よるドラ「古見さんは、コミュ症です。」〔全8回〕 (第6話・2021/10/11) 感想 ※第6話は「おかえりモネ視聴者」と「中高年層」へ超おススメ!

NHK総合・よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』
(公式サイト)、(公式twitter)
第6話の感想。
なお、原作となった漫画、オダトモヒト氏による『古見さんは、コミュ症です。』は、既刊22巻まで既読。2021年10月よりテレビ東京ほかにて「アニメ版」も放送予定。
下校時に強引なナンパの危機から万場木さん(吉川愛)を華麗に救った只野くん(増田貴久)と、それを目撃した古見さん(池田エライザ)。万場木さんからは好意を寄せる異性の存在を質され、古見さんは戸惑ってしまう。そして、学校には超絶ナルシストの転校生・成瀬詩守斗(城田優)が現れて、只野くんと一緒に文化祭の出し物を企画していくことになるが、出し物の発案をめぐって古見さんがまさかの「ヤル気」を示し物議をかもす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:オダトモヒト『古見さんは、コミュ症です。』
脚本:水橋文美江(過去作/朝ドラ「スカーレット」、、#リモラブ、生徒が人生をやり直せる学校、死にたい夜にかぎって)
総合演出:瑠東東一郎(過去作/おっさんずラブ、浦安鉄筋家族、極主夫道、DIVE!!)
演出:瑠東東一郎(過去作/おっさんずラブ、浦安鉄筋家族、極主夫道、DIVE!!) 第1,2,5話
岡下慶仁(過去作/108 hyakuhachi) 第3,4話
石井永二(過去作/ドラえもん、母になる~大山のぶ代物語~、女川 いのちの坂道) 第6話
音楽:瀬川英史(過去作/勇者ヨシヒコ、左江内氏、今日から俺は、エール、極主夫道、DIVE!!)
主題歌:aiko『あたしたち』
語り:高橋克実
まえがき
原作は既読ですがが、基本的に原作となった漫画と、実写ドラマ版は比較しない立ち場。また、ネタバレしないように感想も書くつもりです。
老眼の私にやさしい、黒板に書く文字が巨大な超絶ナルシストの転校生・成瀬詩守斗がやって来た!
老眼の私にやさしい、黒板に書く文字が巨大な超絶ナルシストの転校生・成瀬詩守斗(城田優)がやって来た。キャラは強いけど、言いうことは正論で真面目。更にこのメンバーの中に入ってしまうと “普通” なのが面白い。その上、演じるのがミュージカルでも活躍中の城田優さん。キャスティングのセンスの良さを感じた。
これまでで最も各登場人物の"心の声"がストーリーと映像に活かされた!
なんか、今回はすっごく心に響いた。そして、人を好きなるって気持ちを思い出させてくれた。と同時に、恋愛に於ける切なさも。これまでで最も、それぞれの登場人物の “心の声” がストーリーと映像に活かされて、とても良かった。
例えば、テスト中に古見さん(池田エライザ)が落とした鉛筆から~の只野くん(増田貴久)のナイス・アシストから~の古見さんの消しゴムの流れとか。カラオケで声を出さずに「木綿のハンカチーフ」を “心で歌う” 古見さんのシーンでは、あそこにいた皆の “心の歌声” が聞えて来たし。
古見さんの"自立"が"好き"と繋がっているって展開も素敵!
そして、古見さんのためを思って、これまでずっと古見さんを守って来た只野くんと、古見さんの “自立” が “好き” と繋がっているって展開も、素敵だった。
とにかく、忘れかけていた若い頃の色々な気持ちが、蘇って来た第6話。これ、どう見ても、古見さんたちと同世代の人たちに向けて表現されていない。私のような50代半ばのオジサンの心にも、グイグイと迫って来る。そして、あんな学生時代があったから、今があるのかなって(私は、高校時代の同級生と結婚してるから)、余計にそう感じるのかも知れないが。
本作の総合演出・瑠東東一郎氏の、本作の演出について語ったインタビュー記事を、是非とも読んで欲しい…
さて、本作の総合演出を担当している瑠東東一郎氏の、本作の演出について語ったインタビュー記事を見つけた。すべて頷けることばかりだから、あとでリンクを貼っておく。また、瑠東氏の一つひとつの言葉が演出家として素晴らしくて、全部をここで紹介したいところだが、著作権の問題で、1か所だけ無断引用&掲載させて頂く。
作り手のメッセージや思いは、より強く込めようと思っています。今って強いメッセージが必要な時だと思うんですよね。ですので、10代の方々が観た時に、自分がこの先、生きていく上での「明日の何か」になってもらえたら最高です。逆に年配の方には、最近、すごく疲れる状況が多いと思うので「日々の癒し」になってもらえれば。簡単に消費されるものではなくて「何か」が強く残るものを作りたいと思っています。
やはり、老若男女問わずを相手に、丁寧に作り込まれていることが、この言葉からも伝わると思う。是非とも、ドラマ『古見さんは、コミュ症です。』に興味関心のある読者さんには、最終回までに一読して頂きたい。
【ネタ元】
古見さんは、コミュ症です。』に込められた生きていく上での希望 演出・瑠東東一郎に聞く|Real Sound|リアルサウンド 映画部
あとがき
今回は、切なくて泣けました。原作の漫画も、アニメ化も良いですが、大人の俳優たちが演じる高校生の心の演技と、それを単純に並べるのではなく、丁寧に、まるで “コミュ症” の人たちのコミュニケーションを紡いで構築して行く作風が素晴らしいと思います。
最後に、今放送中の朝ドラでは、婚約目前の主人公と相手の男性は、いつもどちらから仕事中で、歩きながらや仕事をしながらの「ながら電話」をするのが、とても気になっているんです。
しかし、今回の古見さんと只野くんとの電話のシーンでは、古見さんはブランコに座ったままじっと、只野くんは橋の上で立ち止まって直立不動で、真剣に相手の話を聞き、答えていました。こう言う演出も、気持ちを伝える電話の使い方、電話を掛ける態度にも、演出家のセンスが光ることが、良く分かります。『おかえりモネ』を見ている人なら分かるはずです。きっと…
※いつもはドラマの感想のタイトルに、無駄なことは一切書かない主義ですが、今回だけは古見さんのガッツに影響を受けて、「第6話は「おかえりモネ視聴者」と「中高年層」へ超おススメ!」と入れさせて頂きました。是非、該当する方は「見逃し配信」で、ご覧になるのをお勧めします。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16059/
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