連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第90回・2021/9/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第90回/第18週『伝えたい守りたい』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
台風の影響で長野の河川が氾濫する恐れがあると判断した朝岡(西島秀俊)。朝岡が運営するサイトにも、視聴者から次々と情報が送られてくる。そこで、朝岡は百音(清原果耶)と共にインターネットを使って、情報を配信し始める。一方、Jテレでも、意外な形で報道がされていた。台風が去り、百音と朝岡が安堵(ど)したのもつかの間、今度は、別の不穏な投稿が来る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
↓『おかえりモネ』完全対応版です↓
アバンで朝岡がネット配信する理由を描けば良かったのに…
今回って、本当に良く分からない。15分間の構成は、「前半が朝岡のネット配信」で「後半が主人公がやりたいことの確認」だ。
まず、良く分からないのが、なぜ、朝岡がテレビ放送と並行して、独自にネット配信をしたのかだ。もちろん、超が付く程の好意的な脳内補完をすれば、「台風の影響で長野の河川が氾濫する恐れがあると判断した上に、朝岡が運営するサイトにも登録者から次々と長野の河川の危険と見られる情報が送られてくるから」と、分かる。
しかし、肝心なそこが描かれていない。そこを、アバンタイトルで描くだけでよかったのに。
まだ首都圏が暴風域に入っているのに、長野の河川ばかり…
また、「ながら見」が普通の朝ドラの、こんな細かいところまで見ていない人の方が多いと思うが。主題歌明けで朝岡(西島秀俊)がネット配信に使う液晶テレビに映っている「天気予報図」の「台風12号」の現状を見ると、「大きさは、大型」、「中心気圧は、975hPa」、「最大瞬間風速は、45m/s」となっている。
確かに、台風の中心も暴風域も本州から東にズレているが、強風域は台風の進路上であった神奈川、東京、千葉、茨城まで入っている。台風の風は台風の中心から半時計周りに強くなるから、まだまだ首都圏も安心できない状況のはずだ。
別に長野県や首都圏以外を差別するつもりは無いが、報道としては、長野の河川のこととも大事だが、今週は台風、それも “風” の影響による被害を描いて来たわけだから、もっと台風の進路全体を捉えつつ、長野の河川を描いた方が良かった。
だって、ネット配信の中でも朝岡が言ってたではないか。「今 最も危険なのは雨や風邪ではありません。(中略)各地で 氾濫の危険性が迫っていることです」って。
まだ台風が消滅したわけでないのに"気象班"に緊迫感がない
とにかく、違和感を覚えたのは、台風が列島の外に出ただけで、消滅したわけでもなく、首都圏が暴風域に入っていると言う、私ならまだまだ、テレビ局は厳戒態勢真っ只中のはず。でも、テレビの中の、テレビ局の “気象班” は、確かにドタバタはしているが、いつでも緊急放送が出来る体制になっていないってこと。
高岡の出番を作りたいのは分かるが。あの台詞で十分では?
もちろん、莉子(今田美桜) と内田(清水尋也)、 野坂(森田望智)までテレビに出演出来ない状況にして、高村(高岡早紀)の出番を作ったのは明らか。決して、高村が久し振りに現役キャスター復帰を描くのを否定はしない。
でも、まだ「大型な台風12号」の影響が日本各地に出ている状況で、最も忙しいはずの “気象班” が、ややのんびりムードに描くのは間違っている。高岡の出番は、「若者たちが 真摯に仕事に向き合う姿を見て 胸を熱くしてたのよ」だけでも良かった。
それが、物足りないなら、台風の進路が急変して、それで普段着の莉子と内田が即対応できない状況を作るべきだった。毎回そうだが、全部が「その瞬間に描きたことの羅列」、そう、箇条書きなのだ。だから、前半で最大の見せ場である、“気象班” の緊急時の描写を間違えるのだ。
百音は朝岡をリスペクトしていると言う設定では?
