連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第84回・2021/9/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第84回/第17週『わたしたちに出来ること』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
内田(清水尋也)が、気象キャスターの実地テストを受けているのを百音(清原果耶)と莉子(今田美桜)が見る。実は、それは朝岡(西島秀俊)の発案だった。そして「あさキラッ」は莉子(今田美桜)と内田の二人体制に。しかも、内田に人気が出て莉子はますます落ち込む。汐見湯で莉子の悩みを聞く百音。莉子は、ハッピーに生きてきた自分を落としめるような気持ちになっていた。するとそこに、菜津(マイコ)が現れて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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「主人公が莉子にしか見えない」ワケ
これを言ってはおしまいだが。今回だけでなく今週から『おかえりモネ』を見た視聴者は当然のこと、私自身も、「主人公は、莉子」と覆っているのではないだろうか。奇しくも、4分頃、自暴自棄になりかけた莉子(今田美桜)に、テレビ局の社会部気象班デスクで、元報道キャスターの高村沙都子(高岡早紀)が、次のことを言った。
高村「あなたが闘う場所は 私が死守するから」
もう、凄いね。何て例えるべきだろうか? 自分の仕事に対する気持ちや気合、自分と言う存在への矜持とか真面目さとか。そう言うものが、今回で言うなら、莉子や高村、更に内田(清水尋也)からも、グイグイと伝わって来る。そして、個々のキャラクターの存在感が、どんどん増している。
恐らく、こうなっているのは、自暴自棄になりかける位に真剣に仕事や自分のことを考えている莉子を、周囲が何とか支えよう、助けよう、応援したいからに違いない。だから、私にも「主人公は、莉子」に見えてしまうのだ。
このまま、百音は"刺身のツマ"で良いのか?
こんな異様な状況が、今週だけなら、まだいい。少なくとも最近の2,3週間は、騒動を起こすのは気合が本気で、真剣に相手と向き合おうとする “脇役” で、本来の主人公であるべき百音(清原果耶)は、刺身のツマみたいなもの。
存在しないと『おかえりモネ』に見えないからいるだけで、その騒動に自分から能動的に、積極的に関わらない。関わらないから、脇役も関われない。今回の序盤の5分の「やることがなく、廊下に立たされているような百音」が、それを証明した。これで、良いのだろうか…
5分過ぎ、明らかに「百音も描ないといけないな」って感じで
5分過ぎ、もう明らかに「百音も描ないといけないな」って感じで、百音のパートへ。でも、前段の莉子パートとの繋がりが一切ないから、『サザエさん』の第2話状態。まあ、15分、ずっと莉子パートってわけにも行かないから、しょうがない。
でも、野坂(森田望智)との会話の中で、突然に、わざわざ “誕生日の話” と “あの日” のことを持ち出すんだろう? もちろん、物語を強引に百音パートに切り替えるためなのだが。
「故郷への思い」と「男への思い」を交互に編集しちゃダメ
ここに、菅波(坂口健太郎)と連絡を取ろうとする百音を挟むからダメなの。だから、今週の演出家は、不器用な大工さんってこと。「故郷への思い」と「男への思い」を交互に編集しちゃうと、やがて2つは「故郷にいる男への思い」と、1つになってしまうはず。こうなってしまったら、もう完全におしまい。
そうなる前に、百音の中での菅波の存在には、一定の “決着” を付けるべきだと思う。
あの~、「傷ついた経験」って何のこと?
もう、脚本の安達さん、既に最終回まで1か月半前に迷走状態に入っていたのだろうか? それとも、秘策を隠しているのか? 12分頃、銭湯で莉子が百音に、次のことを言っていた。
莉子「本当にハッピーに生きてきちゃったからな…。
そこそこチヤホヤもされてきたし」
え~と、これって、全体の「3分の2」を使って描いて来た百音のことでしょ? また、とにかく強引に百音の話にしようとするから、次の台詞まで、莉子に言わせちゃった。
莉子「傷ついた 経験 そういうのがある人は やっぱり 強い」
あの~、「傷ついた経験」って何のこと? 中盤で回想シーンで盛り込まれても、橋が出来た時の映像を見たことを父に電話したシーンを入れても、流石に「震災を経験した人」であることは伝わるが、あの程度の回想や百音の台詞で、「傷ついた経験」とまで言ってしまうのは、視聴者置いてけぼりも甚だしいとさえ思う。
録画を見直して「傷つけた経験」と聞き間違えたのを期待したが、やはり「傷ついた経験」で間違いはなかった。
やはり、最初に百音が何かを失う設定にしておくべきだった
だから、クドイようだが、何度の何度も書いているのだ。百音の身内、知り合い、友人、家、仕事、これらの内の1つで良いから、百音が失った設定だったら… と。だって、西日本の人は良く分からないが、少なくとも千葉県を含めた東日本地域に住んでいた人は、少なからず「東日本大震災」で「傷ついた経験」を持っている。
「傷ついた」が言い過ぎなら、「自分ではどうにも出来ない辛い経験」は、したと思う。そう言う広い視点で、百音を見ると、仙台市の住民の中でも、家族や友だちや幼馴染を含めても、百音は “ハッピーに生きてきちゃった” し、“そこそこチヤホヤもされてきた” ようにしか、映っていないのだが…
あとがき
流石に、今回は急にハンドルを切り過ぎですよ。これが道路なら「安全運転義務違反」で違反切符を切られているくらいに。だって、いくら「3分の2」の放送尺を使って、故郷への思いや、故郷への恩返し的なことを描いても、この残りの「3分の1」では、“菅波、一筋” にしか見えていませんから。
それと、「傷ついた経験」とありましたが、表現がおかしくないですか? 一応「震災で経験したことで傷ついた」と解釈しましたが。普通は、 “失恋” とかに使う言葉ですよね。せめて「人生を変えるような体験と経験」位が、程良きところかなと。一体、どこまで深く脳内補完すれば良いのでしょうか。
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
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第2週『いのちを守る仕事です』
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第3週『故郷の海へ』
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第4週『みーちゃんとカキ』
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第11週『相手を知れば怖くない』
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第15週『百音と未知』
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