連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第88回・2021/9/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第88回/第18週『伝えたい守りたい』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
大型台風12号の発生により、百音(清原果耶)たちは対応に追われていた。日本列島への上陸3日前に気象庁の記者会見が行われるなど異例の事態となっていた。百音たちの番組も台風報道に切り替わるが、外はまだ雨も風もない。しかし、数日後には大雨が降ることを予測している百音たち。起きていないことに対して危機感を抱いてもらうためには、どうしたらいいのか。百音は、ある効果的な伝え方を思いつく。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13,18週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
原英輔(過去作/オーディオドラマ「エンディング・カット」) 第18週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
↓『おかえりモネ』完全対応版です↓
何としてでも百音を活躍させ、故郷で錦を飾らせたいようだ
さて、ドラマとしては、何としてでも主人公を活躍させて、故郷で錦を飾らせたいのだろう。もはや、気象予報士の百音(清原果耶)が、中継スタジオで「フロア・ディレクター」まで、テキパキとキュー出ししちゃっているのだから。そして、あざとく、菅波(坂口健太郎)を登場させ、実家も描く。
正に、「近い未来」に向かっての架け橋丸出しって感じ。しかし、例えとして相応しくないとは思うが、このドラマ、台風のように、もう最終回まで進路を変えることはない。熱帯低気圧状態になって、恋バナが台風一過のように温めて、自然とみんなの記憶から消えることはあるかも知れないが…
今、朝岡が可能なら、前回の百音のプレゼンって意味ある?
まあ、褒めたいところが殆ど無いから、気になったことだけ、まず列記してみる。まず、2分頃のブリーフィングで朝岡(西島秀俊)が言ったこと。
朝岡「各自治体との連絡は 私が取りまとめるので」
一体、朝岡にどんな、どこまでの権限があるのか分からない。朝岡のウェザーエキスパーツ社が、各自治体と連携できる企業なり組織と契約している可能性は捨てられないが。でも、この台詞が明らかに矛盾を抱えているのはお分かりだろうか?
朝岡が「各自治体との連絡の取りまとめ」が、今、出来る環境ならば、前回での百音がプレゼンした企画って必要だろうか?ってこと。確かに、「各自治体」と限定していると考えれば、百音はプレゼンの中で、「各自自体だけでなく…」風な表現をしないと、意味が無いような。
この朝岡の台詞で、ウェザーエキスパーツ社と気象庁の"違い"が見えて来なくなった
それ以前に、朝岡は “何の情報” を取りまとめて各自治体に連絡するのか? きっと、ウェザーエキスパーツ社は複数の自治体と契約しているはず。台風情報を含めた気象情報や、気象の変化によって影響を受ける交通や土木についても契約していると考えるのが普通だ。
そうなると、ウェザーエキスパーツ社と気象庁の “違い” が見えて来なくなる。だから、前回の感想にも書いたのだ。「気象予報士・万能説」の刀をあまり高く振りかざすと、気象予報士が中心で世の中が動いているような妙な表現になる。それが、このシーンになってしまった。
「もう、いい加減に雑に描くのは止めたら?」と提案したい
あと、「もう、いい加減に雑に描くのは止めたら?」と提案したいのが、深夜2時頃と想像できる時間に、菅波へ電話する百音のシーン。
今回なんて一刻を争う台風情報を誰よりも冷静に正確に伝えなければいけない立場の一人である百音が24歳になったばかり。森林組合の中で人の生命を預かっている立場の菅波は30代前半。百音が、緊張や不安の中で菅沼に電話で声を聞きたいと言う描写そのものは間違っていない。しかし、関東を台風が直撃する目前だし。
気が利く菅波の割に、午後9時にSNSを送るのは一貫性がない。それとも、一貫性より恋愛なのか?