それにしても、朝岡のネット配信。それ自体には、それなりの意味があるが、私が気になったのは、朝岡が「全国放送で顔を売るっていうのは大事なことかもしれません」と、実感と謙遜を兼ねて行っているのに、その朝岡に対して百音は「(前半省略)信頼してくれてるって感じでした」と答えていた点。
確かに、そうなのだが、ここにも1つ、百音に「そんなことないですよ」と朝岡へのリスペクトを示すような台詞が欲しかった。手慣れた様子でケーブルを捌きながら「信頼してくれてるって感じ」と言われちゃうと、なんか益々、百音が偉そうと言うか、気配りのない人なんだなぁと残念に思う。
終盤で朝岡にコーヒーを貰っても、「あっ すいません」だけで、立ち上がろうとも、「ありがとう」の一言も言わないのも、どうかと思う。だって、百音は朝岡をリスペクトしていると言う設定では? それとも、私が「既に対等」位になっているのを見逃してるってこと? こう言うところの連続性も、もっと欲しい。
百音が、さりげなく周囲の人のことを気にしているように描けば…
10分頃から始まった、朝岡と百音による「主人公がやりたいことの確認」。ここは、意外と良かった。
朝岡の「助けることに成果を求めては駄目ですよ」に対して、自分がやりたいと思っていたことを全否定された感じの百音の本気でイヤそうに言った「そうですね」とか。要は、恐らく初めだと思う。百音が、赤の他人に自分の甘さを指摘されて、結構大きなパンチを食らったのは。
でも、百音の朝岡への返事を見ると、全然パンチが効いてない。ここが、自己チューな百音らしさでもあり、思いやりや気配りと言う優しさを持ち合わせていない人のように見える原因だ。もう少しで良いから、百音が周囲の人のことを気にしているように描けば、百音への印象も違うだろうに…
あとがき
今週も、あれこれ愚痴を溢しましたが。気象予報士らしい百音が金曜日に描かれたが救いです。でも、今回の「台風12号」の放送に関する一連の話。
これまで、「主人公が気象予報士である」と言う最も重要なドラマの設定を、もっともっと丁寧に掘り下げて描き、師匠とも言える朝岡へのリスペクトと、二人の関係を描いていたら、「チーム・ジェネレーターズ」からのメッセージに感動するシーンは、もっと盛り上がったと思います。
今週の結末を見た限りでは、次週は台風の被害を受けた亀島に帰る百音から始まりそうですね。いよいよ、百音が故郷への帰路の始まりであり、本作のエピローグの始まりになるかも知れません。でも、イマイチ、そう言う感慨がわいて来ないのが残念…
金曜日分の感想を書き終えたあと、今週分の録画を見直して、ふと感じたことがあります、もしかして、「百音の心情=震災復興」なのかなと。要は、震災で傷を負った人々や土地こそが"百音自身"であり、百音が故郷で人の役に立つと言う夢や希望こそが"震災復興"なのかな… と。
もしも、脚本家がこのように考えていたら、正直言って、もっと明るいドラマにして欲しいです。そう言う朝ドラにすることが、「NHK東日本大震災プロジェクト・未来へ 17アクショ」ンの一環として制作される朝ドラの意義であり、意味でもあると思います。
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。発表するなら、ご自身の場所でやって下さいませ。また、何度も諄いコメントの投稿者は、投稿機能をブロックします。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15971/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60> 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87 88 89
- 関連記事
-
- 孤独のグルメSeason9 (第11話・2021/9/17) 感想 (2021/09/18)
- オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ〔全3回〕 (第1話・2021/9/17) 感想 (2021/09/18)
- 連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第90回・2021/9/17) 感想 (2021/09/17)
- 緊急取調室 4th SEASON (第9話/最終回10分拡大スペシャル・2021/9/16) 感想 (2021/09/17)
- 連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第89回・2021/9/16) 感想 (2021/09/16)