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連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第120回/最終回・2021/10/29) 感想 ※渾身の「大型の三部構成」でお届けします

連続テレビ小説「おかえりモネ」

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』公式サイト
第120回/最終回第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』の感想。


 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。


永浦家では、未知(蒔田彩珠)の大学合格をお祝いするため、幼なじみたちが集まっていた。そこで百音(清原果耶)は、あの日以来開けられずにいたサックスケースを開こうと決意する。そして2月。百音、未知、新次(浅野忠信)たちに見送られ、亮(永瀬廉)は海へ。そして、耕治(内野聖陽)と龍己(藤竜也)も海へ、それぞれの道を歩み始める。そして数年後…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20,最終
   梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19,23
   桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18,22
   押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14
   中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17
   原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18
   田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21
   舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
     須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略



お知らせ

●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。

●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。

↓『おかえりモネ』完全対応版です↓
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版



拙稿&長文になるが、最終回に免じて、最後まで読んで欲しい

いろいろ、最終回の感想の前に書きたいことがあったのだが、個人的な事情で最終回の感想に、「今日の感想」と「総括」を書こうと思う。かなり読み応えのある拙稿&長文になるが、最終回に免じて、最後まで読んで欲しい。

気付いていたと思う一部の読者さんの優しさ感謝に応えるために、全て本音と本気で私の気持ちを伝えたい

そして、一部の読者さんは気付いていたと思う。私が、少しでも前向きになろうと、絞り出すように感想を書いている日が、何日、何十日もあったことを。それを知っていて、読んで下さった優しさには感謝しかない。そこで、その大きな感謝に応えるために、今回の感想は、全て本音、本気、長文で私の気持ちを伝えたい。

今回の感想は「大型の三部構成」でお届けする!

そこで、今回は「大型の三部構成」でお届けする。第一部は「最終回15分の通常以上の辛口感想」、第二部は「全120回の総括」、そして、第三部は「『おかえりモネ』が私にとって “失敗作” となった原因分析」だ。

ではまず、第一部「最終回15分の通常以上の辛口感想」から。

「楽器のケースを開ける」と言う行為が、『おかえりモネ』だった雑な最終回に幻滅!

まず、10年近く開けることが出来なかった「楽器のケースを開ける」と言う行為が、タイトルの『おかえりモネ』だった雑な最終回に幻滅した。

そもそも、主人公の音楽、吹奏楽、楽器への “思い” を本作は、ドラマのタイトルと釣り合うように表現して来なかった。むしろ、第3週『故郷の海へ』の第15回(6月4日放送)で、落ち込む主人公・百音(清原果耶)を励ます耕治(内野聖陽)に「違うよ お父さん。音楽なんて 何の役にも立たないよ」と、“音楽” を全否定したのだ。

その上、音楽を全否定したあと、父の手作りの「木笛」のエピソードを除けば、百音が音楽に興味を抱いている印象は皆無。当然、暇があったら、音楽を聴いているような描写も無かったし。敢えて、強引に百音の音楽のエピソードと言えるか分からないが、菅波(坂口健太郎)と彼の元患者でホルン奏者の宮田(石井正則)のことか。

あれだって、脚本上は百音が絡んでいるが、演出上は、ただの “聴き役” 程度の扱い。そんな音楽と無縁な百音が、楽器のケースを開けるか、開けないかになんて、何の意味があると言うのだ。

「音楽なんて 何の役にも立たない」をも百音自身が全否定してから、エースを開けるべき!

私は、せめて、「百音がケースを開けること=百音がトラウマからの解放」と脚本家が意味付けしたいなら、ケースを開ける前に、父に言い放った「音楽なんて 何の役にも立たない」を、自ら全否定すべきでは?

そして、映像はないが、ナレーションで補足しつつ、百音の音楽、特に中学時代の吹奏楽部のことについての思いを語るべきだったのでは?

