連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第101回・2021/10/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第101回/第21週『胸に秘めた思い』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
2019年11月、水産関係の交流会で未知(蒔田彩珠)が、大勢の前で研究発表をしていた。そんな姿を、百音(清原果耶)は誇らしく見つめる。交流会後、大学教授の金子(遠山俊也)から百音は、未知に大学で一緒に研究をしないかと誘っていることを聞く。同じころ、永浦家では龍己(藤竜也)と耕治(内野聖陽)が、今後のかき養殖について話していた。そんなある日、百音の前に、一人の中学生の女の子(伊東蒼)が現れて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15,20週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
田中諭(過去作/いいね!光源氏くん) 第21週
舩田遼介(過去作/NHK FMシアター「空振りホームラン」) 第21週
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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この場に及んで、本作初担当の演出家の「2人体制」か…
細かいところをツッコむ前に。
まず、演出家が、最終月になって、本作初担当の「2人体制」へ。そこで経歴を見ると、中堅と新人のコンビようだ。この時点で本編が “練習台” になるのだから。それに、上記の私の調べた演出家リストだと、未担当の演出家が1人いる。だから、もう、本作に連続性を求めるのは、野暮であり、無駄なことなのだと、改めて思った。
なぜ、こんなにも、ナレーションを含めて、あからさまに「今日から"結末"が始まります」と言わんばかりな展開になるのか!?
そして、今回の感想では、全体の感想を先に書いてしまおう。
もう、11月1日(月)には次期作が始まり、番宣も相当に始まっている。今夜の『うたコン』では、先日の投稿『「さよならモネ?」 9/28(火)の「うたコン」で次期朝ドラ「カムカムエヴリバディ」主題歌をAI本人がテレビ初披露&次期『朝ドラ』ヒロイン上白石萌音が井上芳雄とデュエット』が、放送される。
http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-12769.html従って、視聴者全員が、この月曜日を見ながら「強引に、話をまとめに入って来たなぁ」と察したはず。
なぜ、こんなにも、ナレーションを含めて、まるで「今日から話をまとめます」と言わんばかりな展開になるのか。それは、大風呂敷を広げ過ぎた脇役たちのエピソードの “結末” を、何が何でも描きたい… と言う意味だと思う。個人的には、主人公の “結末” だけ分かれば良いのだが。
「脇役たちの話」より「主人公の話」の"結末"だけ、きちんと描いて欲しい
本作を楽しんで見ている方には申し訳ないが。
本作は、「主人公の話」よりも「脇役の話」が多い。更に、「主人公の話」は、とにかく震災後の描写が曖昧過ぎたし、気象予報士になると決めてから(一応)東京で活躍している期間の話も印象に残らず、印象に残っているのは “コインランドリーと恋バナ” くらい。
その分、脇役たちには、それなりの個性が与えられて、時々、主人公そっちのけで話が進むから、余計に「主人公の話」が印象に残らないとは言え、「脇役の話の “結末”」を描かれても、気になっている人以外はどうでも良いのでは?
だって、基本的に「脇役の話」だって、切り刻まれて時々登場するだけだから、きっと取って付けたような “結末” しか描けないのは、既に学習済みだから…
何気ない「語り」を利用して、主人公を持ち上げるのは、卑怯だと思う
さて、お待ちかねの? ツッコミをやろうと思う。いや、正確にはツッコミではなくて、表現が間違っているのではないかと言う指摘だ。アバンタイトルの冒頭で、「語り」が次のように言っていた。
N「気仙沼で ラジオの天気予報を 担当することになった百音」
確かに、アバンタイトルを先週のダイジェスト版の一部だと考えれば「担当することになった」のだが、これは、歴史年表的な表現であって、本作で描かれたことを “虚構の中の真実” とするならば、「担当させてもらえることになった」では?
更に、捻くれ者が捻くれた解釈をすれば、「担当することになった」と言うのは、「依頼された」とも受け取れる。中継キャスターの時にも似たような表現があったが、「依頼された、お願いされた」のと、「お願いした」の印象は、だいぶ違うわけで。こう言う何気ない「語り」を利用して、主人公を持ち上げるのは、卑怯だと思う。
名刺交換のシーンの不自然さと、勿体なさ
主題歌明け、2019年11月に未知(蒔田彩珠)が、水産関係の交流会で研究発表をしていた。そして、放送ブースにいる百音(清原果耶)に「テレビで見ていた」と名刺交換しにやってきた。
普通、自分とは縁遠い大学教授でも、妹がお世話になる、またはお世話になっている可能性のある教授から、名刺を受け取る。少なくとも、4.5年は東京で社会人をやっていたのだから、「すみません。今、名刺を切らしてしまって…」とか、「まだ、名刺が出来ていないもので…」くらいの謝罪はしても良いのでは?
