連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全24週〕 (第19週/土曜日版・2021/9/25) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第19週『島へ』の
『土曜日版』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
大型台風が去った直後、気仙沼の百音(清原果耶)の実家近くで竜巻が発生する。家族は無事だったが、龍己(藤 竜也)のカキ棚が大きな被害を受ける。ちょうど東京に来ていた菅波(坂口健太郎)は、結婚について百音と話そうとしていたが、百音は急ぎ故郷に向かう。そして、久しぶりに家族や幼なじみと再会する。一方、菅波はかつて新人時代に診察を担当した元ホルン奏者・宮田(石井正則)と偶然出会う。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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「土曜日版」だけは、あざとい視聴者誘導は止めた方が良い
感想で書きたいことは、ほぼ本編「週5放送」で書いているから、特に「土曜日版」に限って、感想を書いてみる。まず、冒頭でサンドイッチマンさんが「モネちゃんと菅波先生が大きな決断をすると!」と言っていたが、なぜ、主人公である百音(清原果耶)と、脇役の菅波(坂口健太郎)が同等に扱われているのだろう?
確かに、プロポーズを含めた恋バナを強調しているから、このような表現になるのだろうが。やはり、プロポーズにしても、好きな菅沼と遠距離恋愛になるのも、それと、あまり深掘りしたくない自分勝手な仕事のやり方含めて、あくまで「主人公・百音が大きな決断をする(した)わけで。
せめて、本当に必要な部分のダイジェスト版である「土曜日版」に於いても、あざとい視聴者誘導は止めた方が良いと思う。
曖昧な部分を明瞭にするのが「土曜日版」を見る価値なのに
さて、「土曜日版」を見て、改めて考えたのは、“主人公の大きな決断” とは何なのか?
●プロポーズされたこと? 自分のやりたい仕事のこと?
●突風被害が心配で突然帰省したこと?
●妹の未知(蒔田彩珠)に地元に帰ると宣言したこと?
●それとも、それら全部?
こう言う曖昧な部分を明瞭にしてくれるのが「土曜日版」であると期待している私には、今回の「土曜日版」には落胆しかなかった。
百音が橋を渡る時に乗っていた「五十番タクシー」の話
まだ、少し愚痴を書くつもりだから、その前にちょっといい話を。
百音が亀島大橋をタクシーに乗って帰るシーンがある。実は、あのタクシーは、気仙沼市に本社を置く「有限会社五十番タクシー」と言う会社のクルマ。本社と多くのタクシーが震災の津波で流され、今も気仙沼で経営をしている。
そして、タクシーには各車に番号が付けられており、「1番」は津波で流された。そして、その「1番」は永久欠番となり、今は「2番」から車両番号が付けられていて、撮影で使用された「百音を乗せたタクシー」は「2番」だったそうだ。震災から立ち直る朝ドラとしては、大きく取り上げられていないが、ドラマに相応しい演出的な拘りだと思う。
「島を出たい」、「逃げた」と言った場所に幾度も帰省する心理が、良く分からない
細かいことは言いたくないが、9分頃、百音は未知に「私は 逃げたから」とハッキリ言っている。この台詞、無かった方があとあと良かったと思う。
なぜなら、まず「島から出たい」と言って、島から “逃げた” 場所は、龍己(藤竜也)が仲介した森林組合。そして、森林組合で働いている時も、“逃げた” 亀島に幾度も帰省して、幼馴染と楽しんだ。そして、肝心な気象予報士になる理由も曖昧なまま資格を取得して、朝岡(西島秀俊)と言うコネを使って入社。
更に今度は突風の被害に遭って大変だろうと想像する実家に、菅波の後押しで帰省。帰省して、未知に「今度は本気で、会社に寄生しながら帰省する」みたいなことを言った。そして、朝岡も「ようやく帰れますね」と言っていた。
これ、おかしくない? だって、百音本人は自己否定を含めて “逃げた” と言っている割に、何度も帰省している。そして、今週末では、遂に東京の会社に寄生しながら、故郷へ帰省することになった。まあ、そもそも、何から “逃げた” のか曖昧。震災の日の未知の一言が原因なのか、そこを更に自ら考えて、「亀島には居られない」と判断したのか?
「土曜日版」で、主人公が思うがままにしたいために、周りの人を利用して、点々と居場所を変えているだけなのがハッキリした
いずれにしても、「残り5週間」しかないのに、曖昧なことばかりが描かれるから、もはや “逃げた” ようにも “帰省” したようにも見えず。
まず、主人公は、自分よりも苦悩や葛藤をしているように描かれている脇役より、“何かに悩んでいる” ように表面的に描かれるだけ。さらに、主人公が思うがままに移動、行動したいために、役立ちそうな人を利用して、点々と居場所を変えているだけに見える。今回の「土曜日版」を見て、そのことがハッキリとした。
「全120回」のうち、「95回」が上記のように描かれているのだから、「残り25回」が激変するはずはないと思うが、一応、期待は残しておくか…
あとがき
自分勝手なお嬢様に、周囲の人たちが振り回されては利用されているようにしか見えなくなってきました。
やはり、トラウマをハッキリと描くべきだったのでしょうね。それと、気象予報士になる理由も。そこが不明瞭のまま、主人公が行きたい所に行って、やりたいことをやっているだけでは、流石に主人公を応援する要素が無いです。だって、みんな劇中で自動的に叶ってしまうのですから。
震災だけでなく、過去に何らかの傷を負った人が立ち直って行く物語ではなかっようですね。それが、今週に見えてしまったのが残念でなりません。
それと、いつだったか、「最終的な百音の仕事って、気仙沼のコミュニティFMでお天気お姉さんをやるくらいしか仕事が無いのでは?」と、書いた記憶がありますが、来週で叶ってしまうんですね。何でも、主人公が望めば叶っちゃう。ヒロインを応援できない(応援しなくても大丈夫な)朝ドラは、久し振りだと思います。
でも、これだけ「何でも、主人公が望めば叶っちゃう」ならば、残りの5週間で「気仙沼を見守る女神」くらいにまでなるのを期待しましょうか?
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93 94 95
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