それ以前に、午前2時に起きて仕事に行く彼女に、21時03分にSNSを送る菅波に、私は共感できない。
これ、夜勤のために昼間の内に寝ておかないといけない看護師の彼女が寝ているだろう時間にSNSを送るってこと同じ。百音に思いやりがないのは分かるが、菅波も思いやりがない。
大人の事情で菅波の登場シーンを大量増産したいのは分かるが、一度でいい、「私、○時には寝るから、SNSや電話はそれまでして」と百音に言わせて欲しい。と言うか、そこを察して聞くのが、気が利く菅波ではないのか!?
なぜ、危機感を表現する手段として演出家は、現地映像を使わなかったのか?
それと、気になったと言うより、コンプライアンス問題を考えると、やはり、天下の朝ドラでも無理なのか? と、感じたのが「現地の映像」が一切使用されなかったこと。
最近では、テレビレポーターたちが「今、○○岬にやって来ました」と言う “台風中継” が減っている。レポーターや撮影クルーの安全第一と、視聴者から「現地から人間がリポートする必要があるのか?」との声が多くなったから。だから、最近は、所謂「お天気カメラ」や「河川監視カメラ」等の映像を使うことが多くなった。
だったら、映像として、「台風が近づいている」と言う描写の一つとして、「お天気カメラ」や「河川監視カメラ」等の映像を使えなかったのかってこと。実際の台風の映像を使うのが無理でも、CGで幾らでも、らしき映像は作ることが出来たと思う。
今日のテーマの一つは、「天気予報を見ている人に危機感をどうやって伝えるか?」のはず。だったら、ドラマ本体だって、劇中の台風12号が接近して危険であることを伝える必要があるのでは? そこをやらないのは、手抜きのようなものだと思う。
今週は淡々と「百音が故郷に帰る準備」の状態を描くだけか?
水曜日だから、月曜と火曜日を見て感じたことと、週末までに描きそうなことを考えてみた。
まず、明らかなのは、主人公が故郷に帰るためのイントロが徐々に始まっている… と言うことだけ。だって、人の役に立ちたいと言う気持ちも、故郷と故郷に暮らす人たちへの思いも、まだ今一つ見えて来ない主人公だから、「主人公が故郷に帰る準備」の状態としか例えようがないのだ。
今回を第1回にして、百音が気象予報士を目指す物語へ巻き戻したら良かったかも?
それと、前回と今回に、もっと “連続性” や “繋がり” が欲しかった。何か、突然に台風12号の話になって。確かに台風は突然発生するものだが、今回って、これまでの、どの部分と繋がっているのだろう。むしろ、今回が月曜日でも良かったくらい。
いやいや、ADまで熟す天気予報士の百音を描いたなら、今回が第1回でも良かったかも? そして、何とか台風12号を乗り越えて、百音が気象予報士を目指す物語へ巻き戻す。うん、なんか、この方がスッキリするような気がするが、今から巻き戻しは不可能だし。残念…
あとがき
やはり、「気象予報士が伝える危機感」と「百音と菅波の恋バナ」を、“相談” と言う、あざといものを使って繋げようとするから、強引にも、無理矢理にも見えるのではないでしょうか?
以前にも書きましたが、さっさと百音と菅波を結婚させて、新居に住まわせて、互いの仕事をリスペクトする夫婦にして、「百音が故郷で人の役に立ちたいドラマ」に向かった方が良いと思います。そう、完成しているかどうかは分かりませんが。
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。発表するなら、ご自身の場所でやって下さいませ。また、何度も諄いコメントの投稿者は、投稿機能をブロックします。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15965/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60> 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
81 82 83 84 85 土
第18週『伝えたい守りたい』
86 87
- 関連記事
-
- 東京放置食堂 (第1話・2021/9/15) 感想 (2021/09/16)
- ハコヅメ~たたかう!交番女子~ (第9話/最終回10分拡大・2021/9/15) 感想 (2021/09/16)
- 連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第88回・2021/9/15) 感想 (2021/09/15)
- 彼女はキレイだった (第10話/最終回・2021/9/14) 感想 (2021/09/15)
- 連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第87回・2021/9/14) 感想 (2021/09/14)