連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第93回・2021/9/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第93回/第19週『島へ』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
帰ってきた百音(清原果耶)に気づいた未知(蒔田彩珠)。皆に笑顔で迎え入れられ、百音はようやく作業の輪に混じる。翌日、百音は海の様子を見に行き、カキ棚の被害を目の当たりにする。心配する百音をよそに、龍己(藤竜也)は「しぶといんだ」と笑う。そんな龍己の姿、そして、明るく笑い合う家族や友人の顔を見た百音は、ある決意を固め、未知にそれを伝えるが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16,19週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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姉の誕生の日の話に、未知が何度も大きく頷くのは不自然
何か、私の感覚が変なのだろう。前回の感想で今回の未知(蒔田彩珠)であると書いた。で、まあ、百音(清原果耶)が夜中の12時を過ぎて、24歳の誕生日になった。そこへ父・耕治(内野聖陽)が大声であれこれ言っていた。
耕治「あん時 あんだけ苦労して海を渡って生まれて子が…」
…みたいなことを、だらだらと、夜中に騒いでいること自体どうかと思うが。私が気になったのは、演出で上記の父の台詞を言っている時に、未知が「うん、うん、そうだったね」みたいに、大きく何度も頷いていたこと。
未知って百音の2歳下の妹だ。だから、姉が生まれてことを知らない。何て言うのかな? 演出(演技指導)が雑なのだ。妹が姉の誕生日を祝うのも、娘の誕生日を喜ぶ父を見て嬉しいのも間違っていない。でも、上の台詞の時に頷くのは、おかしくないかって。
なんでも、「賑やかに!」と、ざっくり演出するから、違和感が生じる。それに、大騒ぎする位の状況であることを、菅波(坂口健太郎)にSNSで良いから、伝えるべきでは? あれだけ、どうでも良いことと真夜中に連絡を取り合っているのだから。こう言う分もチグハグだし、百音の菅波の気持ちが更に分からなくなる原因だ。
ドラマの初期設定と、竜巻後の深夜のドンチャン騒ぎは合理性に乏し過ぎる
それと、良く分からないのは、なぜ、わざわざアバンタイトルで、竜巻の被害に遭った永浦家の片付けと、残った牡蠣の下処理の手伝いをしている “島の人たち” が夜の12時まで騒いで、笑顔なのかってこと。まあ、全員が竜巻とその被害を見て、“震災” を思い出して、メソメソいるべきとは思わないが。
でも、騒いで、笑顔でいられる “島の人たち” がいるなら、震災の時も、竜巻を含めて3度あった台風の時も、結構、気楽にいられたのかも? と思ってしまった。こう言う “島の人たち” を描いてしまうと、ドラマの根底から崩れるような気がする。
だって、百音は人の役に立ちたいんでしょ? 気象予報士になって故郷の人を助けたいんでしょ? それが、『おかえりモネ』と言うドラマの初期設定。
だったら、“島の人たち” は無事に被害が無かったら「良かったね」と感慨深いくらいの演技で押さえておいた方が良かったと思う。でも、以前に亮(永瀬廉)を新宿に迎えに行く時も、菅波とのデートを忘れていたような記憶が… その程度の関係ってことで良いのだろうか?
竜巻の被害を被ったのは永浦家だけだから、他の人たちは深夜12時過ぎでも、あんなに元気なの?
「百音の誕生日パーティー」は何とか百音の不思議な態度で回避された。ここで、さっさと永浦家以外のお手伝いさんは、娘が帰って来たのだから、思いやって帰ったら良いのに、余程、娯楽に飢えているのか、今度は永浦家で何のためだか不明瞭な「竜巻パーティー」状態に。
しかも、百音が帰って来た時の状況から、パーティー仕様にセットが変わってしまってから、それなりに時間経過した上でのパーティーってことになる。え~と、この お手伝い薬や幼馴染たちは、夜の10時ごろから手伝ってるの? 普通に考えれば、朝か、昼間。ある読者さんのコメント返信にも書いたが。
そもそも、前回で百音が永浦家に電話をした時間がわかり難い。簡潔に言うと、永浦家のシーンは午後3時くらいの照明で、電話をかけているお百音は、本番終了後の午後9時頃。
でも、まあ、竜巻の被害が永浦家だけでないと仮定すると、それぞれ自分の家の片づけを終えて、永浦家に集合したしても、かなりの時間、永浦家に滞在しているのは恐らく間違いない。なのに、あの元気で、あの笑顔。なんか、百音以上に、拍子抜けしてしまった…
何となくノリで始めた真夜中の断髪式は頂けない…
きっと、脚本家は「断髪式」で、親の家業を継ぐ二人を対比させたかったのだろう。前回の感想やコメント返信にも書いているように、本作は「残り1/4」で、既に最後の1か月間のエピローグの直前。だから、百音と菅波と永浦家以外のことは、今月中にケリをつけたかったに違いない。
でも、夜中にわざわざ「断髪式」をやる意味って? 片付けの手伝いに来たのでは? 世の中、“ノリ” で、あれこれやる人たちがいるのは分かるが。しかし、ここまで無表情の主人公、ここまで取って付けたようなエピソードを、延々と放送する意味って、あるのだろうか?
