連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第78回・2021/9/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第78回/第16週『若き者たち』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
久しぶりに集まった百音(清原果耶)、亮(永瀬廉)、未知(蒔田彩珠)、明日美(恒松祐里)、悠人(髙田彪我)、三生(前田航基)の6人は、震災の日から抱えてきた思いを、ぶつかり合いながらも打ち明けていく。一方、資料を届けにウェザーエキスパーツを訪れた菅波(坂口健太郎)は、莉子(今田美桜)や野坂(森田望智)たちから、百音との関係を問われ、しどろもどろに答える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12,15週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11,16週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8,13週
押田友太(過去作/まいご。、うつ病九段) 第14週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
●第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
●先日、脚本・俳優・演出の関係を簡単に “おさらい”出来るように 【脚本プチ講座】を投稿しました。最後まで読んで頂けると、本作へ漂い始めた暗雲が晴れて、木漏れ日が差し込むかもしれません。途中離脱するまでは、愚痴や意見を言いながら応援します。
【脚本プチ講座】脚本家と俳優と演出家の関係とは? 良き脚本「強い物語」とは? ※現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』完全対応版
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前回での明日美の爆発が「防災の日」に一石を投じると期待したが…
前回のラストシーン近くで、明日美(恒松祐里)が「何で地元で頑張ってるのが偉いみたいにになるの?」と、お花畑の世界観に、「住みたいけど住めない」、「住めないけど住むのを諦めたくない」と言う様々な被災者の複雑な気持ちとして、一石を投じたと思った。
敢えて言いうなら、そこだけが、<私>にとって、前回で唯一のいいところであり、今回への期待だった。なぜなら。今日(9月1日)が関東大震災から100年目に当たる「防災の日」で、その100年の間に、阪神大震災や東日本大震災など、「100年に一度」と言われるような災害が幾度も起きたのが現実。そして、更にコロナ禍。学校も始まる。
残念ながら、私の期待は、アバンタイトルから崩れて行った
そんな日だからこそ、「週5放送」になってからの朝ドラの、1週間の前編と後編の “中継ぎ” であり “時間潰し” になってしまうことが多かった「水曜日」に、シビアでも、ナーバスでも、センシティブな内容になっても…
「主人公が東日本大震災を機に、人の役に立ちたいと考えた結果、気象予報士となって。(問題は残るが)自分の地元の知り合いの命や財産を守る大人に成長する朝ドラ」としては、『透明なゆりかご』へ迫る勢いで、「自分が生きている場所」や「生きて行こうとする場所」について、グイっと突っ込み、<私>の本作への評価を、ガラリと変えてくれるのを期待した。
しかし、残念ながら、その期待は、アバンタイトルから崩れて行った。従って、前回よりも、今回の感想の方がキツイと思う。
「幼馴染による引き留め同窓会」のはずなのに、「震災の日」の思い出話か…
まず、なぜ前回の明日美の台詞もそうだし、そもそも亮(永瀬廉)が「帰る」と言ってから始まった「幼馴染による引き留め同窓会」のはずなのに、アバンで始まったのは、「震災の日」の思い出話だった。明るい話題を話すことで、亮を励まそうと言う “設定” なのだろうが。
でも、流石に、内容自体が漁師も、気象予報士も、前回の明日美の考えも、それらのメンバーに無関係なネタばかり。三生(前田航基)が奇しくも「どうでもいい話」と言っていたが。主題歌明けで時間軸に歪が起きたのは面倒だから、スルー…
もっと、亮と言う人間の21年間の生き様を描いて欲しかった
そして、主題歌が明けると、例の明日美の台詞からシリアスな展開へ。でも、ここにも不満がある。亮の悩みって、彼らが語る程、特に未知(蒔田彩珠)が「全てお見通しです」的な簡単なことなのだろうかってこと。
母のこと、父のこと、船のこと、自分の仕事としての漁師のこと、一生の仕事のこと、そんなことが一度に全部、津波と一緒に押し寄せて来て、考える余裕もなく、全部海へ持っていかれてしまった苦しみが、漁師として働くようになって、身に沁み、心に刺さり、悩むしかやることがないのでは?
