連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全24週〕 (第21週/土曜日版・2021/10/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第21週『胸に秘めた思い』の
『土曜日版』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
民宿業を再開したいと考えだした亜哉子(鈴木京香)。それを龍己(藤 竜也)は、応援する。一方、未知(蒔田彩珠)は東京の大学で本格的に研究をしないか、という誘いを受けていたが、今の仕事や将来のことなどに思い悩み断り続けていた。そんなある日、百音(清原果耶)の職場のコミュニティFMに、中学3年生・あかり(伊東 蒼)が現れる。授業時間にもかかわらず帰ろうとしないあかり。実は、あかりは亜哉子とある縁があった。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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冒頭のサンドイッチマンさんのトークが長くて、楽しめた
今回の「土曜日版」で一番良かったのは、冒頭のサンドイッチマンさんのトークが長くて、楽しめたこと。いや、「今週は内容が無いよう…」だから、長めに尺を稼いで欲しいと、指示があったのかも知れないが…
ここ数週、「土曜日版」に変化が起きているのにお気付きか?
ここ数週だろうか、主人公が “プチ同窓会” をやった頃から、以前はやっていた「本編=週5放送」で本当に描きたかったことの、ある種の “種明し” が無くなった。もう、本編の感想は、その都度、書いているので、今回は、なぜ「土曜日版」に変化が起きたのかを、「土曜日版」の感想に書いてみる。
最近の「土曜日版」が変化せざるを得なくなった理由は、2つ
と、大袈裟にぶちまけたが、理由は簡単なこと。特に、今週の「本編全部」と「土曜日版」を見れば、良く分かることだ。理由は、明らかに下記の「2つ」だ。
●ストーリーの中心にいて、ストーリーを創り上げていくべき主人公に、ほぼ存在意義が無かったこと
●ストーリーを構成する「パーツ=エピソードや脇役」が大き過ぎること
これでは、「土曜日版」として「ダイジェスト版」を作ろうにも、主人公の出番は極端に少なくなって、脇役と新キャラばかりのシーンになってしまう。まあ、それを何とか「土曜日版」の演出家と編集者が苦労して、主人公の見せ場も入れつつ編集した結果、「土曜日版」自体が迷走しているような印象になってしまったのだ思う。
家族の話なのに、家族から"部外者"のように映る主人公を…
特に、1つ目の理由が致命的。今週に限れば、主人公だから出番は与えられてはいるが、出て来て喋っても、それらは結果的に、次の「脇役のエピソード」の “繋ぎ” でしかない。そこで、今週の主人公は “繋ぎ” に徹して、来週のためにエネルギー補給としておけば良かった。
でも、脚本家も演出家も、主人公に忖度をして、存在意義を作るために、不自然な出番を作り、これまでの流れとは “ちぐはぐ” なエピソードを作って、既存のレギュラー・キャラクターの設定まで変えてしまった。主人公が、まるで家族の話なのに家族たちから “部外者” のように映ってしまったのだ。
ここを、部外者でなく “家族から孤立した人” だとか、東京生活があったから “中々、家族の中へ入れない人” とか、“東京から来たよそ者” に見せてくれたら、かなり、今週の主人公への印象は良くなったと思う。う~ん、ナレーション次第で、いくらでも修正できただけに残念…
亜哉子の震災体験談も、お涙頂戴的には間違っていないが…
「亜哉子で1週間」と、NHKが鈴木京香さんに忖度したのか知らないが。流石に、亜哉子が、10分間、家族のことを考えたことがトラウマになっていると言うのは、お涙頂戴で締め括るには、決して間違っていないと思うが。
コロナ禍の医療従事者で考えてみよう。自分はコロナ治療の最前線で働くベテラン看護師。責任感もあるし、勇気もあるし、やる気もある。だったら、「あなたは、仕事を続けますか? 辞めますか?」って。
でも、現実(これは、私の妻が働く病院が、最もコロナ患者をたくさん受け入れていた昨年夏から1月頃に、妻から聞いた事実)は、我が子にコロナをうつさないために、病院の駐車場に駐車した自家用車(軽自動車)6台で、1台1人の看護師が車中泊をし、毎晩、外を歩くひとが少なくなった深夜に、代表者1人が6人分の夜食を買って生活したそうだ。
また、その約4か月間で、我が子が「母親がコロナ病棟で働いている」と保育園や幼稚園で誹謗中傷され、4人の中堅バリバリの看護師が辞めて行った。どっちの看護師がどうだとか言う問題ではない。やはり、人は大切な人、特に離れている家族を心配するのも守ることも、責められることでも、責任を感じることでもないと思う。
「続けられる人は続ければいい」し、「続けられない人は次の道に進むしかない」のだから。因みに後日談として書くと、この春から「家族にコロナを映したくない人」は病院の費用負担で近くのホテル住まい、辞めて行った人たちは、コロナと関係のない診療科の病院に再就職した人が殆どだそうだ。
流石に亜哉子が"働き過ぎ"では?
話が逸れたので、亜哉子に戻す。で、結局、お涙頂戴的なエンディングで締め括ってはいるが。良く見ると、「土曜日版」でも、途中でお涙頂戴的なエピソードであることを忘れて、牡蠣の手伝いをする話をしている。確かに、永浦水産を続けていきたいと言う思いがあると言う意味なのだろうが。流石に亜哉子が働き過ぎでは?
家事全般に、祖父の牡蠣棚の手伝い、更に塾… って、いくら元気でも過労死しそうなくらいに忙しく描かれた。だから、「お涙頂戴」ではなく「お涙頂戴的」と書いたのだ。足し算ばかりで、引き算をしないから、まとまる話もまとまったように見えないのだ。
耕治は、どこまで妻にやらせて塾をやらせるつもりなのか?
それと、解釈に迷ったのが、耕治(内野聖陽)が亜哉子に「島の子どもたぢ集めて 塾でもやってみだら どうだ?」と言っていたくだりだ。あかり(伊藤 蒼)に勉強を教えている妻の笑顔を見て出した、妻を元気づけるアイデアのつもりで描いているのだろうが。
家事全般は続けて、牡蠣棚の手伝いもやって、やりたいと言っていた民宿復活は諦めさせて、塾をやれってこと!? これ、私の妻に言ったら、「これ以上やれって、パワハラじゃないの?」って言われそうなレベルでは?
せめて、百音が「家事は私が手伝うし」、未知が「牡蠣のことは私も手伝う」、耕治は「俺が手伝えることは何でもやるから」みたいなのが、最後にあれば、だいぶ印象が違ったのに…
あとがき
面白い、感動的、記憶に残る朝ドラだと思っている人は、どうぞ、そのままお楽しみ下さい。そして、この後に書くことで不愉快になると思うので、読まない方が良いですし、反論されても、私は私の考えなので、お答えしかねます。
でも、私は、被災した方々の苦悩や葛藤を、真摯に捉え、向き合い、震災と描いているドラマに感じないのです。震災と言う強烈で強大な影響力を持った事柄を扱って、「今でも、傷つき苦しんでいる人がたくさんいる」と言う部分だけを強調するのは、間違っているように思います。
震災を扱い、被災者を描くなら、苦しんでいる人や泣いている被災者だけでなく、笑顔で踏ん張って明るく生きている被災者も同時に描いて欲しかったです。それが、毎朝、元気な気持ちにさせてくれる朝ドラが「震災と被災者を描くこと」だと、<私>は思います。『NHKスペシャル』やドキュメンタリー番組ではないのですから。
お願い…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第21週『胸に秘めた思い』
101 102 103 104 105
第22週『嵐の気仙沼』
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