連続テレビ小説「おかえりモネ」〔全120回〕 (第58回・2021/8/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『おかえりモネ』(公式サイト)
第58回/第12週『あなたのおかげで』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
百音(清原果耶)は、莉子(今田美桜)から言われた一言をきっかけに、「人の役に立ちたい」という自分の目標を見つめなおす。同じころ、未知(蒔田彩珠)も研究が思うように進まず悩んでいたが、亜哉子(鈴木京香)はそんな娘をはげます。ある日、車いすマラソンの選手・鮫島(菅原小春)がウェザーエキスパーツを訪れる。鮫島は、気象情報を競技に生かすため朝岡(西島秀俊)を頼ってやってきたのだった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:安達奈緒子(過去作/透明なゆりかご、コード・ブルー3、きのう何食べた?)
演出:一木正恵(過去作/どんど晴れ、ゲゲゲの女房、まれ) 第1,2,7,9,12週
梶原登城(過去作/おひさま、あまちゃん、マッサン) 第3,4,10,11週
桑野智宏(過去作/ウェルかめ、梅ちゃん先生、あまちゃん) 第5,6,8週
津田温子(過去作/龍馬伝、西郷どん、いだてん)
音楽:高木正勝(過去作/映画「バケモノの子」、「未来のミライ」、「静かな雨」)
主題歌:BUMP OF CHICKEN「なないろ」
語り:竹下景子
制作統括:吉永証(過去作/トクサツガガガ、詐欺の子)
須崎岳(過去作/4号警備、透明なゆりかご)
気象考証:斉田季実治(NHKニュース7、ニュースウオッチ9)
※敬称略
お知らせ
第7週目から “超” が付く程、好意的に本作を見るモードに入っております。そのつもりで、読んで頂ければ幸いです。
そもそも。この単語が感想に登場すると条件反射する人も…
そもそも。この単語が感想の冒頭に登場すると、当blogの常連の読者さん、即に察するだろう。「みっきーさん、今日の感想は褒めないんだろうなぁ」って。その通り! (でも、ちゃんと「あとがき」に本作への期待を書いているので、出来れば最後まで読んで頂きたい)
毎週楽しみにしている『緊急取調室』はオリンピックで放送延期。『プロミス・シンデレラ』は第1話で、とっくに視聴離脱しているから、今日のドラマの感想は、この『おかえりモネ』だけ。だから、ここぞと書く。力尽きて、途中で止めるかも知れないが。
昨日、読者さんから「時間軸を追うと疲れる」とコメントが
さて、昨日、ある読者さんから「このドラマの “時間軸” に関する辻褄合わせをやっていると矛盾ばかりで疲れます」と言うような内容のコメントを頂いた。そこで、私は、こう返信させて頂いた。
こう言う「時間軸検証」は、やるだけストレスをためます。
とにかく、適当と言うより、雑なので。
私なんて、ドラマの流れだけ見て感じる違和感を払拭するのに全力投入していますから(苦笑)
「そもそも」と感じた原因は、百音のサラサラなロングヘア
さて、今回のワンカット目を見て1回目の「そもそも」と感じた原因は、百音(清原果耶)のサラサラなロングヘア。
別に主人公がどんな髪形をしも良いのだが。しかし、髪型(ヘアスタイル)で、主人公の心情や、その時代背景など、多くの情報を発信できる。極端な例だが。戦時中の男性は短髪が普通とか。あかちゃんをおんぶして子育てした時代の母親は、子どもの目に髪が入るし、不潔なのでショーッカットにしたとか。で、何を言いたいのか。
生活が昼夜逆転した時にショートカットにしたら良かった
私は、これまでの全話を録画保存しているし、感想を書く手前、15分を3回以上は見直す。そんな「58回」の中で、「百音がオシャレ」、「百音は女子力が高い」、「百音は女性っぽい」と感じたことがあるだろうか。まあ、少しはあるが。
面倒だから昭和的に言っちゃうと。宮城県から上京して約4か月。そして、上京してすぐに「昼夜逆転の生活」が始まった。それが百音。だったら、ここは “なりふり構わず” に仕事へ没頭するため、朝岡(西島秀俊)たち先輩に認めるため、バッサリとショートカットにしちゃうシーンなんてあったら、百音に共感できたのになって。
もちろん「髪は命」と言う考えも否定はしない。でも、何もかも曖昧な描写の本作で、ロングヘアをショートカットにするワンシーンがあれば、それだけで「主人公の意気込み」が簡単に伝わる。でも、今回は冒頭から呑気に女子会。それも、ご自慢のロングヘアをなびかせて。
前回にもこのシーンがあったら思ったのだが、これだと、先日の台風騒動の情報流しの件を含めて、入社4か月で主人公が仕事に余裕を持っているように見えてしまう。撮影スケジュール的に難しいかも知れないが、わざわざ、ロングヘアを強調するようなカメラのアングルやシーンを作る必要は無かったように思う。
主題歌明け、なぜ百音が悩む時間を暗くなってからにしたの
「このダラダラ女子会、いつまで続くんだろう?」と思いつつ、最近は主題歌の部分も、今回限り出演の登場人物と俳優名をチャックするだけで、主題歌が耳残ることは無い。
そんな『おかえりモネ』の第58話の主題歌明け。今回、2回目の “そもそも” の登場だ。なぜ、そもそも主人公を “時間的に暗くなってから” 悩ませる設定にしたのかってこと。いや、誤解のないように言っておく。決して “ドラマ” としては普通なのだ。
アバンでの女子会と、主題歌明けが同日なのかも曖昧だが、それでも、好意的に捉えれば、昼間に「人の役に立つ仕事」を否定された主人公が “暗くなってから” に悩むのは、至極 “普通” のこと。しかし、今、主人公が置かれた仕事のシフトからすると、百音が余裕をもって “暗くなってから” 悩むのは “普通” とは言えるか?
