連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第94回・2021/9/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第94回/第19週『島へ』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
百音(清原果耶)は、未知(蒔田彩珠)に気仙沼に戻りたい気持ちを伝える。百音が汐見湯に戻ると、菅波(坂口健太郎)が待っていた。菅波は百音に、元ホルン奏者で、かつて自分が診察していた宮田(石井正則)を紹介する。宮田は、現在ボイラー整備士として働いており、汐見湯に仕事で来ていたところに、偶然、菅波と再会したのだ。菅波は、宮田に相談、百音にあるサプライズを用意していた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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今回の感想は、いつもより率直に書く!
昨日は “ちょっと鬱な気持ち” で、読者の皆さんにご心配をおかけしてしまった(謝) しかし、今回は本作の直前に大島の自然を舞台にしたテレビ東京系・水ドラ25『東京放置食堂』を見た直後。天気や自然を扱うドラマなのに、殆どロケシーンのない本作とは真逆の素敵なドラマを見た後だから、今回の感想は、いつもより率直に書く。
前半の百音から未知への一方的なやり取りが不快だった
まず、前半の百音(清原果耶)から未知(蒔田彩珠)への一方的なやり取りが不快だった。ここ最近で最も不快だったかも知れない。百音が自分の言いたいことを矢継ぎ早に言いまくって、それも相当な上から目線で、妹の未知をまるで “袋のネズミ” にするような態度を取ったのは、本当に不愉快だった。
更に、百音は、未知が「姉が島に戻ること」を反対したら止めると言っているが、ここまで有無を言わさぬような口調で、妹の逃げ道を無くすような態度は、流石に “未知の判断なんて聞く耳を持っていない” と描いているのと、一緒。脅迫、脅しと言っても過言でない。
最後にゴリ押しして、未知の逃げ道を無くす姉に不快感も
更に意味不明なのが、この会話の最後に出て来る、次の百音の台詞だ。
百音「もう一度 やり直させて欲しい」
もはや、意味不明を通り越している。「いいよ」と言わせるために、最後にゴリ押しって。好意的に考えて、震災で一度崩壊した「姉妹関係」を修復もしたいと、百音が考えているとしても、ここまで高圧的に逃げ道を無くして「いいよ」と言わせようとする展開も不快だ。
なぜ、脚本家は百音に未知を追い詰めるようなことをさせたのか?
そして、脚本家の意図が分からないのは、わざわざ未知を追い詰めるような言動を百音にさせたのか? だ。だって、「島を出たいと言った長女が、東京から島に帰って来る」と言う永浦家にとって大切で大事で緊急事態な案件を、「大慌てでの帰省の機会」で未知に言うのは明らかに不自然だからだ。
もっと、ちゃんとした機会を設けて話せば、少しは不快感は除去できたかもしれないのに。でも、あの深夜パーティーの翌日の朝、それも未知の出勤前の時間を狙った。そう書いた理由をどう考えれば良いのだろうか?
竜巻で被害が出た実家が心配で、急いで実家に帰ると、家族と島の人たちがドンチャン騒ぎ。百音は途轍もない孤独感を味わって、帰りたいと思った?
いや、好意的に解釈をしなくても、そんな思いで百音が言ったのではないことは、十分承知している。しかし、前回があって、今回もアバンタイトル無しで、このようなやり取りを見せられたら、不快に見えてしまうと、気付かなかったのだろうか?
百音と未知のやり取りは、論理的に破綻している上に、過去に描いたことを無視している
その上、プロの脚本家に対して失礼だが、この百音と未知のやり取りは、論理的に破綻している。その上に、これまで本作が描いて来たことを完全に無視して、エピソードを構築している。その最たる例が、次の百音の台詞だ。
百音「今回みたいな 狭い範囲で起こる 突然の災害を減らしたい」
だって、先日の放送回で「竜巻は、今の天気予報では予測不可能」と朝岡(西島秀俊)が、キッパリと百音に言ったのに。いや、正確には百音が朝岡に「予測不能」と言わせたのに、それを全否定? 全く意味が分からない。
これが、蓄音器、白熱電球、活動写真などを発明したエジソンや、世界初の実用的電話を発明したベルのような、「瞬間竜巻発生予報機」を世界初に発明する主人公の朝ドラに方向転換するなら、まだ分かるが…
民間資格だが、百音は「防災士」になった方が良かったかも
そもそも、気象のプロである朝岡が「竜巻は予想不能」と言った時点で、そもそも百音が言った「狭い範囲で起こる突然の災害を減らす」ことは、劇中(2019年)の気象システムを使っても不可能なのだ。要するに、竜巻に関しては気象予報士は関われないってこと。だから、百音が発明家を目指す物語へ、残り約1か月で軌道修正するだろうか?
だって現実的には、「あの地域で竜巻が起こりそう」と言う程度なら、今(2021年、実際は2020年位から存在する)ならスマホのアプリで予測できる。そう。劇中の2年後には、百音が亀島にいなくても、スマホとアプリがあれば、ある程度の竜巻や突風は予測できるようになる。いや、そのアプリを、朝岡たちウェザーエキスパーツ社が開発してしまうかもしれないのだ。
まあ、現実をフィクションに持ち込んでも、大した意味はないから、話を戻す。要は、竜巻に関しては、気象予報士は無関係、終了していると言うことだ。これが、主人公が国家資格でなく民間資格だが「防災士」なら、「狭い範囲で起こる突然の災害を減らす」ことは可能だと思うが。
今週の失敗の原因は、予測不能の竜巻を利用したこと
とにかく、竜巻を使ったのが、最大の失敗だったのだろう。これが、台風で、予想が大きく外れて、亀島、実家に大きな被害が出て、それで、自分の目と耳で波と風を聞いて感じて、「今回みたいな 狭い範囲で起こる突然の災害を減らしたい」としなければ。
それに、今回、永浦家に被害をもたらしたのが、竜巻なのか突風なのかも判断できない気象予報士としても未熟、社会人としても、2,3年目の百音が、地元の戻ってやる気象の仕事なんてあるのだろうか?
もっと、百音の"郷愁"や"望郷"の思いが描かれていれば、「戻りたい」気持ちも自然に伝わったと思う
やはり、百音が上京してから、話が雑になっているのだ。いつだかの「初盆」や「年末年始」のように、所謂「島の行事」の度に “島の人たち” は集まり、騒ぎ、宴会をやって、人と人との繋がりや、先祖様との繋がりを大切にしていると言うことを、もっともっと描くべきだった。
別に、そこに百音が参加している必要はない。例えば、窓にぶら下がった風鈴の音が聴こえたら、島の夏祭りの音とが重なって、“島の人たち” が賑やかで楽しそうなシーンを繋げるだけで、百音の “郷愁” とか “望郷” の思いが描かれたはず。
それを、1年中やり続ければ、例え、竜巻には無力の気象予報士の百音に、「故郷に戻りたい」と言う気持ちが自然とわいて来る… と、視聴者も自然に受け入れられたと思う。
あとがき
菅波と元ホルン奏者・宮田(石井正則)のくだり、前回と今回でもやっていましたが。これ、百音が不在時の話の上に、百音は直接関係ありませんよね。それを週の終わりの金曜日に “ワケあり風” に終わらせるって、何をやりたいのでしょう?
もちろん、世間に溢れる「菅波推し」の提灯記事が証明するように、菅波の出番を作っているのでしょうが。そもそもの、主人公の一大決心ですら、この程度にしか描けていない時点で必要なんでしょうか…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92 93
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