連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全24週〕 (第24週(最終週)/土曜日版・2021/10/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』の
『土曜日版』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
菅波(坂口健太郎)がついに気仙沼へやってきた。たまたまその場にいあわせた亮(永瀬 廉)は、菅波にある問いを投げかける。そして、いよいよ百音(清原果耶)は菅波を家族に引き合わせようとするが、耕治(内野聖陽)はなぜか出かけてしまっていた。そんな中、未知(蒔田彩珠)も亮と気持ちを確かめ合い、前へ進もうとしていたが、東京の大学に行くかどうか、心を決められずにいた。百音は、未知の思う通りに進んでほしいと願い、その背中を押そうとするが…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20,最終週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19,23週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18,22週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
↓『おかえりモネ』完全対応版です↓
最後の最後に「土曜日版」の感想を書いて、終わりにする
既に、最終回の感想も書いたし、その中に「総括」的なことまで書いて。更に多くの読者さんから、たくさんのコメントを頂戴し、それにも細かく答えたつもり。
だから、今朝の本音は、「もう、『おかえりモネ』のことは、1ミリも考えたくないし、書きたくない」ってこと。でも、これは「土曜日版」だから、本当に最後の最後に「土曜日版」の感想を書いて、終わりにする。
この「土曜日版」は、無駄な部分、特に"ポエム"がザクッと斬り捨てられていたのが良かった
「土曜日版」を見て感じたのは、とにかく、「週5放送=本編」で私が無駄だと思った部分が、期待通りにザクッと斬り捨てられていたこと。特に、本作がお得意だった “ポエム” がスパッと。
まさか、この感想が、当blogの『おかえりモネ』の感想の初見・初読と言う人はいないと思うが。ここで言う “ポエム” とは “詩” のことではない。脚本家が、ストーリーのつじつま合わせに困った時や、きちんと登場人物の “言葉” で言うべきところを思い付かない時に、使う台詞のことを “ポエム” と言う。
その意味では、まだ、「土曜日版」にも、いやらしい “ポエム” が幾分か残っていたが、あの “ポエム” まで斬り捨てたら、ダイジェスト版として成立して無かったと、スタッフも判断したに違いない。
失敗作の最終の2週分の「土曜日版」を見て感じたのは、主人公の"言葉"には、殆ど"説得力"が無いこと
ただ、失敗作の最終の2週分の「土曜日版」を録画と合わせて見て感じたこと。それは、主人公の “言葉” には、殆ど “説得力” が無いことだ。
これは、主人公が口から発するのが “ポエム” が多いからではない。例えば、菅波が永浦家に挨拶に来た時、家の中を案内する百音が「ここで 私も 今 養殖の勉強をしてる」と言った。しかし、少なくとも、私は、百音が、あの部屋で養殖の勉強をしていたように見えたことは一度もなかった。
また、「土曜日版」にも残された、「百音が未知のトラウマを聞き出す会話」や「サヤカと百音の会話」や「幼馴染たちと百音の会話」だが、結局、今週の “ポエム” で誤魔化してやり過ごした場面の全部が、こうして “ポエム” だけ切り取られると、誤魔化し切れていないのがバレバレだ。
それは当然だ。だって、ダイジェスト版は “箇条書き” でなく “1週間のまとめ” なのだから、繋がって見えていなければ存在意義がない。でも、現実として “ポエム” だけを切り取って、抜き出して、並べてつなげると、話が繋がっていない。ただの箇条書きだ。
ドラマを誤魔化すための"ポエム"は、話が繋がらなくなった瞬間、魔法が解けたように、普通の"台詞"に戻ってしまう!
