ハコヅメ~たたかう!交番女子~ (第9話/最終回10分拡大・2021/9/15) 感想

日本テレビ系・新水曜ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(公式サイト)
(第9話/最終回10分拡大『あなたがいるから頑張れる 交番女子が起こす最後の奇跡!!』の感想。
なお、原作の漫画・泰三子『ハコヅメ~交番女子の逆襲』は、既刊18巻と『ハコヅメ別章 アンボックス』の「既刊18+1巻」(2021年8月末現在)は全巻既読済み。
「ハコヅメ」笑いと涙の最終話!桜(徳永えり)ひき逃げ事件の結末は!?そして藤(戸田恵梨香)と川合(永野芽郁)、最強交番女子ペアの行く末は?
川合が作成した似顔絵によって再び動き出した桜ひき逃げ事件の捜査。しかし進展が無いまま1週間が経過…。
そんな矢先、守護天使の似顔絵に似た男が現れたという情報が。ついに事件の全貌が明らかに!そして警察官として一回り成長した川合が藤のためにとったある行動とは!?
川合(永野芽郁)の作成した‘守護天使’の似顔絵により、桜(徳永えり)ひき逃げ事件の捜査が動き出す。だが進展はなく1週間が経過したころ、隣の村川署から守護天使の似顔絵に似た男が現れたという情報が入る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:漫画・泰三子『ハコヅメ~交番女子の逆襲』
脚本:根本ノンジ(過去作/監察医 朝顔1,2、相棒シリーズ、フルーツ宅配便)
演出:菅原伸太郎(過去作/ど根性ガエル、君と世界が終わる日に) 第1話
南雲聖一(過去作/東京タラレバ娘、ウチの娘は彼氏が出来ない!!) 第1,2,SP1,6,最終話
丸谷俊平(過去作/もみ消して冬、俺の話は長い、#リモラブ) 第3,4,SP2,7話
伊藤彰記(過去作/35歳の少女、過保護のカホコ、恋はDeepに) 第5,8話
音楽:井筒昭雄(過去作/民王、99.9、トクサツガガガ、妖怪シュアハウス、リコカツ)
オープニングテーマ:ロイ-RoE-「YY」
主題歌:milet「Ordinary days」
原作のネタバレは書きませんので、ご安心下さい
※原作の漫画・泰三子『ハコヅメ~交番女子の逆襲』は、既刊18巻(2021年8月末現在)と『ハコヅメ別章 アンボックス』は全巻既読ですが、ネタバレは書きませんので、ご安心下さい。但し、私の見解では、全18巻を読んで “完全なる完結” する作品です。
最終回なのに前回の続きの「守護天使捜し」から始まらない
今回って、最終回だ。そして、前回のラストで桜(徳永えり)ひき逃げ事件の容疑者とされる「守護天使」の似顔絵から似た男まで登場したのだから、その続きから始まると思うではないか、普通のドラマなら。
藤と源の「鑑識コント」の「班長はんと舞子ちゃん」に爆笑
しかし、本作は違った。よく、コミカルな会話劇のパートを “コント風” と例えることはあるが、今回は、冒頭から「守護天使」そっちのけで(もちろん、良い意味で)、藤(戸田恵梨香)と源(三浦翔平)で「鑑識コント」。
それも、「班長はんと舞子ちゃん」と言う設定付きの、俳優が演じる、ほぼ本格的な鑑識コント。ここまで徹底してやるのが、本作のいいところだ。
「車と珈琲コント」も盛り込む、コミカルへの拘りの強さ
そして、鑑識コントの次。やっと、「守護天使」へ進むかと思いきや、今度は「車と珈琲コント」。「鑑識コント」同様に、ストーリーそのものには不必要なものだ。
しかし、最初からシリアスな事件捜査で押し切らないで、コミカルな要素、それもちゃんと作り込まれたオチ付きのネタを2連で持ってくるあたりは、流石と言うより、拘りの極み。こう言うドラマ、最近少なくなっているのが残念だ。
「容疑者を逮捕する警察ドラマ」と本作が一線を画すところ
「守護天使」を逮捕するまでのくだりも、程良く川合(永野芽郁)らしさを醸し出しつつコミカルに。逆に、ハコ長の伊賀崎(ムロツヨシ)の警察官の勘も利用して、ここは意外な位に、っと、盛り上げることも出来たはずなのに、さらっと解決。
その理由は「婦人会」ならぬ「女子会」での桜が “警官には戻らない” と言うのを強調したからだった。この辺が「容疑者を逮捕する警察ドラマ」と本作が一線を画すところだ。
本作を「楽しいドラマ」と思えるかが評価の分かれ目だろう
そして、またしても以外な展開。川合の大声での藤先輩への愚痴が、桜の “職場復帰” の気持ちを目覚めさせた。
そして今度は、交番コント。とにかく、どこまでも面白いと言うより “楽しい” ドラマなのが本作であり、この雰囲気が楽しめるかどうかが、本作の評価に直結するのは間違いない。もちろん、私は「楽しめる派」だ。だから、毎週、本当に楽しかった。
"警官だって人間"であり、警官の"日常"を描いた秀作ドラマ
やはり、本作の魅力は、「容疑者を逮捕する警察官が確約する警察ドラマ」では、決して味わえない、警察官の “日常” が見えること。ある意味で、各局で放送している『警察24時シリーズ』的な、警察官だって、制服を脱げば普通の人間だってこと。そして、制服を着て公務中は別人になると言う人間性を、時にシリアスに、時にコミカルに見事に描いた。
あとがき
私、原作の漫画は既読だと書きました。正直言うと、雰囲気は近いですが、実写映像化することで、白黒漫画では見えない、交番や部屋の内装の色合いや、毎週変わる川合のTシャツとか、そう言う映像で表現する部分に、かなり労力が注がれており、それが秀逸でした。
良く「原作=お手本」と書きますが、本作に於いては、「原作=基本構想」って感じで、原作の雰囲気はきちんと残しつつ、自社ドラマでしか描けない、俳優陣の存在感と演技を使って、オリジナル作品のような楽しさも創り出しました。原作との距離感が絶妙なドラマ、最近では少なくなっているので、大成功だと思います。当然、続編、スペシャル、大歓迎です。
最後に。撮影中に新型コロナ感染した永野芽郁さんが、元気に現場復帰して、最終回まで見事に演じてくれたことにも、感謝したいです。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15966/
【これまでの感想】
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