連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第82回・2021/9/7) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第82回/第17週『わたしたちに出来ること』の感想。
※ 本作は、9月3日、宮城県気仙沼市のロケで約11か月間の撮影が終了しました。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の感想も雲のように毎日変わります。ご理解を。
ある日、百音(清原果耶)の会社で新規事業審査会が行われていた。気象に関する仕事のアイディアなら誰でも提案でき、社長のお眼鏡にかなえばすぐ採用されるというものだ。内田(清水尋也)が提案した、花粉症対策アプリは、即採用となった。皆のプレゼンを聞いていた莉子(今田美桜)は、自分には“説得力がない”と痛感。自信を失っていく莉子を立ち直らせるにはどうしたらいいのか、百音は思い悩んでいると…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
中村周祐(過去作/ハムラアキラ、「おかえりモネ」プロデューサー) 第17週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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野坂に指名され、百音が話したのは「自分の家族の話」では?
既に、クランクアップしているし、期待しているナレーションによる補強もないから、感じたことだけ書いてみる。
決して、難癖をつけたいわけでは無い。ただ、野坂碧(森田望智)がプレゼン中に、助け船として選ばれた主人公・百音(清原果耶)が話したことって、「自分の家族の話」であって、林業のことでも、野坂が助けて欲しかった内容でも無かったような。
でも、まあ、好意的に見れば、「山から海は繋がっている。そして水も天気も」と、全く見当違いではないから、多めに見ておくことにする。
百音と家族や友人たちとの和気藹々したシーンを、もっと見たかった…
しかし、今作の主人公って、あんな突発的な事態で、家族の話をサッと出すような、家族思いの設定だったかってことに違和感を抱いてしまった。そもそも、本作は「殆ど」と言っても過言でない程に、百音と家族の描写がない。
特に印象的で、誰もが見ても「百音たち家族が和気藹々なエピソード」と言えば、回想シーンではあったが、亮(永瀬廉)と亮の母が生きていた頃のカラオケ。百音の祖母・雅代(竹下景子)の「初盆」の時だって、思い出話に花が咲いた記憶はない。
既に、本作がホームドラマであるかも微妙ではあるが、もう少し、百音が家族を思う気持ちや、家族和気藹々の映像を作った方が良かったと思う。
百音が話したのは「自分の実感」でなく、「祖父からの受け売り」では?
そして、感想を今回の本編に戻すとしよう。確かに、百音は野坂からの突然の指名を受けて、こう言っていた。
百音「実感をお伝えします」
確かに、この直前に野坂が「以前 林業に携わっていた永浦さんが 実感を持って ご説明します」と言っているから、百音は「実感」を言えば良いのだが。これ、ちゃんと「百音の実感」と言えるだろうか。だって、その前に「植樹の必要性」は、社長も言っていたように前回のプレゼンよりも具体的に説明されているのだ。
そこを、百音が補強するかと思ったら、こう言ったら言い過ぎかもしれないが、百音が言ったのは「実感」ではなく「祖父・龍己(藤竜也)の受け売り」では? それを「山にいた時に学びました」として、自身の “実感” とするのは、やり過ぎのような。
イマイチ面白味に欠けるのは、主人公自身の自分以外の"対象"への心理描写が、曖昧過ぎるから!
結局、繰り返しになるが。百音の「島を出たい」を初期の頃に強調し過ぎたせいで、家族たちが百音を心配している描写はあっても、逆を描けないのだ。だって、百音が家族を思っている描写が溢れる程にあったら、「島を出たい」と、バッティングする(ぶつかる)から。
このことは、何も家族に対してだけでない。妹の未知(蒔田彩珠)の亮との関係についても、故郷(こうなると、百音の「故郷」の範囲も、良く分からなくなるが、今回は細かく言及しないでおく)への思いも、東北、登米、気仙沼市、亀島についても、どの場所に、どんな思いを抱いているのか、未だに分からない。
要するに、主人公自身の自分以外の “対象” についての心理描写が、曖昧過ぎるのだ。高校時代のことなんて、最たるもの。周囲の人たちは身内以外でも、大騒ぎする程に心配し、気遣い、気にしている描写は、山ほどあるのに、その逆がない。今さら言っても、しょうがないが…
今週が、本作への最終的な評価に繋がって行くような気がした…
今週に入って、残りが「40回=8週間」を過ぎた。全体で言えば「3分の2」を過ぎてしまった。「3分の2」で、主人公の家族や友だち、森林組合の人たちへの気持ち、故郷への思い、そして “震災” への思いが、曖昧か、ほぼ描かれていない状態で、残り「3分の1」で、突然に今回のように “思い” を語るのだろう。
そこに、説得力を感じるかどうか。この辺が、本作への最終的な評価に繋がって行くような気がした…
あとがき
今回の、プレゼンの助っ人をした百音を見て、何となく残り「3分の1」が見えたような気がしました。要するに、強引に、家族や友達や故郷の “お陰” で、「百音は、こんな大人になりました」と言う最終回まで、誤魔化すのかなって。
あと、これは個人的には違和感満載なのですが、今の20~30代の人にとっては違和感ないんでしょうか。それは、終盤で菅波(坂口健太郎)がコインランドリーにやって来た時のことです。
菅波が転びましたが、百音は椅子に座ったままでした。そして、菅波は床に膝をついて相手に「合い鍵を渡す」と言う大事な話をしている時も、百音は座ったまま、合い鍵を受け取りました。
これ「百音は、普通とはちょっと違う人」と解釈して、納得した方が良いのでしょうか? それとも、百音は、異常な位に、あの椅子が好きなのか? とにかく、「百音の存在感」と「百音の心情」を描くことに専念してもらえる一週間になっていることを期待するばかりです…
最後に、超が付く程の個人的なことで恐縮ですが。コメントの返信を待っていらっしゃる読者さんもおられるので、一応、お知らせだけ。本日は、内科、心療内科、整形外科と「病院巡りの一日」となっておりますので、コメントの公開やお返事は、遅れる可能性があります。待合室などで、なるべく早めに対応しますが。
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60> 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
76 76 77 79 80 土
第17週『わたしたちに出来ること』
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