連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第118回・2021/10/27) 感想 ※本気で書きました

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第118回/第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
百音(清原果耶)は遠藤(山寺宏一)らに気象情報の投稿アプリとコミュニティーFMとを連動出来ないか?と提案する。双方向に情報をやりとりして、災害時の避難行動に繋(つな)げようと考えたのだ。皆は、提案に興味を示してくれる。百音の仕事は、少しずつではあるが軌道に乗り始めていた。一方で未知(蒔田彩珠)は大学に行くかどうかで悩んでいた。百音は、未知の心の内を聞こうと、ずっと胸にしまってきた“あの日”に触れる
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20,最終週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19,23週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18,22週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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毎朝、朝ドラを見る気持ち、感想を書く気持ちを乗せて…
今日を見終えてしまうと、残り2回しかない朝ドラの感想に何を書いても、無駄のような気はするが。
きっと、今回を見た人、そして、今回の私が書く感想をわざわざ読みに来て下さるのかと言う気持ちを考えてみた。そこで分かったのは、「みんな、結局、朝ドラが大好きだ」ってことと、「今日の朝ドラを、自分以外の人は、どんな風に感じて、今日一日を生きようとしているのかが気になる」ってことではないのかなって。
だって、顔も住む場所も知らない人同士が、1つの朝ドラを通して、毎日繋がることが出来る。それが、毎朝放送する朝ドラならではの良さだ。そして、天文学的な “ご縁” で出会った私たちが、いろんな立場や気持ちで、それぞれの場所で、同じ15分間を過ごすと言う、 “すご~く貴重な出来事” の共有。
それが、朝ドラの感想を書く意味でもあり楽しさで、読む人にとっては何らかの価値でもあり、来てることの幸せの確認作業のように思う。今日は、残り3回となった「第118回」の感想を、そんな思いを乗せて書いてみようと思う。
「私の実体験」と「百音の新提案」を比べると、古過ぎる!
まず、もうだら~んと見ているので、劇中が2019年なのか2020年の1月なのか分からないが(謝) 主題歌明けで描かれた百音(清原果耶)の仕事の企画の話について。実話とフィクションを比べることが、どんなに馬鹿馬鹿しいことか分かっているつもりで書く。
第一印象は、ちょっと内容が古すぎやしないかってこと。私が、千葉県内のとあるNPOで活動した話は依然したので詳細は避けるが(今、そのNPOは解散しています)。私のNPOは「ITを活用した町興し」が目的だった。
そして、東日本大震災の地域被害に着目して、阪神・淡路大震災を経験している似たような活動をしているNPOを中心に、全国の6つ位のNPOを「地域SNS」を各地に立ち上げ、全国連携させた。そして、各地でインターネットFMやコミュニティFMを更に連携させて、いざ災害が発生した時は、自分の家の前の道の情報法を誰もが瞬時に、「地域SNS」とFMで共有することを始めた。それが、2013年の春。
新提案中や、水野と再会した時の百音の行動に違和感…
私が言いたいのは、こんな「残り3回」しかない貴重な時に、既に8年以上前に一般市民がやっていた「無料の事業」を、「未来を据えて考え抜いた主人公の仕事の名案」のように描く、必然性の無さ、時代遅れ感、そして、今さら感。
知らない人には新鮮に聞こえる名案に映るかも知れないが、実情と現実を知る私としては、8年以上前の名案だってこと。
ただ、残念なのは、多くのNPOが資金不足で解散したこと。逆にうれしいのは、スマホの急激な進化によって、「8年前の名案」が、いとも簡単に、いつでも何処でも誰でも出来るシステムやアプリが2021年には、幾つか存在するってこと。そう言うことを、さも「自分が考えた新提案」のように描いたことに違和感を覚えた。
まあ、当然 “ドラマの主人公” だし、時間軸は適当だから、既に普通のことを、「主人公が考えた新提案」のように描くのも、「流石、モネちゃん」と持ち上げるのも、自分を応援する人は中まで、そうでない人は関心なしとか、年上の人にも、久し振り再会した水野(芽島みずき)に上から目線の命令口調なのも、今回は、「残り3回」のドラマだから、今回は許してしまった。
もちろん、これがドキュメンタリードラマだったら、「何、これ?」とツッコんでいたと思う。
今回の「主人公が考えた新提案」へ感じた問題点について
途中で、私のつまらない体験談なんて挟んだから、今一度、今回の「主人公が考えた新提案」へ感じた問題点について書いてみる。
一つは、そもそも以前から朝岡(西島秀俊)たちが、本社で似たようなことを始めていると言うこと。まあ、それを「主人公特権」を使って、「故郷を助ける新事業」みたいに認めて、帰省させちゃったわけだが(苦笑)
要は、朝岡たちが既に進めていることに、リスナーからの投稿も混ぜ込むってだけ。これ、今のFMやAMラジオ、地方のコミュニティFMが “普通” にやっていることを、「主人公が考えた新提案」のように描いているだけでは?(失笑)
今回の大失敗は、高橋を登場させたのに、高橋たちがやっていた「災害FM」の延長戦上に、百音が「故郷を助ける新事業」として提案する流れにしなかったこと
また、ここに、私にとって “今回の大失敗” に見えることもある。それは、以前、前身の災害FMを経験したことがあった。高橋美佳子(山口紗弥加)を、わざわざ登場させたのに、次のことを描かなかったこと。