震災がどうこうなんて関係ないと思う。だって、「音楽なんて 何の役にも立たない」こそが、百音の音楽に対する “本音” なのだから。まずは、そこを全否定してから、開けるか開けないかを描くべきだった。

本作の"悪い癖"である「絶対に必要な描写」をやらないことが、"雑な表現や描写"の根本原因

いや、上記のような「絶対に必要な描写」をやらないことが、本作の “悪い癖” なのは、十分承知している。この “悪い癖” である “雑な表現や描写” こそ、本作が根本的に間違っていたことなのだ。

思い出して欲しい。そもそも、主人公は「大見えを切って亀島と言う故郷から逃げた」のだ。しかし、その逃げた理由に関しての表現が雑。逃げたのなら、普通は「帰れない」はずなのに、実家の楽しい行事には率先して、お気楽に帰省する違和感。

故郷から逃げた主人公が、"あの日"からケースを開けられないと描くのは、雑を通り越して、強引や無茶も乗り越えて、安直、適当、都合良過ぎる

お気楽と言えば、百音のあの雑な企画とプレゼンテーションから、「基本給+帰省」と言う社長からの粋な計らいに至る過程も、雑。「基本給+帰省」で始めたラジオパーソナリティーの描写も、仕事の内容も雑。とにかく、こんな雑な表現ばかりで、時間繋ぎして来たのに、最終回で唐突にケース?

今日はハッキリ言う。既に、本作は、幼馴染たちや亮と新次親子や、妹の未知や両親を含めた “百音お姫様以外の永浦一家” が、百音よりも “あの日” から傷つき、苦悩し、葛藤し、前進しようと必死な姿を描いてしまっているのは、間違いないこと。

その上で、故郷から逃げた主人公がケースを開けられないと、“あの日” を今まで引き摺っていた… とするのは、雑を通り越して、強引や無茶も乗り越えて、安直、適当、都合良過ぎる。

本作に「数年後」なんて必要ない!!!

そして、終盤に、これまた雑に「数年後」とテロップが入って、未来が描かれた。どうやら、脚本家からのプチプレゼントのように「コロナ退散」が描かれたが、ここでもハッキリ言う。

本作に「数年後」なんて必要ない。

むしろ、雑な描写によって、朝岡(西島秀俊)がウェザーエキスパーツ社を退社したのかも分からないし、内田(清水尋也) と野坂(森田望智)が別会社を立ち上げて引き抜いたのかも不明。野坂が「うちの会社」と言っていたからだ。

こんな台詞を書くから、無用な妄想をする必要が出て来る。朝岡の今の去就が。恐らく、「百音は仕事は続けている。朝岡たちとも連絡を取り合っている。しかし、利益は出ていない」ってことだけを言いたいだけのシーンなのに、「うちの会社」と言う言葉と、「うちの会社」の全景カットが無いから、雑が更に不明瞭になるのだ。全く、描く必要はなかった。

ここからは、第二部は「全120回の総括」。

楽しかったかどうかは別にして、最初の1か月程度は良かった

百音の誕生秘話から、林間学校の小学生たちと共に、山歩きと植林体験での遭難事故、百音が気象予報士を目指し始めた頃、未知の夏休み研究で牡蠣養殖を目指していた頃は、良かった。きっと、最初の1か月程度だったと思う。

2か月目以降は、テーマも主人公も物語もブレ始めた

しかし、2か月目以降は、第三部「『おかえりモネ』が私にとって “失敗作” となった原因分析」で詳細は書くとして、迷走が始まった。「世の中の傷ついた全ての人に贈る癒しの朝ドラ」と言う雰囲気は、どんどん薄まった。

「震災で傷ついた人たちのための朝ドラ」と言うテーマも、ブレ始めた。主人公の歩む方向もブレ始め、百音が上京し、車いすマラソンに臨む鮫島(菅原小春)が登場した3~4か月目には、朝ドラと言うより “連ドラ” として連続性に欠け、ほぼ破綻していた。それが、本作の現実だ。

私は、出演者全てを肯定したいから、ドラマとしての『おかえりモネ』を否定するしかない!

私が、このように「全否定的な感想」を書くと、必ず妄信して称賛しまくる人たちが一定数いる。その人たちは、それでいいと思う。しかし、そうでない視聴者は冷静に考えるべき。

確かに、ドラマの楽しみ方の一つに「好きな推し俳優がいるから、面白かった」は、アリだと覆う。でも、逆に「嫌いな俳優しか出ていなかくても、面白かった」と言えるかってこと。むしろ、好きな推し俳優がいるなら、なぜ、こんなに面白くないのに出ているのか、自分で声を上げるべきだと思う。