なぜ、そうなってしまうのか。答えは簡単だ。最終週に限らず、恐らく“ウソ”を誤魔化すための “ポエム” が、ドラマの連続性の欠落によって繋がらなくなった瞬間、まるで魔法が解けたように「普通の “台詞” 」に戻ってしまうからだ。
恐らくそれは、第4回で、朝岡が天気を当てた時に「天気を予測する力は本来の人間に備わった能力です」と言い、それに感銘した百音が「すごいです。天気予報って未来がわかんですね」と朝岡に告げた時から始まっていたのだ。
その後、朝岡は「天気は、変わるもの」であり、「予測できないことが起こる」と言ったことで、どれだけ “ポエム” が登場人物たちの “台詞” を “言葉” に聞えさせなかった。それどころか、聞えたところで、説得力不足の薄っぺらな “台詞” へ戻ってしまう。
それの連続を「朝の連続テレビ小説」である “連ドラ” でやり通したのがが、『おかえりモネ』だったと言うことだ。
24回の「土曜日版」の中で、「最数週」が最も愚かだった
「土曜日版」の感想らしく、最後は、サンドイッチマンさんの終盤での苦肉の策の典型のような、言葉をここに引用する。
「震災の時に モネが気仙沼にいなかったと。直後に戻った時に「おかえりモネ」って言ってもらえなかったんだよね。その時の「おかえりモネ」をやっと数年後に こう言える… 言ってくれたという。つながってるんですね「おかえりモネ」ね」
そもそも、当初は、最終回の感想に散々書いたように、脚本家が当初描いていた頃にトラウマを抱えていたのは、百音と亮って設定。でも、百音のトラウマは何だか内容は分からぬまま進み、亮のトラウマは明瞭に描かれていた。だから、最終回の亮が自分の船で船出するシーンは撮影済みだったのだ(余計な話だが)。
そして、視聴者にとって曖昧のままのトラウマを背負った百音は、自ら亀島を出て行き、時々楽しそうな行事の時は帰省し、最後は「基本給+帰郷」のプレゼントを背負って帰って来た。そして、ケースの蓋を開けるのが “百音のトラウマ” だったとさ、ってだけの話。
それを、奇しくも、わざわざサンドイッチマンに解説・説明させたってこと。24回の「土曜日版」の中で、「最数週」が最も愚かだったと言うことだ。
あとがき
幾つかのドラマの感想で書いていますが。私は、「ドラマのタイトルを、台詞にするのが脚本家として、最大の野暮」だと思っています。
ですから、作品のタイトルは、台詞にせず、視聴者に「なるほどね。そう言う意味だったんだ」と、一種の謎解きを完成させた喜びや、作り手たちが視聴者に伝えたかったことと共感できた嬉しさこそが、作品を最後まで見る(読む)の楽しみの大きな一つだと思っています。
ですから、百音のトラウマを曖昧に引っ張り続けたやり方も野暮中の野暮だと思いますし、この唐突な展開を許したスタッフの野暮なセンスに呆れる限りです。
【最後の最後に、管理人・みっきーから読者の皆さんへ】
何だかんだ、いろいろありましたが、最終回まで完走できて良かったです。ドラマを見ていないのに最終回の感想まで読んで下さった方、ありがとうございます。もちろん毎日ドラマを見ながら、最終回の感想まで読んで下さった方も、ありがとうございます。そして、たくさんのコメントやWeb拍手を頂き、ありがとうございます。
更に、私のブログ経由で、Amazonや楽天市場から、商品を買って下さった方には、感謝しかありません。
とにかく、こんなに主人公に共感も応援も出来ず、物語に納得も出来ず、毎日モヤモヤした中で、何とか感想を書き終えられたのも、途中から「様子見モードにしたら気が楽になるのでは?」とアドバイスをしてくれた読者さんたちのお陰です。そのエールに背中を押されて、愚痴ばかりの感想ではありましたが、完走できたとおもっています。
本当に、ありがとうございました。そして、次作『カムカムエヴリバディ』の感想も、よろしくお付き合いの程を…
お願い…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第21週『胸に秘めた思い』
101 102 103 104 105 土
第22週『嵐の気仙沼』
106 107 108 109 110 土
第23週『大人たちの決着』
111 112 113 114 115 土
第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』
116 117 118 119 120
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