それは、リスナー(市民)から集める情報を気象情報以外、例えば交通情報、畑の収穫情報、海の状況や海産物の漁獲量の情報なども組み込んで、高橋たちがやっていた「災害FM」の延長戦上に、百音が「故郷を助ける新事業」として提案する流れにしなかったこと。
これだけでもやっていれば、2021年と劇中の今との “繋がり” が見え、久し振りに戻って来た水野との “未来” すら、僅か6分間で、描けたはず。もちろん、元ホルン奏者だった宮田さん(石井正則)のことを含めた被災者の気持ちに安らぎを与えた “音楽の素晴らしさ” も、決して、取って付けたようには見えなかったと思う。
今回で良かったのは、百音が自分から仕事のために動いているように見えたこと
「残り3回」に他に何を書こうか。そうそう、褒めておくことがあった。それは、今回は百音が仕事に対して、今までよりは、自分から動いているように見えたこと。自宅では未知(蒔田彩珠)と、漁協では漁協組合長の太田滋郎(菅原大吉)など、それなりに自発的に足を使って、仕事をしているように見えた。
ホント、帰郷してから、車を持っているのだから、もっと自発的、能動的に仕事に取り組む百音を描いていたら、帰郷してからの百音へ期待度や好感度も違ったと思う。そこは本当に残念でならない。
冒頭の提案会を、「海のまち市民プラザ」に容易にしてしまう呆れたセンス
しかし、この脚本家と演出家は、帰郷してからの百音へ期待度や好感度に対しても、お構いなしでやってしまう。
今回の冒頭での百音が提案する場面だって、「百音は放送があるから」とか「観光課課長・遠藤(山寺宏一)とコミュニティーFM代表・小山繁樹(佃典彦)がいるし、既に「ウェザーエキスパーツ気仙沼営業所」が入居している設定だから、「海のまち市民プラザ」であることに違和感はない。
でも、自発的、能動的に仕事に取り組む百音を描くなら、役所勤めの悠人(高田彪我)を利用し、且つ参加させて、市役所の会議室でやるとか。こう言うのが1シーン、それも冒頭付近でやられると、「主人公が自分の居場所に集めている」ような印象が付くから避けた方が良かったと思う。
10代の未知を、トラウマとして10年間も苦しめ、暗くて卑屈で自暴自棄な女の子の設定した脚本家の心根に共感できない!
そして、未知の告白。よく考えてみれば分かるが。石井あかり(伊藤 蒼)と言う亜哉子(鈴木京香)の教え子が来た頃のエピソードと、構造は全く同じってこと。
亜哉子が被災時に教員と母親としての “10分間” の葛藤から抱いた罪悪感や、震災後の大変な状況のために教員を続けることが出来なくなったが、今後も夫の耕治(内野聖陽)と義父の龍己(藤竜也)の手伝いをしたいと告げたくだりの焼き直しでは?
そのフォーマットのままで、「残り3回」の今日に、未知が10年間も抱えて来たトラウマの話に使い回す、脚本家の気持ちに共感できない。
それに、結果的に雅代(竹下景子)は助かっているし、中学生なら自分の身を守ろうとするのも、怖くて体が動かないのも当然の行動なのに、それを10代の未知のトラウマとして10年間も苦しめ、暗くて卑屈で自暴自棄な女の子の設定した脚本家の心根に共感できなかった…
一方の百音は、「自分から島から逃げた」立場なのに、まるで何も無かったよう…
その一方で、百音については、「自分から島から逃げた」立場なのに、まるで何も無かったように、今回では未知、先日では亜哉子の “震災の海を見て、その海で生計を立てる苦労や葛藤” の話を聞いているが、それで良いのだろうか。
結局、「よそ者」とか「見た、見ない」とか、「故郷のため」とか言う、各登場人物が抱えるパーツ類が、ほぼ重なっていないし、関係性が薄過ぎ、ドラマとしてフィードバックが皆無なことが、本作の大問題だったと思う。
無駄を承知で、「未知のトラウマの根っこ」のエピソードを、私なりに再構成してみた
この度の、「未知のトラウマの根っこ」のエピソードだって、亜哉子がトラウマの吐露をした時に、未知が「私も、そんなことがあった」で良かったし、そこへ百音も「実は、私にも…」と、龍己と耕治を絡めて、雅代の遺影を前に、永浦家全員で号泣すれば良かっただけだと思う。
むしろ、その席は、新次(浅野忠信)と亮(永瀬廉)も混ぜて、“あの日” を改めて思い出し、ある意味で前進のための忘れる日であっても良かったと思う。
あとがき
厳しいことを言えば、今回の15分が、本当の意味で『おかえりモネ』の「残り3回」として、適切だったか疑問しかありません。
主人公の仕事の話ならそれだけ、主人公の恋バナならそれだけを描いて欲しかったです。「傷ついた人たちがいる。立ち直ろうとしている人もいる。それが出来ない人もいる。それが “あの日”を体験したと言うこと」であることを描く朝ドラとしては、最初の構想から間違っていたと断言します。
※本気で、気持ちを一気に書いたので、拙稿な上に、誤字脱字、勘違いがあると思いますが、どうぞ、ご寛大な心で、私の “ドラマ愛” を受け取って頂きたいです。
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。発表するなら、ご自身の場所でやって下さいませ。また、何度も諄いコメントの投稿者は、投稿機能をブロックします。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16140/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第21週『胸に秘めた思い』
101 102 103 104 105 土
第22週『嵐の気仙沼』
106 107 108 109 110 土
第23週『大人たちの決着』
111 112 113 114 115 土
第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』
116 117
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