最愛 (第6話・2021/11/19) 感想

TBS系・金曜ドラマ『最愛』
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第6話『弟は殺人犯? 新たな証言と急接近する危険人物の謎…!?』の感想。
加瀬(井浦新)は警察に連行された優(高橋文哉)と面会し、15年前の事件だけでなく、昭(酒向芳)の殺害も告げられた。さらに、昭と争った時の様子を記録した動画データの存在を聞き出し、その解析を依頼。また、優の処遇を心配する梨央(吉高由里子)に現状を伝え、励ます。一方、梨央は優の件で後藤(及川光博)や兄・政信(奥野瑛太)に社長としての責任を追及される。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:奥寺佐渡子(過去作/夜行観覧車、Nのために、わたし、定時で帰ります) 第1,2,3,5,6話
清水友佳子(過去作/夜行観覧車、わたし、定時で帰ります、朝ドラ「エール」) 第4話
演出:塚原あゆ子(過去作/アンナチュラル、グッドワイフ、グランメゾン東京、MIU404) 第1,2,5話
山本剛義(過去作/凪のお暇、コウノドリ2、わたナキ、オー!マイ・ボス!恋は別冊で) 第3,4話
村尾嘉昭(過去作/アンナチュラル、Nのために、キワドい2人、死にたい夜にかぎって) 第4,6話
音楽:横山克(過去作/わろてんか、映画「ちはやふる」シリーズ、ドリームチーム、メネシス)
主題歌:宇多田ヒカル「君に夢中」
第6話は「最終回へ向けての "最後の補強"」の"2つの理由"
第6話と言えば、通常の連ドラであれば、完全に「後半戦」であり「第二章」と言うところだが。私のこの第6話の位置付けは「最終回へ向けての “最後の補強” 」としたい。と言うには2つの理由がある。
第6話と言えば、通常の連ドラであれば、完全に「後半戦」であり「第二章」と言うところだが。私のこの第6章の位置付けは「最終回へ向けての “最後の補強” 」としたい。と言うには2つの理由がある。
第6話に、"今作初担当"の村尾嘉昭氏を演出に起用したこと
1つは、思い切って、今回に、“今作初担当” の村尾嘉昭氏を演出に起用したこと。過去には、『アンナチュラル』、『Nのために』、また、異色作『死にたい夜にかぎって』も担当しいている新メンバーを演出部に加えて、「これまで描かれて来たことを、一度客観的に精査し、補強すべきはするべき」と、作り手が考えたと言う推測。
モヤモヤした部分にスポットを当て、「この先を楽しむための重要な要素」へ進化させたこと
もう1つは、これまで描かれて来たことの 「全て=事実」だと仮定しても、当然のこと、私が期待している “結末” は描かれていない。それも、時間を挟んだ2つの事件の両方の “結末” が分からないのが現状。
まあ、あくまで稚拙な私の推理でも、傷害事件であることは間違いないだろうが、殺害をしたかどうかは、映像から判断するのは、ほぼ無理。従って、その、良い意味でモヤモヤした部分にスポットを当てて、これまでの “仮定” を、「この先を楽しむための重要な要素」へ進化させるための “補強” をした。
今回の"補強"を見せても、視聴者へ大いに期待を膨らませる構成と演出がお見事
しかしだ。見終えてみると、前回で意味不明で不可解な “フラグ” が立てられため、今回の “補強” を見ても、「必ず、まだ先に、 “何か” があるはず!」と、視聴者へ大いに期待を膨らませる構成と演出がお見事。なぜなら、明らかに補強して見せているのに、隠すことも、同時にやってのけているのだから。
きっと、今回を含めた次回から、更に前述の、必ず先にあるはずの “何か” を掘り下げて、これまで描かれて来たことの 「全て=事実」へ、迫るのだろう。そして、ドラマファンとしては、そこに整合性が担保されるのかも、大きな見所だ。
今後は、"塚原節"とも言える演出が復活しての「第二章」になるのではと期待大
それにしても、私自身で、「これまで描かれて来たことを、一度客観的に精査し、補強すべきはするべき」と、作り手が考えたと言う推測と書いたのに、一体、この先、どのような方向に物語が進むのか見当がつかない。
もちろん、『最愛』ファンとしては、第6話で演出家を交代させて、全体の雰囲気を敢えて、メイン監督の塚原あゆ子氏の作風から買えた放送回を挿入したのだから、「後半戦」と言うより、今後の “塚原節” とも言える演出が復活しての「第二章」になるのではと、密かに期待を膨らませ、楽しみにしている。
私が気になってしょうがない登場人物について書く
さて、全体の推測で、感想を終えるつもりは無い。そこで、ここからは、私が気になってしょうがない登場人物について書く。その登場人物とは、今回、いや、本作の序盤の頃から、警視庁捜査一課係長で、連続殺人事件を捜査するチームでの大輝(松下洸平)の上司・山尾敦(津田健次郎)を個人的に追跡している。
追跡は大袈裟だから、注目している位に留めておくが。これまで表現された部分でも、2つの事件に全く関係無い人物として描かれている。しかし、私は、ある一点が気になってしょうがないのだ。それは「身長の低さ」だ。
もしかして、本作の裏設定で重要なのは"身長"でないのか?
