連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全24週〕 (第12週/土曜日版・2021/8/7) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おちょやん』(公式サイト)
第12週『あなたのおかげで』の
『土曜日版』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
東北の太平洋側から台風が上陸しそうだ、という情報が入ってきた。台風に不慣れな地域では大きな被害が出るのでは、とJテレ気象班一同に緊張が走る。百音(清原果耶)は、龍己(藤 竜也)やサヤカ(夏木マリ)など、宮城の人たちにどのような対策を取ればよいか伝える。そしてある日、朝岡(西島秀俊)を訪ねて、車いすマラソン選手の鮫島(菅原小春)がやって来て、百音はスポーツ気象という新しい仕事にかかわることに。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
もはや、「モネ推し」を少しやり過ぎで、益々矛盾が増加中
もはや、「モネ推し」を少しやり過ぎて、逆に、モネの存在感が薄まっているのを再確認できた「土曜日版」。
例えば、例の東北地方を襲った台風の件。今回の「土曜日版」ではカットされていたが、「週5放送版」では、まるでモネから早朝に届いたメールをもとに、森林組合で対策会議風の場面があった。でも、そこはカット。そして「百音のおかげ」を強調する編集になっていた。
しかし、冷静に考えれば、百音(清原果耶)が知り得ていた情報は、確かに「百音の地元」と言う特殊な条件もあるが、それならそれを加味した「前例のない台風」の予報に、気象予報士4人が情報共有して、情報発信するのが筋では?
だって、百音よりも朝岡(西島秀俊)の方が、森林組合とも、サヤカ(夏木マリ)とも「気象予報士としてだし、長年の信頼できる存在」だし、むしろ、朝岡がサヤカを始め、森林組合に、この度の台風の “ただならぬ緊急事態性” を伝えた方が自然だったような。
もちろん、朝岡が本気で必要性を感じれば、テレビを通じて、一部の地域向けに “ただならぬ緊急事態性” を伝えることも出来たはず。
要は、私が言いたいのは「モネ推し」をやっているのに、「モネよりも最適任者や、打ってつけの人がいる」設定を作ってしまっていると言うこと。だから、何となく、「なぜ、百音が個人的に実家などに連絡する必要があるの?」、「そのために、テレビの天気予報コーナーがあるんじゃないの?」と、益々矛盾を増やして行くのだ。
鮫島の件も、モネより適任者の朝岡がいるのに"モネ推し"
また、本編の感想で散々書いたから、少しだけにしておくが。車いすマラソン選手の鮫島(菅原小春)の一件も同じ。そもそも、朝岡の個人的な体験や経験から、鮫島を「スポーツ気象」で応援したいわけだから、気象予報士を止める気合の朝岡が先陣を切って取り組むべき案件。なのに、ここでも「モネ推し」をやる。
でも、やはり鮫島を経済的なことを含めて支えることが出来るのは「モネよりも最適任者や、打ってつけの人がいる」わけで、いくら、頑張っている鮫島に心を惹かれていく百音を描いても変な話なのだ。だって、そもそも「昼夜逆転シフト中」の百音に「チーム?サメジマ」の運営を任せること自体が “ブラック” だし。
そもそも、百音はガツガツと次から次へと興味がわいて動くタイプじゃないのだから、その点でも、このエピ―ソードは不自然なのだ。だから、金曜日の感想に書いたように、震災の被災者の身近な人が… と。
朝ドラとして、重過ぎるし、難解過ぎるとは思わないか?
え~と、毎回こんな愚痴ばかり書いていると、書く私も、読む読者さんも辛いだろうから、この章は少し違った角度から、本作を分析&解析しようと思う。
今回の「土曜日版」でも引用されていたが、菅波医師(坂口健太郎)の意図を簡略化すると「あなたのおかげ=麻薬」ってこと。
その他にも「人のために立つ」とか、「誰かの役に立ちたい」とか、モネが「おかげ」に必要以上に固執したり、「役に立つ」ことに異常な程に拘ったり、連呼したりしている。これが、毎朝、気楽に見る、そして、コロナ禍の朝に見る朝ドラとして、重過ぎるし、難解過ぎるとは思わないか。
だって、元々(そもそもとは言わない)、百音と言う人物は様々事を曖昧にしか表現しない人(出来ない人とは言わない)だ。
だから、「天気は未来が分かる」とか「『おかげ』と言われることをして良かったのか?」とか、「役に立ちたい」みたいな、とても分かり易くて、現実的なことを急に言い出すと、先ほどの “曖昧さ” の裏返しとして、敢えて厳しく書けば、詩的な言い回しだが、中身のない文章・発言を揶揄(やゆ)すると言う言意味での “ポエム” に聞えてしまうのだ。
哲学や道徳的な事を描くなら、もっと分かり易い方が良い
この “曖昧さ” と “ポエム” の関係は、ちょっと哲学的でもある。特に、“おかげ” が “麻薬” で、その “次が欲しくなる存在” を続けることで“無力が快楽” になるが、最終的には “無力感” に苛まれる。こんな哲学的な話を、コロナ禍で必死に生活する毎朝に見るのは、結構しんどい人が多いと思う。
哲学とか倫理とか、子供向けには道徳みたいなことを脚本家が書くこと自体は、間違っていないし、否定もしない。でも、折角与えられた「朝ドラの脚本家」として、そこが、多くの視聴者に分かり易く伝わらないと、書く意味がないような。
あとがき
これも、「土曜日版」の感想で書くのは初めてだと思います。本作の「来週の予告編の編集」は、あまり「次週を見たい」と思わせないですよね。
今回の予告編だって、「逆風をはねのけて 突き進んでいくのが鮫島さんです」と「鮫島さん 仕掛けました。プランBです!」のモネの台詞で、鮫島が “心も身体も強い風に弱い人” であることが分かってしまったし、その “心も身体も強い風に弱い人” と言う鮫島の特性を生かして百音たちが作った「プランB]で、二人が和解しちゃうのも分かりますもんね。
予告で、ほぼ全部内容を言ってしまったら、来週を見る楽しみが無くなるだけのに…。お盆休みが入るから、その分の “おまけ” かな?
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【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57 58 59 60
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