もちろん、寺の話なのだから、後継ぎの話も、きちんと震災のことを絡めて「三生(前田航基)と震災」の関係を描くべきだった。そこが回想シーンで少しだけ見えたのが救いだが、それでも、真夜中の断髪式は頂けない…
ゲームのように「剃髪」を「散髪」として描かれたのが残念でならない
また、これはあくまでも、個人的な仏教や僧侶への思いだから、全ての読者さんに当て嵌まらないことを前提に書いてみる、そもそも、僧侶が髪の毛を剃る行為を「剃髪」と言う。では、なぜ、僧侶は「剃髪」をするのか?(剃髪をしない宗派もある) 諸説いろいろあるが、分かり易い方から言うと。
僧侶は常に修業をしている。そして、髪の毛があると、どうしても気にしてしまう。それを「雑念」と言う。雑念に意識を削がれ、修業に支障をきたすから「剃髪」をすると言う理由。
更に踏み込んだ考え方は、仏教の修業の最終目的みたいなものは、俗世間の煩悩などから解放されること。放っておくと次々と生えて伸びて来る髪の毛は “煩悩の象徴” であるとして「剃髪」することで、煩悩を打ち消してしていると言う修業の第一歩と言う考え方。
だから、何となく的な曖昧な流れで三生が決心して、ゲームのように「剃髪」を「散髪」として描かれたのが残念でならない。やはり、ここは、きちんと「剃髪」として描いて欲しかった。
剃髪シーンの救いは「亮の真剣な眼差し」と「父がバリカンを手にしたこと」
ただ、このシーンには「2つの救い」がある。1つは、「親の仕事を継承する」と言う意味で似た立場の亮の真剣な眼差し。2つ目は、父がバリカンを手にしたこと。この2つが無かったら… これ以上は、止めておく。
夜から朝への情景カットが、早朝に百音が海辺に立って、海や風邪の様子を観察しているカットだったら良かったのに…
今週の演出家はやるべきことをやらないか、やり過ぎるかのどちらかの傾向が強いことは、今週のここまで見ても分かると思う。でも、まだあった。「やればいいってことじゃない」ってこと。
三生の剃髪が終わって、百音と龍己(藤竜也)の会話の間に、情景カットがあった。まあ、翌日に時間経過したと言う意味の何ともないワンカットだ。でも、ここ、早朝に百音が海辺に立って、海や風邪の様子を観察しているカットだったら、話の流れがスムーズだったと思う。
まず、百音の気象予報士らしさが表現出来るし、百音と龍己のやり取りにも自然に繋がる。時間的な制約で無理でも、ここは何とか都合をつけて、百音が海辺にいるカットにして欲しかった。それでなくても、スタジオセットの映像ばかりで飽き飽きしていた頃だから…
あとがき
今日は、早朝から気分が “鬱” で、先ほど、かかりつけ医にいつもの薬を貰いに診察に行ったら、「今日は、テンション低いね」と言われたので、傍から見ても “鬱” なので、良いことは書けませんが、一応、感想をまとめます。
自分の意思で実家に帰ったら、想定外に家族たち “島の人たち” が明るく振る舞っているのを見て、驚くのは分かりますが、難しい顔なんかしないで、普通に「ただいま。みんな、ケガとかしてない? 家も大丈夫? 私、心配だから、タクシーで橋を渡ってまで来ちゃった。だって、私だって家族だもん。片付けの手伝いくらいはしなくっちゃと思って」と、明るくその場の雰囲気に合わせた方が良かったと思います。
それと、みーちゃんに「こっちに戻ってきてもいいかな?」と聞いた真意がわかりません。長女でしょ? 姉でしょ? だったら、自分で決断して、責任も自分が取るべき。こう言う弱い部分を百音の魅力と思って書いているのでしょうが、残り1か月近くになったら、もう少し、大人として成長を見せて欲しい。なんか、百音だけ成長していないのが、すっごく不自然。やはり、主人公は成長しないと、朝ドラとして面白味に欠けます。
やっと、感想を書き終えて投稿するだけになったら、少し “鬱” が取れて、気分が明るくなって来たのが分かります。やはり、鬱の原因って…
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。発表するなら、ご自身の場所でやって下さいませ。また、何度も諄いコメントの投稿者は、投稿機能をブロックします。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15989/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89 90 土
第19週『島へ』
91 92
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