TOKYO MER~走る緊急救命室~ (第9話・2021/8/29) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(公式サイト)
第9話『大使館で事故! 突入すれば国際問題 究極の選択』、ラテ欄『大使館で命の危機! 突入すれば国際問題 迫られる究極の選択』の感想。
喜多見(鈴木亮平)は高輪(仲里依紗)から連絡を受け、病院の赤塚(石田ゆり子)の元へ。音羽(賀来賢人)は久我山(鶴見辰吾)から、白金(渡辺真起子)を見限り天沼(桂文珍)につこうと誘われていた。程なく、MER基地を訪れた赤塚は、喜多見の過去を隠し通してほしいと頭を下げる。ちょうどその時、大使館での二酸化炭素噴出事故の報が入った。一同は赤塚に政治的交渉を委ねようとするが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/モンテ・クリスト伯、グランメゾン東京、アンサングシンデレラ、危険なビーナス)
演出:松木彩(過去作/下町ロケット2018、半沢直樹2020、危険なビーナス) 第1,2,5,8話
平野俊一(過去作/S最後の警官、インハンド、ノーダイド・ゲーム) 第3,4,7話
大内舞子(過去作/「凪のお暇」AD、この恋あたためますか) 第6話
泉正英(過去作/)わにとかげぎす、病室で念仏を唱えないでください) 第9話
音楽:羽岡佳(過去作/チーム・バチスタシリーズ)
斎木達彦(過去作/ガールガンレディ)
櫻井美希(過去作/4分間のマリーゴールド ※兼松衆と共同)
主題歌:GReeeeN「アカリ」
医療監修:関根和彦(東京都済生会中央病院 救命救急センター)
浅利靖(北里大学病院 救命救急・災害医療センター)
長谷川剛(上尾中央総合病院)
医事指導:北里大学病院 救急救命・災害医療センター
看護指導:堀エリカ(過去作/朝ドラ「エール、日曜劇場「テセウスの船)
消防協力:東京消防庁
レスキュー指導:幾田雅明(NPO法人 日本消防ピアカウンセラー協会)
警察指導:伊藤鋼一
脚本家のアイデア力と、演出家の具現化力には今回も脱帽
次のようなドラマの楽しみ方が正統派でないのは、十分承知だが。コロナ禍の撮影により、出来るだけ一般人(エキストラ)を避けて撮影する必要のある医療ドラマで、毎回の事故や災害現場が、相当に大規模で過酷な状態を、良く、「第8話」まで、それも毎回違ったシチュエーションで作り込んで来る脚本家に恐れ入る。
もちろん、それなりの制作費があるから可能なことだが。だと言って、お金があるから夢が叶うわけでないのと同じで、やはり、脚本家のアイデア力と、演出家の具現化力には今回も脱帽してしまった。
期待感が高まる「戦隊ヒーローモノ」のイントロダクション
さて、今回は「敷地内に入って いつもどおり 最善を尽くしてください」の赤塚都知事(石田ゆり子)の病床からの指令、いや望みや希望や覚悟によって、動き出した TOKYO MER から始まった。
赤塚都知事の気持ちを受け止めて、指揮官不在の中、救助に向かった喜多見(鈴木亮平)とレスキューの千住(要潤)たちが、外国大使館の中へと入って行く。もう、この時点で、十分と言える程の、。いつも書いているような期待感が高まる「戦隊ヒーローモノ」のイントロダクションだ。
二酸化炭素の濃度による恐怖を、緊張感ある映像で魅せた
今回で、少しだけ違うのは、喜多見や千住たちが戦う相手が、閉じ込められた地下駐車場内の「二酸化炭素の濃度」と言う “数値” であること。
これまでも、有毒ガスや壁面の崩落などはあったが、それらは言ってみれば「具体的で非日常的なもの」だった。しかし、今回は、(決めつけてはいけないが)生きて行く上で必要な酸素に対して考えれば、「どこにでも存在するもの」。「どこにでも存在するもの」でも、濃度が異なるだけで生命に影響を及ぼす恐怖との戦いを伴う救助。
この救助を、モニターに表示される “数値” をチェックしながら進めて行く。更にドラマとしてモニターから発される “警告音” が、様々な計測機器の音と重なって、見事に緊張感を作り上げた。
本作の最大の見所が「盛り込めるだけ盛り込むトラブル」
そして、本作の最大の見所の1つと言って良いのが、「盛り込めるだけ盛り込むトラブル」。
今回も、一難去ってまた一難。それも、まず、持病で倒れた赤塚都知事の代わりに、MERを制御しにやってくる元医系技官の白金大臣(渡辺真起子)が登場し、大使館への突入の外交問題が再び勃発。
更に、医師の喜多見とレスキューの千住の二人による救助。登場人物が少ないほど、主人公の存在感が増すのは当然だが、ここで見事なのは、主人公を “立てる” のが、初期の頃は対立ばかりしていた “千住の命懸けの救出作戦” だと言うこと。
次の駒場の厚労省への怒り、元レスキューの誇りに感動!
個人的には、赤塚都知事が駒場(橋本さとし)に全権を委託したところが良かった。
一方では「喜多見と千住」、もう一方では「赤塚と駒場」の信頼関係を対峙構造にして、MERのチームワークとは異なった、別のチームワークを描いたのは、赤塚が持病で倒れたと言う設定が最大に活かした。そして、次の駒場の厚労省への怒り、元東京消防庁ハイパーレスキュー隊員としての熱意と使命感と責任感が、私の心を打った…
駒場「要救助者より 自分の命を優先させたら
レスキューじゃないんだよ!
本物のレスキューは 自分の命を犠牲にしてでも
誰かを助ける覚悟を持っています!
喜多見チーフも医者でありながら
自分を犠牲にしてでも 誰かを助けに行く
あの2人は似たもの同士なんです」
あとがき
千住の決死の活躍、生還以降は、もう私が感想を書く必要な無いでしょう。
とにかく、「盛り込めるだけ盛り込むトラブル」を、最後に回収しつつ、ちゃんと「次回が見たくなる要素」を残す。これを、東京2020の最中に放送する連ドラでも、全く手抜き無しの全力で描くのが凄いと思います。いよいよ、次回とその次の2話が「最終章の前後編」。どうなるのか? どうまとめるのか? あ~、早く次回が見たい…
稲森いずみさんと馬場徹さんがコロナ感染
やはり、本作のファンとして気になることだから、最後に触れておこうと思う。女優の稲森いずみさん(49)が新型コロナウイルスに感染したことを27日、所属事務所が発表しました。24日に発熱の症状があり、25日にPCR検査を受け「陽性」を確認。また俳優の馬場徹さん(33)も新型コロナに感染したと所属事務所が発表。
TBS広報室は「(2人の陽性で)保健所での聞き取りでは出演者、スタッフなどドラマ関係者で濃厚接触者の認定はありませんでした」と説明。主要キャスト、スタッフ全員がPCR検査を受けたが、27日までに全員陰性が確認されたそうです。 <情報源>稲森いずみと馬場徹がコロナ感染 : スポーツ報知
稲森さんは自宅療養、馬場さんは発熱と無症状とのことと。とにかく、1日も早い回復を願うと共に、私もより一層に「うつらない、うつさない」を徹底します。なお、TBS広報室は、9月5日放送予定の第9話の放送や最終回の撮影については「状況を見ながら対応していきます」と回答しています。演出家も、遂に5人目投入ですから、撮影現場も何かと大変かと。
とにかく、お二人の回復を願いつつ、私たちは「うつらない、うつさない」を!
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15906/
【これまでの感想】
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