推しの王子様 (第3話・2021/7/29) 感想

フジテレビ系・木曜劇場『推しの王子様』(公式サイト)
第3話『社内崩壊のピンチ!! 打開の鍵は知る喜び』の感想。
アウトドアメーカー社長・十蔵(船越英一郎)から出資を得るため、泉美(比嘉愛未)や光井(ディーン・フジオカ)らは企画書の練り直しに奮闘する。一方、会議で居眠りする航(渡邊圭祐)に、泉美は専門用語の用語集を渡す。有栖川(瀬戸利樹)は学ぶ努力が感じられない航にいら立ち、険悪に。その航は幼なじみでもある杏奈(白石聖)に、泉美にはできない人の気持ちが分からないとこぼすが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:阿相クミコ(過去作/ワカコ酒シリーズ、カインとアベル、後妻業、ヤヌスの鏡) 第1,2話
伊達さん[大人のカフェ](過去作/おじさまと猫、スピンオフ「知ってるシノハラ」) 第2,3話
脚本協力:伊達さん[大人のカフェ](過去作/おじさまと猫、スピンオフ「知ってるシノハラ」) 第1話
演出:木村真人(過去作/絶対零度~Season4~2020、知ってるワイフ) 第1,2話
河野圭太(過去作/僕らは奇跡でできている、危険なビーナス) 第3話
倉木義典(過去作/年下彼氏#15~18、ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情)
音楽:瀬川英史(過去作/勇者ヨシヒコ、左江内氏、今日から俺は、エール、極主夫道、DIVE!!)
主題歌:Uru「Love Song」
挿入歌:DEAN FUJIOKA「Runaway」
演劇ユニット「大人のカフェ」の伊達さんの単独脚本の第3話
大期待中&大満足中のドラマ『緊急取調室 4th SEASON』の次回が “2週間後” の8月12日(木)になったため、木曜夜に見るドラマがないし。本作が第1話に比べて、第2話が良かったから、様子見とツッコミ中心で見てみたが。
連ドラなのに"王子様"の成長や変化がほぼ無いのが致命的
正直、出演者目当ての視聴者以外の、純粋なドラマ好きには、かなり厳しい状態になってしまったように思う。そうなってしまった明らかな理由が幾つかある。
まず。最大の厳しい原因を作っていること。それは、連ドラなのに、“王子様” こと航(渡邊圭祐)の成長や変化が、ほぼ無いこと。彼のファンはいざ知らず。普通の傍観者から見ていると “王子様” は、常に私に対して不快と思ってしまう言動ばかりが描かれるから、“王子様” なのに、普通の男性としても魅力を感じ難い設定に陥ってしまっている。それも、第3話にもなっているのに。
成長や変化がほぼ無い"王子様"が活躍する場面を見て驚愕
その上、困ったことに、ほぼ成長や変化がない “王子様” に、所謂「見せ場」、ドラマ上で活躍する場を与えてしまっていること。
これが、単純な、ずっと恋人がいなかった泉美(比嘉愛未)と “王子様” の恋バナなら、泉美がキュンとなるような場面を作っても違和感は生まれない。しかし、泉美は社長で、普通に部下や知り合いもいる中で盛り込んでしまうと違和感が生まれてしまう。
"王子様"を無理に上げると、スタッフが"落ちた"のと同じ
だって、泉美の会社は大ヒットゲームを作った実績があり、それらをプログラムしたスタッフがいる。だから、見せ場を作るためとは言え、“王子様” が、ほぼ成長も変化もしないということは、プログラムを作ったスタッフまで “落とし” ているのと同意になって。
その先には、ヒット作まで、本当に第1話で描かれたようにヒットしたのか疑問がわいてしまうのだ。
今後の "王子様" の表現の仕方を再考した方が良い
だから、“王子様” が現実社会に馴染めないと言うことを描き続けることは、ドラマの初期設定すら揺るがす可能性があると言うことを、肝に念じて、今後の “王子様” の表現の仕方を再考した方が良いと思う。一応、まだ全話の折り返し地点の前だから、間に合う可能性は残っていると信じたい。
そもそも泉美には"王子様"を家に匿って、成長や変化をさせる理由が無い
もう一つの困ったこと。それは泉美が、ほぼ成長と変化もしない “王子様” を、そのままにしておくのか問題だ。
まあ「見た目(容姿)が好きだから」と言う理由はあると思う。まあ、そこしかないとも言えるが。でも、社長と言う立場もある、設定上は聡明な泉美が、「見た目(容姿)が好きだから」と言う理由だけで、素性が知れない、身元不明のような男性を、自宅に入れているだけで、今後は泉美の初期設定が崩壊しかねない。
これを言ってしまったら、好意的に楽しんでいる人には嫌な思いをさせるかも知れないが。普通に見ていれば、そもそも泉美には “王子様” を家に匿(かくま)って、成長や変化をさせる理由なんてないのだ。だから、ドラマ全体に “締まり” がないし、“説得力” も無いのだ。
航に"泉美との新関係"を盛り込めば、切り抜けられるかも?
でも、モノは考えようだ。ドラマ上では「実は…」と言うことにして、“王子様” を(どこかのドラマで見た感じは否めないが)泉美の初恋の相手だったとか、泉美の兄弟だったとか、泉美の会社に必要な能力の持ち主だったとか、そう言う、「匿う必然性」を創るだけで、社長が雇い、成長させていることに説得力が生まれる。
現実的な設定よりゲームっぽい方が良いなら、「王子様の笑顔は全ての人を幸福に導くパワーがある」とか、「王子様に見つめられると運気が上がる」みたいな噂が、社内で広まるのも良いと思う。これなら、普通のファンタジーになるし。
泉美と"王子様"の関係や変化を中心にした方が良いかも?
しかし、残念ながら、私が「こうやったら面白くなりそうなのに…」と言うことを、本作は悉くやっていない。「2人体制」の脚本なのだから、何とか知恵を絞って、やったら良いと思う。
でも、やっているのは、“王子様” ありきの育成ゲームの現実版ってだけって感じ。だから、あちこちに不具合が出て来て、意味不明な感じになってしまったのが、この第3話。第2話が、それなりに楽しく見られるドラマになったから、期待したのに…
あとがき
これ、作り手たちは “王子様” が成長したり変化させたりしているつもりで描いているんですよね。でも、過去のこの放送枠を考えると、全部で10話前後。1/3は終わったことになります。これで、「成長している」と言われても、少々厳しいような。
やはり、感想の本編部分に書いたような「実は…」と言う “裏設定” を作って、半ば強引にでも、軌道修正した方が良いと思います。脚本家が「おバカなイケメン」のまま突っ走る覚悟なら、別に良いのだけれど…
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15802/
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