連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第7回・2021/11/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第7回/第2週『1939~1941』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
大阪にダンサー修業に出たはずの算太(濱田岳)が岡山に帰ってきました。しかし、ダンサーの夢を諦めて家業の菓子修行を始めるわけでもなく、相変わらず勝手気ままな様子。一方、稔(松村北斗)は雉真繊維の次期社長として千吉(段田安則)から取引先の軍人・神田猛(武井壮)を紹介されます。そんなある日「たちばな」にこわもての男・田中(徳井優)が押しかけてきました。どうやら算太を追いかけてやってきたようで…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1,2週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール)
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ)
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん)
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
今回のアバンこそ、「物語を紡ぐ」と言う事を学ぶのに最適
すみません。今回も褒めます。まず、アバンタイトルから始まったドラマの構成について。
単純にアバンタイトルだけ見て欲しい。話の中心は、御菓子司「たちばな」と同じ商店街にある荒物屋「あかにし」吉右衛門のキャラ紹介。しかし、言いたいことは、久し振りに安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が大阪に修行に言っているはずなのに帰って来たこと。ほら、キャラ紹介と「物語を前進させる」と言うのを、1シーンでやっている。
人によっては、「吉右衛門の話より、サクッと算太の帰宅から始まった方が、総放送尺と100年を描くと言う時間が少なめな本作には合う」と言う人もいるだろう。しかし、私の考えは違う。ここ、前段で、吉右衛門と父・吉兵衛(堀部圭亮)のやり取りを描いているから、「先に何かが起こる期待」が出て来るのだ。
そう、ただ、人物を紹介するのではなく、それを兼ねて、算太の突然の帰宅を描くことで “物語の流れ” が出て来るのだ。そう、これが「物語を紡ぐ」と言うことだ。
じわりじわりと"時代""物語"を繋げ、寄せて行くテックニックを学ぶべし
主題歌明けの「無声映画」仕立ての、算太の「ミニミニヒストリー劇場」も、実に面白いアイデア。普通に語っては面白くないし、再現ドラマのように作っても、ただの回想シーンになるし。でも、「無声映画」仕立てにすれば、時代が映る。時代に生きた人たちも見える。そして何より、面白い。
とは言え、やはりまだ、第2週の火曜日だ。視聴者に毎朝「楽しい」と思わせなければならない時期。でも、「無声映画」仕立ての回想を入れて、現実に戻ると、戦争の足音が近づいていることも、家族で語られる。この5分で、前回のラストで、安子と稔 (松村北斗)が読んで唄った「On the Sunny Side of the Street(明るい表通りで)」に繋がる。
そう、サブタイトルの「1941年」に近づいているってこと。とは言え、前回の二人の唄にも、今回の算太の気ままな様子にも、そこまでの悲壮感はない。当然だ。今週のサブタイトルは『1939~1941』と3年間あるのだから。
じわりじわりと “時代” と “物語” を繋げ、寄せて行く。この辺のテックニックは、さり気ないが、「物語を紡ぐ」とは、こう言うことなのだと、改めて褒めたい。
時間が短い今作だから、この程度の省略には視聴者側も追いついていかないと…
そして、6分の夕食の場面。ここでの主役は、ラジオであり、ラジオから流れる音声だ。家族団らんを描きつつ、「1941年」に近づいているってことを、ここでもアピール。
“三根耕一にディック・ミネ” や “エンタツ アチャコの漫才” も、ず~っとあと(13分頃)の “熱~いお茶が怖い” についても細かな解説は無かったため、視聴者によっては分かり難いだろうが。
前回から「敵性語」については描かれているし、もう一つは名作落語だから、時間がない本作を考えると、これ位の省略は止むを得ないし、この程度の省略には視聴者側も追いついていかないと。
もちろん、老若男女問わず分かるように描くのは当然だ。しかし、前回で、あれだけ「敵性語」をファンタジー且つリアルに描き切ったのだから、今回のこの程度の省略は、むしろ、連ドラとしてのメリハリやバランスとして、薄くして正解だったと思う。
やはり、1話に1回、ヒロインのほころんだ笑顔を見たいのが、朝ドラファンの願い
そして、11分、喫茶店「Dippermouth Blues」が登場。マスターは柳沢定一(世良公則)。因みに店名中の「Dippermouth」は、米国の名トランペット奏者・ルイ・アームストロングのあだ名。そう、ここでもまた、前回と今回、安子と稔が繋がった。
そして、店外では、強面の男・田中(徳井優)が算太を探しに「たちばな」へ向かい、店内では、稔との関係を噂されて嬉しそうな安子で、メリハリ。ここ、いいね。やはり、1話に1回、ヒロインのほころんだ笑顔を見たいのが、朝ドラファンの願い。それをチラッと見せる辺りの演出も上手いと思う。
ラストの金太の言葉を聞いた安子のアップが印象的だった…
さて、ここからは、少々面倒な解説になるが、良かったら読んで頂きたい。今回のキーワードとなる台詞は、何だったと思うだろうか? 私は、14分過ぎの最後の金太(甲本雅裕)の次の台詞だと思う。
金太「算太は もう… 橘の人間じゃねえ」
飽くまでも私の想像だが、算太が橘の人間でないのなら、父の金太にとって橘の人間は誰か? ってこと。想像だから、大袈裟に書くつもりは無いが、恐らく、この金太の台詞が、安子の運命を大きく変える一言になるのだと思う。「どうして?」と思う読者さんは、今後を見たら分かると思う(と言ってる私も、半信半疑だが)。
「たちばな」が生きる残るためには、砂糖が必要。でも、稔の実家で、跡継ぎ候補の「雉真繊維」は繊維製品を欧米と商取引する会社で、和菓子屋とは無関係。そう言うことだ。このような「先が見えない物語」と「先が見たくなる連ドラ」が、今、始まったばかりだと言うことを、改めて感じた金太の台詞と、安子のアップだった…
あとがき
私の想像が当たっていたなら(明日にでも結果は分かるでしょう)、今回が、100年の歴史の “最初の人生の分岐点” になるかも知れません。うまく、連ドラとしても、朝ドラとしても、期待感を持たせて進んでいて満足です。さて、週の折り返しの水曜日がどうなるか、気になります。
本作について、大変たくさんのコメントを頂戴しております。また、他のドラマについてもコメントを頂戴しているため、いろいろご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。
今後は、昨夜投稿した『【速達】と言う「即時性が高く、短文の情報投稿」を始めます』の【速達】も利用して、読者さんと私が、楽しく交流できるブログを作りたいと思います。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16201/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
1 2 3 4 5 土
第2週『1939~1941』
6
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