以前、本作は「主演の吉高由里子さんと、相手役の松下洸平さんの15センチ近い “身長差” を不自然に感じさせない演出の工夫が施されている」と、かなりの尺を割いて、当ブログに掲載した。その時から睨んでいたのだ。「もしかして、本作の裏設定で重要なのは “身長” でないのか?」と。
映像で見る限りでも、登場人物の中で「ベスト5」に入るくらいに、身長が低いのだ。因みに主要な登場人物を演じ要る演者さんの身長を調べると、井浦新さんが183cm、弟・優を演じる高橋文哉さんが176cm、松下洸平さんが175cm、及川光博さんが174cm、光石研さんが173cm、そして津田さんが170cm。
今回での山尾刑事の演出(描写)には特別なものがあった
何を言いたいのかと言うと、「小柄な人間が真犯人である説」や、「大男が真犯人ではないのでは?説」があるとするなら、身長が低い(吉高由里子さんは161cm)人物が気になってしょうがない。もちろん、何の根拠もないが。
しかし、山尾を注視していると、役柄的には「大勢の刑事の内の一人」でしかないから、埋没する。でも、津田さんが本気で演技をしたらバレる。そこを、今回の演出家は見せ方が上手かったと、私は評価している。群衆に埋もれさせず、前に出過ぎず。アップも強調するより印象付ける感じで、かと言って、引き気味の画角で意図的に無関係者のようにも描いた。
流石、交代を命じられた演出家ゆえの、才能発揮の結果だと思う。何度も書くが、あくまでも、私の推理として、もし事件関係者で警察内部で捜査をかく乱していると言うのがあっても良いかなと…
あとがき(その1)
宇多田ヒカルさんが歌う主題歌「君に夢中」のイントロのソロ・ピアノが流れてから、梨央(吉高由里子)の「最後に顔見たかったんや」から、二人の目線のを “高低差” を活かした描写をインサートして、大輝(松下洸平)が「勝手に決めんな」と振り返る。その間も主題歌はドラマを盛り上げながら、逃げる、追う。
逃げる、追う… の繰り返しの末の行き止まりの場所での切ないバグ。追い掛けると逃げる、そうやって、15年前も大輝の前から勝手に去った梨央。逃げることで身を引こうとするのが “最愛” なのでしょうか? それとも、何処までも追い掛けるのが “最愛” なのか? とにかく、ここの2人の演技に魅せられました。
あとがき(その2)
そして、プロデューサー -の新井順子さんと、前述のメイン監督・塚原さんが、当初の2話くらいまでの脚本を渡して “役作り” をしていた田中みなみさんに、「今作で演じる【ノンフィクションライター・橘しおり】を演じる際には、一切の “色気” を排除して欲しい」と言ったことは、放送前からネットで騒がれていました。
そして、その新井さんと塚原さんが演技指導した意味が、この第6話になって、じわじわと実を結んで来たように思います。
最後に。本当に、これまで描かれて来たことの 「全て=事実」なのか? そして、本作に於ける “最愛” とは、単純に “最も愛する” と言う意味なのか? 益々、分からなくなりました…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16252/
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