連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第110回・2021/10/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第110回/第22週『嵐の気仙沼』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
未明、漁協に亮(永瀬廉)の船から無事との知らせが入った。滋郎(菅原大吉)から連絡を受けた百音(清原果耶)は、未知(蒔田彩珠)たちと一緒に安堵(ど)する。耕治(内野聖陽)は、新次(浅野忠信)と電話で亮の無事を喜ぶ。亮の船が港に戻り、百音は、未知に亮を迎えに行くよう背中を押す。そして、2人は話し合うが、すれ違ったままの状態が続く。その様子を見た百音は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18,22週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
↓『おかえりモネ』完全対応版です↓
まえがき
前回の感想は、前々回の感想が、かなり本気モードでツッコミを入れたり、褒めたりしたために、拙稿な上に長文になってしまいました。なので、前回は、「脇役のことは、今回の感想では省略する」とだけ書いて、亮(永瀬廉)と未知(蒔田彩珠)、そして百音(清原果耶)の関係については触れませんでした。
そこで、今回は、前半を亮と未知と百音のこと、後半は残り2週となった本作に対する考えを、亮が助かったのですから、のんびりと書こうと思います。
高校の同級生と結婚して32年目を迎えるオジサンが思うがままに、亮と未知と百音のことを書こうと思う
まず、恋愛のことについては、人それぞれの解釈があると思う。また、この三人の関係(敢えて今は “三角関係” とは言わない)を掘り下げるのは、各登場人物や演者への個人的な好き嫌いもあるから、とても書くのが難しい。
でも、折角、「ながら見」状態や、本編を見ていないのに私の感想だけ読んで下さっている読者さんもいるので、高校の同級生と結婚して32年目を迎えるオジサンが思うがままに書いてみる。
異論反論はあると思うが、一応、亮と未知と百音の関係性に、私なりの"基準"を設けた
明瞭に、且つ、明確に描写されていないから、あくまでも私の推測や希望を含んだ意見になるが。
そもそもの話として、亮は百音が好きで、百音が好きなのは菅波(坂口健太郎)で、未知は亮に片思いをしていて成就したい… くらいまで思っていると解釈して良いのだろうか?
まず、私は、このように亮と百音と未知の「三角関係」を理解している前提で読んで欲しい。もちろん、異論反論はあると思うが、一応 “基準” を設けないと、話が進まないから。
話がチグハグになっているようなので、私なりに「大きく3つの事」に整理した
そして、私が今回の三人のやり取りを聞いて感じたことは、「亮に不幸を盛り込み過ぎ」で、話がチグハグになっていやしないかってこと。今回の三人のやり取りには、「大きく3つの事」で、グシャグシャになって盛り込まれているように思う。そこを、一つずつ整理する。
亮は、百音も未知も"好き"だが、"好き"の意味合いが違うと思う
1つ目は、恋愛に於ける「三角関係」のことだ。これは、先ほど書いたような互いを思う関係で間違っていないと思う。亮の本心は小さい頃から百音が好き。そして、その大好きな百音の妹である未知のことも好き。でも、この2つの「好き」は違う。
前者の「好き」は恋愛感情で、後者の「好き」は友情や同士のような感覚。だから、亮は、本気で相談や報告するのは百音だけ。でも、亮は、いろんな不幸を背負い過ぎた設定になっているため、「一緒に津波を見た同士」として、未知の存在をある意味で頼りにしているし、未知のお陰も経験している。
亮が、未知への感情を素直に伝えれば良かったと思う
だから、普通なら、ここで、亮が「俺が本当に好きなのは百音なんだ。みーちゃんには、ずっと中途半端にしていて悪かった」と言って、決着をつけても良かったと思う。だって、残り2週間しかないのだから。でも、この脚本家は、絶対にそうしない。それが、ここがグシャグシャになっている2つ目の理由の “原因”。
このシーン、単純にこれまでの「中途半端な三角関係」を、きれいさっぱり整理整頓して、少なくとも、亮は菅波と言う存在がいるから難しいが、未知の亮への恋愛感情や、その先への期待に関しては、残酷だが “終わり” にしてあげた方が良かったと思う。
その方が、見ている方も、スッキリするし、失恋で悲しむ未知を見ることになっても、最終回までには「次に進む未知」が見られる可能性が残るから、“終わり” にしてあげて欲しかった(ん? ちょっと感情移入していますかね)
亮の心の中に、やや広域な解釈の決意と、個人的な決意の、2つが共存しているから、分かり難い