登場人物が悩んだり激高したりなく時間は意外に重要である
フジテレビの「月9」で絶賛放送中の『ナイト・ドクター/Night Doctor』と言う、夜勤専門の救命医たちドラマに於いては、いわゆる「夜番から昼番への引き継ぎ」の際に言い合いになって、夜勤専門の医者は帰宅すべきなのに、真っ昼間に大騒ぎばかりしている。看護師の妻の話を少ししよう。
今は、日本看護協会の強い指導にって、看護師の勤務体制は「日勤(08:30~17:30)と、夜勤(17:00~9:00)」の “二交代シフト” の病院が殆どだ。しかし、25年位までは「日勤(08:00~16:30)、準夜勤(16:00~24:30)、深夜勤(24:00~08:30)」と言う “三交代シフト” が普通だった。
医師の勤務シフトは更に複雑だ、だから、ドラマ『ナイト・ドクター』には夜勤専門医が登場するのに、昼間病院で騒いでいる。従って、ドラマに登場する「柏桜会あさひ海浜病院」は “間違いなくブラック” であることが分かる。
まあ、それに比べれば、本作の気象予報会社「ウェザーエキスパーツ」も、東京のテレビ局「Jテレ(JAPAN UNITED TELEVISION)」の “ブラック” はマシな方だが…
みっきーに洗脳されたように、とにかく好意的に見る必要があるのが、百音と未知が悩むシーン
更に、同日の同時刻か、これまた曖昧だが。好意的に見れば、東京では百音が悩み、亀島では百音の妹・未知(蒔田彩珠)が悩んでいると言う “対比” をやっているつもりのはず。
そして、とにかく好意的に見るのだ。みっきーに洗脳されたように。すると、どうだろう。百音のシーンの屋外は “まだ宵の口” って感じ。夕日は沈んだけど、夕日で街が明るい感じに見える。ほ~ら、見えて来た。雨戸も閉まっておらず、カーテンが揺れているし。
そして、今度は未知のシーンだ。夕食後と言うより、夕食前のひと時に、思いつめた様子の未知に亜哉子(鈴木京香)がコーヒーでも持って、気晴らし役としてやってきた感じに見える。夕食後だったら、今が酒でも飲んで騒がしいのが “普通” だし。研究室の外も、窓枠や壁面がしっかり見えるくらい、夕食前の “宵の口” に見えるはず。
亜哉子が研究室を出て行ったのも、夕飯の支度があるからに、ほ~ら、こっちも見えて来たはずだ。おまけに、未知は翌日のことを考えて、夜中に物事を深く考えるようことはしない子だから、さあ一緒に “宵の口” と信じよう。決して、真夜中ではないと。
フィクションに於いて、そのシーン、そのカットが、「○月○日、○曜日で、天気はどうで、時間は何時何分なのか?」は最重要事項
そんなのどっちでもいいでしょ? と言うことはない。むしろ、フィクションに於いて、そのシーン、そのカットが、「○月○日、○曜日で、天気はどうで、時間は何時何分なのか?」が分からないと、困る人がいるのだ。
まず、最初に困るのが「照明スタッフ」だ。どんな色温度の照明を被写体に当てたら良いのかが、まず分からない。次に困るのが「美術スタッフ」だ。照明器具の明るさ、窓やカーテンの開閉、時計の時間設定もある。まだまだ困るスタッフはたくさんいるが…
最も困るのは「俳優」だ。「何時間くらい悩んだのか?」、「翌日のことは、どの程度考えているのか?」で演技が変わって来るから。
時間の曖昧さを誤魔化すために回想シーンを使うべきでない
だから、こう言う時は、王道を使え言いわけ。例えば、百音が都会に沈む夕日を見てから座って、手元灯りを点ける。一方の未知の場面なら、亜哉子に「もうすぐ夕食なんだけど…」と部屋に入って来させるとか。
これ、姉妹が表面上は違ったように見えるが、根本的な部分では同じことを悩んでいると言う重要なシーンのはず。だから、脚本「時間設定」が書いてないなら、演出家が撮影現場で考えて、統一すべきってこと。そして、それが本作では出来着ていないのか、やっていないのが現実だってこと。
そして、回想シーンを挟んで、誤魔化すことが恒例になってしまっていること。残念でならない…
7分過ぎ、「午前11時」に会社に出勤して来た百音に違和感
「もう、本作は時間表記は止めるべき」と、何度も書いているのに。
7分過ぎに「午前11時」に会社に出勤して来た百音のシーンがあった。「午前11時」の百音は、本来なら “勤務中” だ。勤務中だけど、忘れものを取りに戻って帰って来たとでも解釈しろと。これ、車いすマラソンの選手・鮫島祐希(菅原小春) と “偶然=ご縁” を描くためなら、やはり、おかしい。