そう言う行為の積み重ねが、ネットの評判に左右されっ放しの作り手たちの心を動かす可能性があるのだから。

私が、これ位言うのだから、私にとっては迷走し過ぎてたと評価せざるを得ない。だから私は、「好きな推し俳優がいるから、面白かった」とは言えないから、「好きな推し俳優がいても、面白くなかった」と。出演者全てを肯定したいから、ドラマとしての『おかえりモネ』を否定するしかない。

ここからは、第三部「『おかえりモネ』が私にとって “失敗作” となった原因分析」

結論:「何でも"有り"の百音」と「何も"無し"の亮」を、正に「有り or 無し」で登場人物を区別(差別)して書き始めた本作の罪は大きい

まず、話が長くなるので、以下に書いたことをまとめておく。それは、「何でも “有り” の百音」と「何も “無し” の亮」を、正に「有り or 無し」で登場人物を区別(差別)して書き始めた本作の罪は大きいと思うと言う結論。もう、これで十分だと思った人は、以下は読まなくて構わない。

しかし、もしも、読者さんが、『おかえりモネ』を最終回まで見終えて、「まだまだ、モヤモヤが晴れない」とか、「朝ドラ『おかえりモネ』とは何だったのか?」と思っているなら、是非とも、私の渾身の文章を読んで欲しい。

全体は二部構成

全体は二部構成で、前半は「ドラマに於いて、必要なこと、大切なこと」、後半は、「朝ドラ『おかえりモネ』が間違ってやってしまったこと集」だ。

いつまでも心の中に残る作品には、"虚構の中の真実" に、心をときめかせてくれる"魔法"が降りかかっている

まず、前半から。「ドラマは、人間そのものを描くこと」であり、主人公が自ら動いて身の回りの出来事に変化を与えて、物語をけん引していくのが、「強い物語」であり、制作者は、「強い物語」を基礎にしたドラマをつくるべきだと信じている。

もちろん、砕けた作品やコミカルな作品を否定しているわけでは無い。実は、笑える作品や泣ける作品など多くの人たちに愛される作品たちこそ、次の技法が使われているのだ。

それは、「魅力的な主人公が自ら動いて身の回りの出来事に変化を与え、周囲の変化に更に影響を受けて成長し、そして、無理だと思われた成功や栄光を手にする」ことを、さり気なく、丁寧に、観客に気付かれないように、巧みなプロの技術で、「現実のように見える不思議なベール」を掛けて、 “虚構の中の真実” に、心をときめかせてくれる “魔法” をかけているのだ。

大切なのは、「何度も見(読)たくなる作品の10の特色(個性)」と「人に勧めたくなる作品の10の魅力」を考えること。

「嘘だ」と思うなら、自分が大好きなテレビドラマや映画、漫画を1つ、頭に思い浮かべるといい。私は、テレビドラマや映画を見る時、その “魔法” を堪能できるかどうかを、「いい作品」と「そうでない作品」の見極めに使っている。

その “魔法” の “かかり具合” の気持ち良さこそ、テレビドラマや映画、漫画や小説などにも共通しているのだ。そこで、“魔法” の “かかり具合” の気持ち良さを測る基準を私が考えたので教えてみたい。それは、「何度も見(読)たくなる作品の10の特色(個性)」と「人に勧めたくなる作品の10の魅力」を考えること。

これは、あくまでも、私自身が作ったものだから、誰にも当て嵌まると言うものではないが。でも、好きな作品を思い出して、「何度も見(読)たくなる作品の10の特色(個性)」と「人に勧めたくなる作品の10の魅力」を探してみる良いと思う。なぜって、あなたが、その作品に愛を感じる程に、好きでたまらない理由が分かるから…

【その1】その作品には、あなたにとって魅力的な主人公がいるはずだ!

【その2】その主人公は、他人に頼らず自ら動いて、何かをやり遂げようとしていないか?

【その3】その主人公は、苦悩や葛藤と闘いながら、紆余曲折を経て、努力していないか?

【その4】その主人公には、あなた以外の登場人物たちの “応援者” や “協力者” がいないか?

【その5】その主人公は、仲間たちの力に頼り切らず、頼りながら目的を果たそうとしていないか?

【その6】その主人公は、幾度も目的達成を阻む “強敵” と向き合うが、負けそうでも常に全力で戦っていないか?

【その7】その主人公が目的を達成した時、仲間たちに “しあわせ” は訪れていないか?

【その8】その主人公は、目的を独り占めしていないか?

【その9】その物語を見終えて、あなたたち観客や視聴者にも “しあわせ” は届いていないか?