そして、グシャグシャにしている2つ目について。
それは、亮の心の中に「自分が大切だと思っている人たちに、二度と辛い思いはさせたくない」と言う、やや広域な解釈の決心と、「自分が恋愛をして好きになった人に、自分がこの世からいなくなる(死ぬってこと)思いはさせたくない」と言う個人的な決意が、共存していること。
そのために、恋愛や、親子関係の修復などの “亮が自分でやろうと思うこと” に自ら、重い蓋をし、海の底深く沈めてしまっているように描いていること。ここが、この金曜日が台詞ばかりで、殆ど内容が伝わらなかった要因だと思う。
恐らく。上記の「2つの亮の決意」を、きちんと切り離して、亮が未知に自分の本心を伝えるシーンにすれば、グシャグシャにはならなかったと思う。
亮と未知は、百音に感謝を伝えていたら、すぐ帰った方が良かった
そして、3つ目は、百音の存在意義とか立場のおかしさ。私は、亮は、未知と一緒にラジオブースにいる百音に感謝の意を伝えに来ただけで、再び、百音を残して帰ったら良かったと思う。そして、海辺かどこかで、亮は、自分の未知への思いを、ハッキリ伝えたら、もっと良かったと思う。
だって、何事にも、やや意地っ張りで、自分の思うことしかできない未知を説得できるのは、亮しかしないのだから。
亮と未知だけで話せば良かった会話に、百音を食い込ませた脚本家は意地悪い
しかし、この脚本家は意地が悪い。敢えて、亮と未知だけで話せば良かった会話に、百音を食い込ませた。しかも、「私には わかんない」と言わせておきながら、まるで亮と未知の関係に判決を下す裁判官のように割り込ませた。他人の心の内を探って、心の痛みを救うセラピストのように喋らせた。
一見すると、亮を苦悩から救い出すようにも、未知を闇から抜け出させるかのような “ポエム” を連発しているが、亮が自分のことを好きだと思って(感じて)いる時点で、百音の “ポエム” は、ただの “自己保身” であり “自己弁護” でしかないのだ。
なのに、この脚本家は、こんなグシャグシャな点か員の結末の台詞として、亮に「俺 幸せになってもいいのかな」とまで言わせた。これ、亮は、百音は無理、だから未知。または、これまでの未知への感謝や同情、亮が未知と結ばれても、なんかスッキリしないのは私だけだろうか?
あまりにも「東日本大震災」にだけ偏った描写になってやしないか?
ここからが後半(長くて、すみません)。本作は、ご存知の通り、2011年3月11に発生した「東日本大震災」で被災した人たちの、様々な人間模様を描いている。このこと自体は全く否定しないし、ドラマとして間違っていない。ただ、あまりにも「東日本大震災」にだけ偏った描写になってやしないかってこと。
日本中の「災害で傷を負った人たちへ元気をくれる朝ドラ」が見たかった、私の理由
きっと、ここから異論反論がさらに増えると思うが、残り2週間だから書いておく。“東日本大震災” の時に、 “何か被害のようなものや、こと” が無かった人でも、実際に津波を目の当たりにした人や、家や家族や仕事を失った東北の人たちと、同じくらいの悲しみや苦しみや苦労を、抱え続けている人は、たくさんいるのは間違いない。
恐らく、特にこの10年間は、「100年に一度」と言われる自然災害が多数発生し、大切な人を亡くした人や、家や仕事を失った人の数は、計り知れない(ネタ元)。
でも、多くの人たちが、その悲しみや苦しみや苦労を背負いながら、生きている。必死に、生きようとしている。そう言う人たちが、今の日本には、大勢いるのだ。
だから、本作へ最初に期待したのは、震災のトラウマを抱えつつ、気象予報士と言う夢を見つけ、仕事に就いた主人公が、故郷のために生きようと決心する過程を、少しずつで良いから、丁寧に描いて欲しかった。主人公が、ちょっとずつ前に進もうとする健気で勇気ある姿を…
しかし、始まってみれば、ほぼ真逆の内容になってしまった。そこが、本当に残念でならない…
あとがき
重箱の隅を楊枝でほじくるようなことに、読めたかも知れません。でも、私は改めて思います。今回で、百音が11分頃に、未知を庇うように亮へ「それでも 一緒に生きていたいって そばを離れなかった人がいる」と言っていました。
これが、百音の本心だとしたら、菅波が永浦家に挨拶に行くと言い出してから、百音の理由で停滞している「百音と菅波の結婚」との話に整合性が無いように思います。
もっと、重箱の隅を楊枝でほじくることは出来ますが、今回はこれ位にしておきます。来週こそ、亮と新次(浅野忠信)の”結末” が、優しく、丁寧に描かれるのを期待します。
お願い…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第21週『胸に秘めた思い』
101 102 103 104 105 土
第22週『嵐の気仙沼』
106 107 108 109
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