もちろん、これらは全部、私の推測。だって、キンプリ推しの私ですら、久し振りに永瀬廉さんを見て、「こう言う複雑な人物を演じる予定だったのか?」と驚いている位だから、明確に亮の心情、心境は本作で映像として描かれていないはず。まあ、「何となく、そう言う感じかな?」と言う程度には描かれているが。
亮の苦悩に対して、百音や三生が稚拙過ぎたのでは?
その理解度って、今回の三生たちと大して変わらないのでは? 要は、推測、憶測の類いってこと。そう、もう言っちゃおう。要するに、亮の苦悩について、百音(清原果耶)や三生たちが稚拙なの。だって、この程度の話を「ずっと聞きたかった気がする」と百音がいっているのだから。
ついでに、言ってしまおう。21歳にもなったら、稚拙は稚拙なりにと言うか、若いからこそとか、アオハルだからこその、推測や憶測をちょっと超えた “本当の亮の内面を思う気持ち” を描いても良かったと思う。それに、2017年の21歳って、こう言う稚拙なやり取りは卒業しているような気もするし。
そもそも「ポエム」と「重い話」は馴染まないのだから、誤魔化さないで描いて欲しかった
何か、シリアスでシビアな話に作っているつもりのようだが、想像の世界 “ポエム” と、今回のエピソードは馴染まないと思う。
だって、「この6人」、故郷の亀島で震災を経験した5人と百音と言う違い以外に、自ら「島を出たい」と言った百音と言う違いもあるから、なんとなくシリアスにして「ずっと聞きたかった気がする」と締め括ったのは、雑と言うより、誤魔化したって感じ。本当は、誤魔化して欲しくなかったのが、「この6人」の会話だったのに…
脚本家にとって「百音と菅波の恋バナ」は本作の見せ所だから…
5分頃から、唐突に始まったのが、ウェザーエキスパーツ社での、なんてことはないお話。こう言うのは、別に気にならない。と言うか、あっても良いかなって。だって、NHKは菅波医師を3月中旬に既に「ヒロインの相手役」と発表しているから、確実に脚本家にとって「百音と菅波の恋バナ」は本作の見せ所。
だから、坂口健太郎さんお目当ての視聴者のためにも、こう言う意味無き会話劇が必要ってわけ。好みはあると思うが。でも、5分までの会話が続くより、ずっと気分転換にもなるし、メリハリとまではいかなくても、区切りになったから良いと思う。
亮とは、かなり恵まれた環境にいる幼馴染が、憶測と推測で亮を心配しても「重い話」にはならなかったと思う
結局、「この6人」の内で、亮が最も東日本大震災の影響を受けて育ち、今に至っているのは、ほぼ間違いない(推測だが)。
母を亡くし、父はアルコール依存症、住む家も仕事の船も流された亮を励まそうと、亮とは、かなり恵まれた環境にいる幼馴染が、憶測と推測で亮を心配して、演者たちが深刻な面持ちで脚本に書かれた台詞を読んでも、演技力とは違う意味で、説得力に欠けたと思う。
「重い話」なのに、重さは軽い。内容が、とても表面的で稚拙だから15分間も尺を使っても軽い。それが今回だったと思う。
あとがき
終盤は、青春と友情と幼馴染の絆でまとめた感じに仕上げたつもりなのでしょうね。でも、確かに、若さや、若さゆえの稚拙さや、友情や絆は伝わりましたが、震災の被災者の心情がきちんと視聴者に伝わったかと言えば、いささか疑問です。
若い俳優さんたちが、この脚本で15分間に亘って頑張ったのは大いに認めます。でも、ドラマは演技を見るものでなく、主人公が動いて作る人生を見るものです。その点において、あとは、この「水曜日」を、どのように「金曜日」に活かすのか、脚本家と演出家のお手並み拝見ってことだと思います。
気象用奉仕の仕事をしない主人公で、視聴者に何を伝えるのか…
9月から、気持ちを切り替えて、残り2か月は切っていますが、『おかえりモネ』の復活に期待しております。
お願い…
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
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第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
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第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60> 土
第13週『風を切って進め』
61 62 63 64 65 土
第14週『離れられないもの』
66 67 68 69 70 土
第15週『百音と未知』
71 72 73 74 75 土
第16週『若き者たち』
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