【その10】その物語を見終えて、あなたたち観客や視聴者は「明日も生きよう」と言う前向きな気持ちが湧いて来るか?

なぜ、『おかえりモネ』の最終回の感想に、「10の秘密」と「10の魅力」の話をするのか?

では、なぜ、『おかえりモネ』の最終回の感想に、「何度も見(読)たくなる作品の10の特色(個性)」と「人に勧めたくなる作品の10の魅力」を書くのか? /span>

理由は単純。『おかえりモネ』に「10の秘密」と「10の魅力」を合わせて、「20の特色と魅力」の幾つが存在していたかってこと。これが、たくさんあればあるほど、『おかえりモネ』は、「何度も見たくなる朝ドラ」であり、「人に勧めたくなる朝ドラ」だったことになる。

主人公が活躍するには、絶好の"強敵"が絶対に必要なのだ

さて、この「10の秘密」と「10の魅力」の中で、敢えて細かく触れない部分を残しておいた。それは、真ん中の【その6】その主人公は、幾度も目的達成を阻む “強敵” と向き合うが、負けそうでも常に全力で戦っていないか? に書いた “強敵” のことだ。

強敵と言っても、いろいろある。最後にだけ登場する「ラスボス」みたいなのもあれば、主人公が生まれる前から存在する「悪魔」や「苦労」も、強敵だ。「億万長者」とか、「大統領」とか、「ボクシングのチャンピオン」なんかも、ある意味で、主人公が向き合って、闘い、奪い取るべきもの。そう、「強い物語」には “強敵” が必要なのだ。

もう少し平らかに言うと、「強い物語」を作る時は、必ず主人公と何らかの敵の関係が必要だってこと。

敵がいるから、強敵がいるから、主人公は動く。少し深掘りすると、ドラマを作る時に、まず目指すべきは「強い物語」であり、そのためには、主人公と敵、謂わば「ドラマの中での対峙構造の対峙相手」、簡単に言えば、「誰と誰を対比させて物語を作るか?」が物語の企画段階で最大に重要な問題なのだ。

脚本家の最大の判断ミスは、「百音 VS 亮」で書き始めたこと!

ここから後半。では、『おかえりモネ』では、脚本家は「誰と誰を対比させて物語を作ったのか?」に迫ってみる。結果から言うと、私の想像では「百音 VS 未知」ではなく、「百音 VS 亮」だと言うこと。

既に最終回を見終えた読者さんなら、「百音 VS 未知」では無いことは、分かると思う。だって、今回で、未知のトラウマは、「祖母を残して逃げたこと」だとハッキリしたから、「亀島にいなかった」ことがトラウマの百音とは、相手にならない。乱暴な言い方をすれば、未知のトラウマの方が、百音のトラウマよりも、ドマラ的に大き過ぎて、対峙構造の相手には “不足” なのだ。

最初から今作は、主人公が百音の「震災がトラウマになった主人公錦を飾る女一代記」と、主人公が亮の「震災で様々に傷ついた人たちの再生ドラマ」の二本立てだった

その理由を詳しく書けば、こうなる。「何も失っておらず、津波も見ておらず、楽燃え上がる亀島を見て何も出来なかったと言うトラウマだけを抱えて、島を自ら出て行って、楽しく人生の結婚と仕事の目標を作って生きている被災者=百音」と、「津波を直視し、好きな女性から男性として扱われず、大切なものや人を奪われる恐怖と闘い続けてきた被災者=亮」こそが、対峙するには絶好の「真逆の関係」なのだ。

つまりは、最初から、このドラマは、主人公が百音の「震災がトラウマになった主人公が気象予報士になって、震災が発生した故郷に錦を飾る女一代記」と、主人公が亮の「震災で様々に傷ついた人たちの再生ドラマ」の “ニコイチ(2つで1つの意味)” だったのだ。だから、まとまるはずなんて、ないのだ。「まとまるはずなんて、ないのだ」と限定してしたが、私の予想は間違っていないはずだ。

二本立てを「一本の大作」に見せるための"接着剤"の選択に失敗した

それには、もう一つの理由がある。それは、上記の「震災がトラウマになった主人公が気象予報士になって、震災が発生した故郷に錦を飾る女一代記」と「震災で様々に傷ついた人たちの再生ドラマ」の2つの物語の接着剤の選択に失敗したから。

