連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第103回・2021/10/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第103回/第21週『胸に秘めた思い』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
龍己(藤竜也)が壊れたカキ棚を元に戻さず、永浦水産をたたもうとしていることが解(わか)った。亜哉子(鈴木京香)と未知(蒔田彩珠)は、どうにか続けることが出来ないのか説得する。それを廊下で聞いていた耕治(内野聖陽)は話に入って行けず…ただ話を聞くことしか出来なかった。未知が将来について悩んでいることを知っている百音(清原果耶)は「思っていることを全部言ってほしい」と自分の部屋に戻った未知に言うが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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今回は、ニュートラルな気持ちで15分間を一気見した
今朝は、かなり早くから起きて、あれこれやっていたために、『おかえりモネ』が始まった頃には、少し睡魔が襲って来たから、「これは丁度いい」と思い、って、まずは、いつもとは違って、ニュートラルな気持ちで15分間を一気に通して見ることにした。
アバンタイトルを見て、ハッキリ&くっきりと目が覚めた
しかし、そんな心配は必要なかった。今回のアバンタイトルを見て、ハッキリ&くっきりと目が覚めた。因みに、アバンタイトルは下記のように前回の終盤の未知(蒔田彩珠)を切り貼りした上で、最後に百音(清原果耶)の台詞を付け加えた形になっていた。
未知「私は… 何をしてきたんだろう。
私は 何がしたかったんだろう」
百音「みーちゃん。東京 行ってみたいんじゃない?」
本作推しの人は、未だに「本作の “行間” を読まないから、分からないことばかりだと言う」とコメント投稿して来る。当然、全部、無視しているが。私に言わせれば、その “行間” こそ、“都合良き脳内補完” なのに…
この流れで「みーちゃん。東京 行ってみたいんじゃない?」は、ストーリーの中で “完全に孤立した台詞” と言わざるを得ない。
まあ、前回でも再利用した「きれいごと」と同じ要領で、演出が力を入れて書いたであろう部分を、演出家と編集担当が選んだに違いない。いや、脚本家が力を入れようが、気に入ろうが、ドラマが面白いなら、それでいい。辻褄がそれなりに合っていれば、それでもいい。
しかし、この流れで「みーちゃん。東京 行ってみたいんじゃない?」は、連ドラとして違和感しかない。辻褄とか、整合性とか言う以前の違和感と、ストーリーの中で “完全に孤立した台詞” と言わざるを得ない。
前回を完全に無視した、上から目線の百音の台詞に愕然!
その理由なんて、どうでも良いのだが。そもそも、前述に引用した「3行の台詞」は、繋がってはいない。前回の録画を見れば一目瞭然だが、最初の未知の「私は… 何をしてきたんだろう」の前には、未知の亮(永瀬廉)へのやるせない気持ちが語られており、その上で「私は 何がしたかったんだろう」と言っている。
その後、百音の東京での下宿先の大家・菜津(マイコ) を気遣う台詞や、海の抽象画の話があり。更に、前回では未知が、東京国際海洋大学教授の金子伸介(遠山俊也)に東京の大学での研究にスカウトされるがいきたくない的なくだりを経ている。そう、未知は脇役とは思えぬ程に、悩みを抱えていることが描かれたのが前回だった。
それを、強引に切って摘まんで、百音の「東京に行けば?」って? 流石に、前回を、いや、これまでを完全に無視した、上から目線の百音の台詞に愕然とした。ここまで愕然としたのは、朝ドラでは超久し振りだ。
脚本家が書いているうちに、入れ込んでしった脇役が未知だと思う
そもそも、私は、主人公の妹と言うだけで、未知にあれこれ背負わせ過ぎだと評価してる。
しかし、この手の脇役の方が主人公より、あれこれ背負ったり、注目されたりした脇役は意外に多い。例えば、『なつぞら』の主人公の実の妹・千遥(清原果耶)とか、『スカーレット』で主人公の焼き物工房に弟子入りして来た三津(黒島結菜)とか、『おちょやん』で主人公が「おかあちゃん」と呼べとまで言わせた寛治(前田旺志郎)とか。
到底、ドラマが始まった1,2か月では、目立つ脇役に見えない脇役が、終盤に向けて、主人公より存在感の強い脇役へ、大変身することは、朝ドラでは良くあること。きっと、いずれの脚本家も脚本を書いているうちに、主人公より、その脇役を気に入ってしまい、その脇役が主人公を動かすようなストーリーに、気付かずになっているのだと思う。
益々、百音が"世間知らずのお姫様"であることを強調した…
だからと言って、前回を見ていれば、百音が苦悩&葛藤し過ぎ中に、まるで「東京へ行って気分転換でもしてきたら?」的な、お花畑な気分で妹にアドバイスしてしまうと、益々、(言いたくはないが)世間知らずのお姫様であることを、平すら強調していることにも、気付かないのだ。
いや、むしろ、脚本家が気付いて書いた台詞だったら… これ以上は止めておく。
今回を見て、最も強く感じたのは、下記の3つ!