その上で、未知のことをお願いするのが、社会人のマナーでは? こう言う社会マナー的な描写は、「お仕事ドラマ」以外では普通は殆ど気にならないのだが。
いや、逆に、「手作りの名刺なんですけど…」と言って、「あなたの町の気象予報士・永浦百音」と自作した名刺を指し出したら、少しは、百音が東京から気仙沼に戻って来た “やる気” を感じるし、「もしかして、この名刺で営業活動しているのかな?」って、良い方に想像できたのに。
耕治の客が「何で?」と気になるのは、当然だと思う
8分頃の夕食のシーンで、耕治(内野聖陽)がお客さんに「何で(東京から)帰ってきたんですか? 東京で何かあったんですか?」と、しつこく聞かれて困ったシーンがあった。ここで、2つの疑問。
これは以前から感じていたこと。一応、本作ではコミュニティFM「はまらじお気仙沼」の番組は、多くの人たちは聞いていることとして描かれている。だったら、そんなに百音の個人情報に興味のある客なら、むしろ、「娘さん、はならじおに出るために戻って来てくれたの?」と、優しい言葉をかけた方が良かったのでは? ってこと。なんか、如何にも、百音と菅波(坂口健太郎)の結婚話へ話を進めようと強引過ぎるように感じてしまった。
逆に、しつこく聞いた客の気持ちも良く分かる。だって、もう101回も毎日見ている私だって、東京に行った動機もまだ不透明なままだし、故郷に帰って来た本心も気合も、まだまだ見えていない。
更に困るのは、東京編では、菅波との関係や未来にも、将来のやりたい仕事についても、悩んだりした感じがなく、ただただ、箇条書きのエピソードが物語を前進させているだけで、先の名刺交換の件を含めて、百音の心も、社会人としても、気象予報士としても、成長と言うものが描かれていないから、「何で?」ってなるのは当然だと思う。
百音に、本当に"地元愛"があるように描けないのか?
終盤、12分頃に赤いマフラーを巻いた中学生らしき女の子・石井あかり(伊藤 蒼)が登場した。真っ昼間なのに深夜放送みたいな百音の天気予報も気になるが。
百音が、あかりに「中学ですかねえ」と、あかりに聞いていた。どうなの? 東京くらいの大都市なら別だが、今調べたら、気仙沼市の中学校は、全部で11校(ネタ元)。因みに、高校は全部で4校(ネタ元)。その内、1校が未知が通っていた設定の宮城県気仙沼向洋高等学校だから、まだ24,25歳なら、どこの中学校に通っているのか分からないのだろうか?
例えば、百音が全く制服に興味がないとしても、百音が見たことのない新しい制服だったとしても、逆に「どこの学校の制服かな? お姉ちゃん、見たこと無いから」みたいに、百音が、あかりに近づいて行く方が好感度があがったような。それに、百音が昼間に学校以外に中学生がいることへの不信感として成長も描けたのに。
結局、全部こんな感じ。地元の制服にも興味関心は無い(まあ、これは趣味や好みもあるが)し、実家の牡蠣の養殖にも、実家自体にも、海全体のことにも興味があるように見えない。
確かに、コロナ禍でスタジオ撮影をどんどん進めて、撮り終える必要があったのかも知れないが。最近の百音って、空も海も見ないで、ただ、天気図みながら、深夜放送みたいなラジオパーソナリティーをやっているだけ。どう好意的に見ても「地元に興味や関心が無い」ように見えてしまう。なのに、「故郷のために!」「津々浦々!」って、全く繋がっていない。
あとがき
未知が「試験場で 公務員やりながら研究している方が 安定しているし」と、百音に言っていましたよね。その百音も、ウェザーエキスパーツ社から基本給を貰って、好きなことをやっているんですよね。そして、その姉妹は、母親にご飯を作らせて…。なんか、こう言う朝ドラが見たかったのではないのだけれど…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
96 97 98 99 100 土
第20週『気象予報士に何ができる?』
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