2009
May
28
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手書きセルアニメーションの傑作「ピノキオ プラチナエディションBD版」を買ってみた
ウォルトが最も費用をかけたこだわりは、マルチプレーンカメラと呼ばれる装置の多用による遠近感とリアリティーの創出だ。(中略)
何層にも組まれたセル台にそれぞれセル画を異なった位置に配置して、異なったスピードで動かしながら撮影するシステムで、2次元の絵に3次元的な奥行きを与えることができる。(中略)
夜空に輝く星を映し出したカメラは、闇の中に眠る住宅群へとスローで移動してゼペットじいさんの家の窓をのぞき込む。有名なオープニングシーンで、この数秒間の撮影だけで4万5,000ドルが費やされたと言われている。(中略)
ウォルトが情熱を注いだ究極のぜいたく品は、世界の映像作家を感化。スピルバーグ監督は映画『A.I.』を、日本でも故・手塚治虫氏は「鉄腕アトム」、故・石ノ森章太郎氏は「人造人間キカイダー」を作り、オマージュを捧げている。
【ヒッチコック監督『裏窓』並みの冒頭シーンに感動】
ブルーレイ版を購入しました。記事にあるように冒頭のロング・ショットからゼペットじいさんの家までクレーン・キャメラのワンカットで入っていくような演出は技術的にも画質的にも圧巻。幾度もリピート再生して見入ってしまうほど。初めて観た訳ではありませんが、アルフレッド・ヒッチコック監督の名作『裏窓』の冒頭のワンカットを観た時の感動を思い出しました。
【二次元キャラを超えた生き生き感】
それにしてもこの『ピノキオ』ってドラマとしてもアニメーションとしてもとても完成度が高い。もう個性的なキャラクターたちが二次元のキャラクターには全く感じられない生き生きとした存在感はさすがの一言。
BDとしては★★★★☆(5点満点中4点)。画質は文句無しですが、その分音が残念。70年前の作品ですから現在のようなシャキッとして音を復元するのは厳しいと思いますが。それでも十分観る価値はあります。是非、BD版で楽しんで欲しい作品です。
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