連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」〔全120回〕 (第4回・2021/11/4) 感想 ※サントラ特報追記

NHK総合・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
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第4回/第1週『1925-1939』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
安子(上白石萌音)は稔(松村北斗)から教わったラジオ英語講座を聴きはじめました。初めて触れる英語はさっぱりわかりませんでしたが、稔のおかげで新しい世界に夢中になっていきました。稔は、父・千吉(段田安則)が一代で築き上げた雉真繊維の跡取り。将来欧米との取り引きをするため、英語を学んでいます。ある日、安子は稔に誘われて初めて喫茶店に行くことに。そこではマスター(世良公則)こだわりのジャズが流れていて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作・原案・脚本:藤本有紀(過去作/ちりとてちん)
演出:安達もじり(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく、おちょやん) 第1週
橋爪紳一朗(過去作/てっぱん、花子とアン、半分、青い。、エール)
深川貴志(過去作/花燃ゆ、とと姉ちゃん、半分、青い。、麒麟がくる)
松岡一史(過去作/まんぷく、心の傷を癒すということ)
二見大輔(過去作/半分、青い。、なつぞら、伝説のお母さん)
音楽:金子隆博(過去作/Q10、三毛猫ホームズの推理 、あいの結婚相談所)
演奏:BIG HORNS BEE(過去作/米米CLUBのホーンセッション)
主題歌:『アルデバラン』(作詞・作曲:森山直太朗、編曲:斎藤ネコ、歌:AI)
語り:城田優
制作統括:堀之内礼二郎(過去作/花燃ゆ、べっぴんさん、まんぷく)
櫻井賢(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
※敬称略
前回のラストシーンでのナレーションに最注目して欲しい
前回の感想で、一つだけ書き忘れて、今回のアバンタイトルで再度引用されると思って、そのままにしておいたが、今日のアバンで使われなかった “私が大好きな、脚本家の言葉選び” についてだけ書いて、そのあとに続いて、本作の感想を書こうと思う。
それは、前回のラストシーンで、安子(上白石萌音)が朝の6時半にラジオの前に座って、英語講座を聞き始めた場面での、城田優さんの次のナレーションだ。
N「流れるような英語の調べに うっとりと耳を傾けました」
ピタゴラスイッチのように「ラジオ→英語→英語講座」と繋がった前回
前回の感想でも書いたが、私が本作の企画をNHKの番宣で知った際、私の今作の序盤での最大の懸念材料は、「どうやって、ラジオから英語に繋げて、その英語から英語講座に連鎖させるのか?」だった。要は「ラジオ → 英語 → 英語講座」なのか、「英語 → 英語講座 → ラジオ」なのか、それとも、「英語講座 → 英語 → ラジオ」なのかってこと。
だって、NHKが日本で初めてラジオ放送を始めた年に、レギュラー放送を始めたのが「ラジオ英語講座」だから、ラジオも英語講座も、どちらを先に描いても、「日本のラジオ史」になるわけ。そうなると、英語に誰が最初に興味を示して、「日本のラジオ史」と「3人のヒロインの100年史」へ繋げるか、とても気になっていた。
しかし、前回をご覧になった方はお分かりだろうが、私の心配など “何処吹く風” と言わんばかりに、あっさりと、呆気なく、更にとても分かり易く「ラジオ→英語→英語講座」と、まるでピタゴラスイッチのように、気持ち良く繋がった。それを巧みに補強したのが、前述のナレーションだ。だから、ここだけは紹介したかったのだ。
ホンワカした気持ちになったのが、安子へ【雉真繊維】への商品のお届け話が出るくだり…
ここからが、今回の感想。ホンワカした気持ちになったのが、4分頃、安子へ【雉真繊維】への商品のお届け話が出るくだりだ。このシーンの最初の安子は、家族の話を聞きながら、ちゃんと手元を見て裁縫をしている。しかし、【雉真繊維】の名前が会話中に登場した瞬間から、安子は手元を見ずに裁縫を続ける。
その結果、来ていた洋服と縫い合わせてしまうのだが。このちょっとした安子の目線で、安子の恋心、動揺、ワクワク感、慌てっぷりが、さらりと表現された。
また、縫い合わせてしまったことで、衣装替えのタイミングになって、屋外ロケの「木材の茶色と、道や白壁の白色」の世界に、濃紺の前掛けを掛けた安子の鮮やかな「黄色と緑色」のワンピースが鮮やかに映り、更に夏の季節感を増幅させた。この辺の細かい衣装選びも成功している。
映像全体が、"ナチュラル・トーン"の色で統一されている
衣装選びと言えば、岡山市内の商店街にある和菓子屋で生まれた御菓子司「たちばな」の看板娘である安子が着ているワンピースの淡い緑色と、御菓子司「たちばな」の包装紙の “少し濃いウグイス色” の相性がいい。自転車の後部座席に取り付けた木製の運ぶ箱との木目の色とも “ナチュラル・カラー” で合っているし。
そう、この直後のシーンも、全体的に “ナチュラル・トーン” の色で統一されており、屋外ロケと屋内スタジオでの撮影の “差異” を出来るだけ無くそうと言う演出部と撮影部と美術部の意気込みを感じる。
視聴者心理を予想して、作っている可能性が高いのが分かる
そして、今日の感想の冒頭で触れた、ナレーションに呼応する安子の言葉が、6分頃の本屋で、安子が稔(松村北斗)と偶然店内で鉢合わせしたシーンの安子の台詞にあった。
安子「英語って 何か 歌ようるみてえで…
何か 音楽ぅ聴きょうるみてえで。すてきな調べですねえ」
うん、ちゃんと脚本家がナレーションと台詞を精査し、そのことを演出家が汲み取って、アバンタイトルを編集していることが分かる。そう、要は、アバンで前回のラストシーンとナレーションを繰り返したら、それは野暮。
でも、恐らく、最初の1週間は毎日見てくれるに違いないと視聴者心理を予想して、作っている可能性が高いってこと。これは、実に良いことだ。
屋外ロケならではの「ドン引き」の"広い画"に心が洗われた
そして、本屋の直後のシーンは、自宅で不安そうな安子。当然、自転車初練習への恐怖心と、稔との二人きりの時間への不安感。
それを吹き飛ばすように、自転車初練習のシーンの安子は、背景の緑色の草木を活かすように、白色基調の赤い花々のプリントのワンピース姿。髪と共になびく躍動感、屋外ロケならではの「ドン引き」の “広い画” も、心が洗われるようだった。
あとがき
<ささやかな甘い夢が 安子の中に芽生えようとしていました>
これが、今日の最後のナレーション。いいですね、美しい日本語に、英語のナレ。決して「和洋折衷」以前の、和と洋の文化が融合し始めた時代って感じが好きです。それに、何か、安子を見ていると幸せな気持ちになりますね。今日も朝から気分が良いです。この調子で、奇を衒わず、王道を無理に狙わず、明るく爽やかに進んで欲しいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16175/
【これまでの感想】
第1週『1925-1939』
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