今回を見て、最も強く感じたのは、下記の3つだ。1つ目は、明確に龍己(藤竜也)を使って、いよいよエピローグに入って行ったこと。そ2つ目は、龍己以外の家族は全員、家業の「牡蠣の養殖は継ぎたくない」ってことがわかったこと。3つ目は、上記の2つを一手に引き受けたために、龍己がキャラ変をして、急に物わかりに良過ぎる脇役になったこと。
だから何だと言うわけではないのだが、今まで聞いたことのなかったような民宿の里親の件とか持ち出して、わざわざ「エピローグの始まりぃ!」と大声を張り上げる程の内容だったかは、各自の判断で…
私は、龍己が牡蠣の仕事を手放して、家族を開放するような話を期待していたのだが…
私は、本当は、龍己(藤竜也)が今回の4分頃に言っていた「この永浦水産は俺の代で終わっていいど思ってんだよ」と言う、“龍己の残りの生き様” をどう生きるか?で、未知や亜哉子や耕治(内野聖陽)が、好きなことをやることが出来るようになる… と言う展開になるのを、密かに期待していた。
妻を亡くし、残された自分(龍己)と牡蠣の仕事を、龍己自身が手放すことで、家族それぞれが自分のやりたいことへ進むことが出来ると言う、ある意味での “自己犠牲” を描くことで、前に進める人が出来ると言うストーリーだ。
「最後の3週半」で、本気で巻き返して欲しかったのだ
なぜ、こんなストーリーを期待したのかと言うと、これまでの本作のストーリーが好きでなかったから。※好みの問題は、誰にもあると思う。
例えば、「亀島で実際に津波を見たの、見なかったの」のような、言っている意味は分かるが、津波をどこで見ようが、目の前で津波が来た中で知り合いが生き延びた喜びとか感動が描かれなかったこと。また、「天気は未来がわかる」から「天気予報はハズレるもの」へドラマの根幹を簡単にひっくり返したこと。
百音が気象予報士の試験を受けてから、東京に行き、好き勝手恋バナを描いて、今度は故郷で人助けみたいなポエムしか描いて来なかったこと。こう言うのが好きでなかった。
「龍己自身の人生の後片付け」で、永浦家の未来を描いて欲しかった…
だから。いや、だったら、残りの3週間半で、今風に言うなら、「龍己の終活」、私なら「龍己自身の人生の後片付け」で、永浦家の未来を描いて欲しかった。
しかし、残念ながら、今週のサブタイトル『胸に秘めた思い』とは、“龍己がやり残した” 永浦水産への秘めた思いと、亜哉子(鈴木京香)と元生徒の中学生のあかり(伊藤 蒼)の間の秘めた思いの話のようだ。いや、あくまでも、あかりが亜哉子の元生徒と言うのは、私の想像の域だが。
普通に「脚本家的な脳」で考えれば、百音の気象予報士と恋バナは、残り2日間はお休みのはず、だとすると。百音を含めてストーリー全体を一度、全部永浦家に持って来るしかない。
だって、今週のキーマンは龍己だから。そして、何よりも、亜哉子が「元教師」と言う設定だけが、これまで、ほぼ使われて来なかった設定だから、あかりを利用して最終月へお披露目するのではないかと思うのだ。
なぜ、そこまで確信が持てるのかって? だって、今回の最後、「けあらし」をラジオで放送しようってくだりで終わったから、次回の最初の舞台は、ラジオブースしかないし、ラジオブースと百音がいれば、あかねがいないはずはないってこと。でも、百音とあかりの “強い共通点” は無いから “亜哉子絡み” ってだけ。
まあ、百音の天気予報よりは、当たると思うが(苦笑)
あとがき
あの~、良く分からないことがあります。今の百音って、市から何らかの支払いが出ているのか分かりませんが、間違いないのは、ウェザーエキスパーツ社から基本給を貰って、まずは自分の故郷・気仙沼で「あなたも町の気象予報士」的な仕事を必死にやって、何らかの成果を上げる必要はないのでしょうか?
どうやら、前回の「個人情報の搾取」を上手く丸めて “成果” としてしまうでしょうが。それで、良いのかなって。
更に、今回なんて、ただの主人公の家族の話。それだけでも、百音が仕事として故郷に帰って来たことから物語が逸脱しているのに、肝心の家族の話には、ほぼ部外者。そりゃそうだ。だって、前回で未知が言っていたように、主人公は仕事も恋愛も上手く行っていることにしてしまったのだから。
せめて、百音の「あなたも町の気象予報士」的な仕事が、思ったように順調に行かなければ、部外者にはならずに済んだのに…
お願い…
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/16034/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第21週『胸に秘めた思い』
101 102
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