接着剤同士に共通点が無かったから、くっつくことは無かったのだ。その接着剤こそ、気象予報士の朝岡と百音の妹・未知を「AとBを混合で使うべき接着剤」だった。

しかし、残念ながら、朝岡と未知に共通点が無い。ここが失敗の原因だ。例えば、未知が朝岡のファンで、水産業を勉強するうちに、姉妹で「気象予報士」になるなんて展開だったら、朝岡と未知の接点が生まれた。また、朝岡が釣り好きで亀島を訪れる度に、水産業に興味を持つ未知と気象学の朝岡に接点も作れた。

接点さえあれば、あとは適度なさじ加減でAとBを混合で使うべきだったってだけのこと。

脚本家が、百音に興味を失い、未知に関心が増えすぎた

また、脚本家が脚本を書いているうちに気が変わって、俳優の出番を増やしたり、キャラ変させたりすることは珍しくない。もちろん、本作でも行われたと推測している。まず、脚本家が途中で興味がなくなった登場人物は、あろうことか主人公の百音と朝岡と新次。逆に興味が増えた、いや増えすぎたのが未知。

だから、最終的に(私は感情移入し過ぎているとは思わないが)、未知に10年近くもトラウマを抱えさせ、亮への恋心を弄ぶような描写まで使って、目立たせ起用し続けた。そのために、最終的に未知を中心とした永浦家の話が膨大化し、更に主人公の話は脇に寄せられてしまった。恐らく、これが、本作の全貌だと思う。

恐らく「脚本」は、全体の「1/4」が過ぎた時点で、迷走は始まった

結局、恐らく「脚本」は、全体の「1/4」が過ぎた時点で、迷走は始まったと思う。そして、百音が東京に入った頃、迷走は頂点に達していたと思う。要は、誰のどの話を主軸に後半「1/2」を構築して行くか? で。

だって、あんな適当なプレゼンで「基本給と帰郷を手に入れた百音」を描いた段階で、あの地域気象に関する企画が全国津々浦々に行き亘るまでを描いて、それを「百音が故郷に錦を飾った」と言う最終回にするには、放送時間が「多過ぎる」。だとすると、主人公を百音から、「亮と未知」に変更するしかなかったと思う。

本作中に、度々登場した「人を差別したような表現」の要因

その強引な軌道修正が、未知のトラウマが何であるか知っている脚本家は、体験や経験を「共有しているか、していないか」で、相手を差別、区別するような描写に繋がった。

そして、「縁で結ばれた人たちのやり取り」よりも、「偶然の体験の共有の有無で分類された人たちのやり取り」の方を、重要視するような脚本にせざるを得なくなってしまったのだ。

何度も書くが、最初の頃は「津波も目前で、亀島でみんなと一緒に経験していない百音」が、“故郷のために役立ちたい” と頑張る姿を描いていたのに、脚本家の中で主人公を百音から、「亮と未知」に変更した瞬間から、何事に対しても「経験の有無」「共有の有無」など「有り or 無し」で登場人物を区別した。

例えば「実家を継ぐ人と、継がない人」とか、「東京で暮らした人と、そうでない人」とか。それらが、差別的な表現に繋がったのだと思う。

あとがき

結局、“ポエム” のような気飾った台詞を並べ、遠回しにいいたことをぼやかしたり、連ドラなのに連続性にも欠けたり、東日本大震災を客寄せに利用したり、気象予報士の仕事を適当に描いたり、ある時は「天気は未来がわかる」言えば「自然は何が起こるか分かない」と整合性がなかったりと、清原果耶さんを始め、演者の人たちの苦労は並大抵では無かったと思います。

そして、震災から10年目の節目に、未だに癒えぬ心の傷を抱えた人たちに、一体何が届いたいのか? 疑問しかありません。

“あの日” から10年目だとか、パラリンピック開会を絡めて、初期の企画も曖昧のまま「人気脚本家×人気実力派若手女優」で強引にスタートを切るなら、『エール』を普通に再放送して欲しかったです。

『エール』が、コロナ過での撮影・放送と甲子園を扱った特別な朝ドラだったのですから、次作の『カムカムエヴリバディ』だって、NHKのラジオ英語講座を扱う特別な朝ドラ。連続して放送した方が良かったとも思います。