みっきーの洗脳パワーをもってしても、おかし過ぎる。脚本に「午前11時」が書かれていたのなら、せめて、朝岡と百音が一緒にエレベーターから降りて来て、朝岡が百音に鮫島を紹介するシーンにしたら良かったと思う。もちろん、そんな「改変」を今週の演出家がやるはずないが…
さて、ネタバレではないと思うので書いてみる。もしも、嫌なら、2つ「章」を飛ばして結構だ。
菅原小春さんの出演で、『まれ』へ田中泯さんが出演されたのを思い出す
2021年3月、ドラマファンなら番宣で、大河ドラマ『いだてん?東京オリムピック噺?」で日本人女性初のオリンピックメダリスト「人見絹枝」 役を演じた、世界的な創作ダンスの名手・菅原小春さんが、『おかえりモネ』では「車いすマラソンの選手」の役で出演することは、ご存知のはず。
私のような歌手の三浦大知さんや米津玄師さんら音楽ファンだって、「あの菅原小春さんが!?」と驚いた。なぜなら、朝ドラファン、創作ダンスファンにとって一大事だから(私だけかも知れないが)。
それは、朝ドラ『まれ』(2015年・上半期)に、独特のダンス活動を行い世界的な評価を持つ日本のダンサー・舞踊家である田中泯さんが、ダンスと無関係な「製塩業」役で出演した以来の、 朝ドラと舞踊家・ダンサーとのコラボレーションなのだ。
「スポーツ気象」のエピソードには"ネタ元"がある
そして、天気予報とスポーツが初コラボするエピソードは、2005年に実際の気象予報会社「ウェザーニューズ」が、『天気を味方に、選手のパフォーマンスを最大化』と言うキャッチフレーズを掲げて始めた「スポーツ気象」への取り込みのエピソードが基礎になっている。
そして、この話の肝は、選手が天気予報を見て、コーチやトレーナーたちと戦略を練るのではなく、プロの気象予報士集団が “選手目線” で選手やチームと信頼関係を構築し、「選手のための天気予報」を活かして、記録を伸ばす。問題は、その事実、現実、を本作が描くかどうかだけ。
「おかえり読者さん」と、本作の感想に戻って来た。
前段を読んでいないと、更に、大きな違和感が生まれたと感じた人が多かったかも…
さて、急に「スポーツ気象」に舵を切った本作に違和感を覚えただろうか。恐らく、私が書いた前段の「実話」を理解していれば、それ程の違和感は覚えないと思うが。もしも、前段を読んでいないと、更に、大きな違和感が生まれたと感じた人が多かったと思う。その理由は、下記の3つ。
●天気予報が100%当たるとは限らない劇中に、そこに頼る選手が突然登場したこと
●「スポーツ気象」が完成されていない劇中での、不自然過ぎる朝岡の自信
●トレーナーやチームの描写が、蔑ろのまま、話が進んでいること
この3つの違和感を、曖昧にせず、きちんと、プロの気象予報士集団が “選手目線” で選手やチームと信頼関係を構築していく様子が描かれれば、もしかしたら起死回生のチャンスになるかも?
あとがき
今回、突然出現した「スポーツ気象」ですが…
●スポーツ気象」のエピソードをどこまで描くのか?
●ただのオリパラに引っかけた客寄せエピソードで終わらせるか?
●菅原小春さんファンが喜ぶ程度に仕上げて終わりか?
それとも、終盤で朝岡が言っていたように、劇中の時代以降は、もっと天気予報と生活や人生直結する社会になる物語への転換期になるのか。そこは見所のように思います。まだまだ、様子見中ですが、本気で諦めてはおりません…
お願い…
管理人が返信に困るようなご意見などには対応いたしかねます。書くならご自身の場所でやって下さいませ。
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★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15818/
【これまでの感想】
第1週『天気予報って未来がわかる?』
1 2 3 4 5 土
第2週『いのちを守る仕事です』
6 7 8 9 10 土
第3週『故郷の海へ』
11 12 13 14 15 土
第4週『みーちゃんとカキ』
16 17 18 19 20 土
第5週『勉強はじめました』
21 22 23 24 25 土
第6週『大人たちの青春』
26 27 28 29 30 土
第7週『サヤカさんの木』
31 32 33 34 35 土
第8週『それでも海は』
36 37 38 39 40 土
第9週『雨のち旅立ち』
41 42 43 44 45 土
第10週『気象予報は誰のため?』
46 47 48 49 50 土
第11週『相手を知れば怖くない』
51 52 53 54 55 土
第12週『あなたのおかげで』
56 57
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