意的に見られたのに…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16295/
【これまでの感想】
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