連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第116回・2021/10/25) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第116回/第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
百音(清原果耶)がラジオの放送をしている間、菅波(坂口健太郎)と亮(永瀬廉)がみんなの広場で話し込んでいた。菅波の言葉で何かが吹っ切れた亮は、未知(蒔田彩珠)が待つ喫茶店へと向かう。一方で菅波は、今の百音との関係を耕治(内野聖陽)と亜哉子(鈴木京香)が理解してくれるのだろうかと、不安に陥っていた。百音は、そんな菅波を励ましながら一緒に実家へと向かう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20,最終週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19,23週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18,22週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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いよいよ「最終週」、その月曜日を見終えた印象は…
いよいよ「最終週」、その月曜日。15分間、見終えた印象は “ポエム風” な、きれいな言葉を並べて、まずは永浦姉妹の恋愛問題から片付けちゃおう! と言う粗っぽさしか伝わって来なかったのが残念。
やはり、最終週がそうならざるを得ないのは、こちらは荒っぽい表現で言うなら、「震災がトラウマになった主人公が気象予報士になって、震災が発生した故郷に錦を飾る女一代記」と「震災で様々に傷ついた人たちの再生ドラマ」を、強引に混ぜてしまったからだと思う。
本作の成否を判断する際に最も大切なのは、2つの話を「混ぜてしまった」ことに尽きる
そう、本作の成否を判断する(判断する必要は全くありません)際に最も大切なのは、この「混ぜてしまった」こと。ハッキリ言えば、「震災がトラウマになった主人公が気象予報士になって、震災が発生した故郷に錦を飾る女一代記」か、「震災で様々に傷ついた人たちの再生ドラマ」どちらか一方にしておくだけで良かったと思う。
そこを、主人公が上京し帰郷するまでは「女一代記」を前に押し出して、時々、「人生再生ドラマ」。しかし、主人公が帰郷した後は、ほぼ全部が「人生再生ドラマ」。そこで、慌てて、最終週の前半には「女一代記」らしい “恋バナの結末” を描いておこうかな? と言う感じでなかっただろうか。
菅沼と亮の "好きな人を人生のパートナー受け入れる気持ち"を"混ぜる(重ねる)必要なんて無い
まあ、主人公の結婚を描くこと自体は、ドラマとしては間違っていない。しかし、そもそも、百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)が恋愛関係になる過程も曖昧で、恋愛関係から結婚へ発展する過程も、妙な “ポエム” を喋らせ、視聴者は置いてけぼりのまま、ただ、百音と菅波が、遂に百音の両親に結婚の挨拶に来たようにしか見えなかった。
しかも、菅沼が百音を受け入れる理由を、亮(永瀬 廉)が背負って来た人生と唐突に重ねて描くから、わけが分からなくなってしまった。
ここだって、菅沼と亮が “好きな人を人生のパートナー受け入れる気持ち” を “混ぜる(重ねる)” から分かり難くなるのだ。菅波は彼の理屈で百音と結婚すれば良いだけのことでは? ちょっぴり、イケメンの2ショットで視聴率稼ぎを目論んだとしたら、その浅はかな目論見が、余計にドラマを分かり難くさせる原因になったのだと思う。
亮と未知のシーンを喫茶店内でなく、港の端っこのたくさんの船が停留しているのが見える場所にすれば…
一方の、亮と未知(蒔田彩珠)の恋バナだが。こちらも、どう言う経緯で、亮が未知のことを “大切な人” へ仲間入りさせたのか、過程が良く分からない。
分からないが、舞台を昭和時代の喫茶店ではなく、海辺の軽トラの車内とか、港の端っこのたくさんの船が停留しているのが見える場所にするだけで、亮が「震災」とか「あの日」と言う単語を使わずに、これまた菅波同様に “ポエム” を長読みしても、視聴者には、伝わると思う。まあ、正確に言えば、視聴者は創作できると思う。
亮はず~っと未知のことを気に掛けていて、その思いが「死亡届」などをきっかけに、恋愛感情に発展したんだって。それなのに、喫茶店にしてしまったら、長年の未知へ感謝と同情に映ってしまう。やはり、屋外ロケが出来ないなら、せめて、「亮が船の上で、何となく未知のことを考えている」ように見えるようなワンカットが欲しかった。
「緊張してる?」と聞いて、「そりゃあ、私だって初めてだもん」と照れ笑いで応える位が、ちょうど良かった
そして、14分過ぎ。百音が菅波を家族に引き合わせようとする直前のシーンで、緊張するのが当然の菅波が百音に「僕より 緊張してらっしゃる?」と問い掛ける。脚本家は、「らっしゃる?」が菅波の緊張感やコミカルさを表したつもりだろう。
でも、ここは、普通に「緊張してる?」と聞いて、「そりゃあ、私だって初めてだもん」と照れ笑いで応える位が、ちょうど良かったと思う。「では」では、まるで武士…
耕治は"推しメン"の菅波を待ち焦がれて… のような雰囲気で出迎えた方が良かった
そして、肝心の場面で、耕治(内野聖陽)はなぜか出かけてしまっていた。帰宅までの時間を使って、次回で百音が菅波に未知の研究スペースを案内するためだろうが。
脚本家に、その目的があろうと、やはり「連続ドラマ」としては、百音が上京中に耕治が娘の職場を訪ねた際に、強引に菅波を呼び出して挨拶したり、美波(坂井真紀)の母・横山フミエ(草村礼子)が新次(浅野忠信)に美波の死亡届提出を促された回では、新次に菅波のことを大自慢していた。
だから、ここは “連続性” のために、むしろ、待ち焦がれて… のような雰囲気で出迎えた方が良かったと思う。もちろん、縁側からでなく、玄関から…(苦笑)
あとがき
今日の冒頭で、ラジオのBGMが、吹奏楽部時代に良く演奏していた「アメリカン・パトロール」だと、亮が菅波に唐突に説明するシーンがありましたよね。あの吹奏楽部を持ち出して来たことで、最終週が見えたような気がします。
未知の大学行きが決まり、未知の人生の船出を祝うために幼馴染たちと一緒に、“あの日” には叶わなかった百音のサックス演奏で軽く締めて、予告編から想像すると「数年後」に飛んで終わりですね。結局、言えば何でも叶う魔法を持ったお姫様の自分勝手を描いた朝ドラで終わりそう。そう言うのが見たかったわけでは無いのに…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
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第2週『いのちを守る仕事です』
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第3週『故郷の海へ』
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第4週『みーちゃんとカキ』
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第5週『勉強はじめました』
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第6週『大人たちの青春』
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第13週『風を切って進め』
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第15週『百音と未知』
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第21週『胸に秘めた思い』
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第22週『嵐の気仙沼』
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第23週『大人たちの決着』
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第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』
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