最後の最後に。読者の皆さんのお陰で、何とか最終回の感想まで辿り着くことが出来ました。本作は「失敗作」だと思いますが、「失敗作」を通して、自分の失敗も学びました。また、ドラマが破綻する過程や迷走して様子が勉強できたことに感謝しています。やはり、最終回まで見続けて良かったです、

そして、たくさんの読者さんの見守りや励まし、ご協力に心から感謝します。本当にありがとうございました。

お願い…

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【これまでの感想】

第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 
第21週『胸に秘めた思い』
101 102 103 104 105 
第22週『嵐の気仙沼』
106 107 108 109 110 
第23週『大人たちの決着』
111 112 113 114 115 
第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』
116 117 118 119

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コメント

感謝しています。

ブログへの書き込み方がわからないので、ここに書かせていただきます。
長い間おかえりモネの感想を書いてもらってありがとうございました。このドラマを見ていて、もやもやしたりイライラすることが度々あり、みっきーさんの文章を読み、解説してもらって納得しておりました。正直、安達奈緒子さんの作品は、今後見たくないと思います。 清原果耶さんもしばらくは見たくない思いです。  清原果耶さんの演技に、演出家も監督も誰もアドバイスしなかったのだろうかと思いました。

このドラマを見続けて感想を書くことは、ものすごくエネルギーがいることだと思います。

ほんとにありがとうございました。

Re: 感謝しています。

☆イトウミエコさん
コメントありがとうございます。

他の3つは同じ内容だったの、削除しました。


この作品ほど、感想に苦慮した朝ドラは初めてです。
何せ、何を言いたいのか分からないので。

でも、何とか最終回まで辿り着いて良かったです。

ありがとうございます

>脚本家が途中で興味がなくなった登場人物は、あろうことか主人公の百音と朝岡と新次。逆に興味が増えた、いや増えすぎたのが未知。


なるほどなーと思いました。主人公が「好きな仕事がしたい」を実現しながら、同時にそれを「目の前にいる人の役に立ちたい」に無頓着に重ねているというか、すり替えているところに疑問をもちながら、いつこのズレに本人が気づくのだろうと見てきました。結局、それって回収されないのだなと思い、最後2週間残してみるのをやめました。

しかし気になって…(笑)このブログを拝見してきました。スッキリしました。ありがとうございます。

菅波先生はおもしろいキャラでしたが、もう少し唯我独尊でない彼女に出会えることを祈っています。

Re: ありがとうございます

☆tsubirdさん
コメントありがとうございます。

最終回だけ、主人公が、百音と亮に戻って来ましたが、中盤の主人公は未知でしたよね。
やはり、予想は当たっていると思います。
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おかえりモネ 最終回

おそらく、かなり、好き嫌いや、評価の分かれそうな作品ですが、舞台となった東北は気仙沼の風景からして、とても映像が美しく「目の保養」になったし、豪華キャスティングが、ご馳走感っ!きわめて、デリケートな要素が多く、さすが『透明なゆりかご』『きのう何食べた?』で、東京ドラマアウォード2019 脚本賞に輝いた、安達 奈緒子だなぁ… と、感心。これからのスターを予感させる面々も、続々…最終回。タイトル...

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​​​​​​​​​​​​​​​​遂に最終回― ちゅーても、ながら見だったんだけどさ(^^;) ながら見ながらも感想を書きますわ。 いや、ながら見ならでは…かな(笑) 第22週『嵐の気仙沼』 第23週『大人たちの決着』 第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』 …ひじゅにですが何か? ​​「違う時空で生きているのか」​​by菅波 コロナ直前で物語終了…かと思いきや、数年後へと...

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​​​​​​​​​​​​​​​​遂に最終回―ちゅーても、ながら見だったんだけどさ(^^;)ながら見ながらも感想を書きますわ。いや、ながら見ならでは…かな(笑)第22週『嵐の...

連続テレビ小説『おかえりモネ』第120回(最終回)

内容未知(蒔田彩珠)の大学合格を祝おうと、永浦家に集まった友人たち。百音(清原果耶)は。。。敬称略今作を見ていて思ったのだ。こんな作品を。。。“あの日”絡みや“大きなスポーツ大会”絡みで、いろいろとワケの分からないことをやるならば。《エール》を通年放送して欲しかった。。。と。半年ズレたなら。。。次作《カムカム》も記念番組に近いんだから。次作も通年で。そうすれば、元通りだよね?ってか。今作の最...
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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