八月は夜のバッティングセンターで。〔全8回〕 (第4話・2021/7/28) 感想

テレビ東京系・水ドラ25『八月は夜のバッティングセンターで。』(公式サイト)
第4話〔全8回〕『インコース』の感想。
なお、原作のスマートフォンゲームアプリ『八月のシンデレラナイン』(公式サイト)は、未体験。また、本作はメディアミックスではあるが、アニメーションの類いも基本的に未見。
高橋菜々子(深川麻衣)が神妙な面持ちでバッティングセンターの打席に立っている。しかも思い切り振ることができずうまく打てない。様子を見ていた夏葉舞(関水渚)は、ボールを怖がる気持ちがわかると言葉を掛けるが、菜々子はイイ子に見られたいだけだと自分を卑下する。相手を怒ることができず、彼氏に浮気を問い詰めることができないのだ…。そんな菜々子に伊藤智弘(仲村トオル)が説いた野球論とは!?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原案:スマートフォンゲームアプリ『八月のシンデレラナイン』
脚本:山田能龍(過去作/100万円の女たち、新宿セブン、この恋で私は生まれた) 第1,2,3話
矢島弘一(過去作/コウノドリ2、健康で文化的な最低限度の生活、ハルカの光) 第4話
演出:原 廣利(過去作/100万円の女たち、日本ボロ宿紀行、絶メシRoad) 第1,2,4話
志真健太郎(過去作/映画「LOCAL→TOKYO」、舞台「黄色い叫び」 第3話
原田健太郎(過去作/弱虫ペダルSeason2、W県警の悲劇)
音楽:未定
オープニング主題歌:クリープハイプ「しょうもな」
エンディング主題歌:クリープハイプ「こんなに悲しいのに腹が鳴る」
第4話は、これまで以上に見応えのある内容だった
今回の脚本担当は、NHKのEテレで放送された黒島結菜主演の本格ドラマ『ハルカの光』(2021)の〔全5話〕の脚本を担当した矢島弘一氏。
オリジナル脚本の中に、若い女性の生き様を主軸に、東日本大震災の被災者と言うリアルな現実と、名作照明と言うEテレならではのお勉強の部分を、巧みに織り交ぜた秀作ドラマを書き上げた人だけに、この第4話は、これまで以上に見応えのある内容だった。
ゲストを「視聴者が共感しづらい女性」にする大胆な設定
まず、ドラマの初期設定に於いて、これまでは基本的に「視聴者が共感する女性」がゲスト・ヒロインの役だった。しかし、第4話に於いては、夏葉舞(関水渚)まで嫌悪感を抱く程の「視聴者が共感しづらい女性」をテーマに置いた。そして、ゲストの高橋菜々子(深川麻衣)を “相手に嫌われることを恐れ強気に出れない女” と位置付けた。
バッターと3人の走者まで"全員が自分勝手で共感しづらい"
もう、この初期設定と、サブタイトル『インコース』だけで、今回登場する野球界のレジェンドが分かると言う仕掛けだ。
そして、例のリアル野球盤のシーンになると、ピッチに立っているのは、菜々子はともかく、バッターも一塁と二塁、三塁走者までもが全員が “自分勝手で共感しづらい人” に。そんな身勝手な人間に囲まれた “相手に嫌われることを恐れ強気に出れない女” である菜々子が、一体どんな球を投げるのか? ドラマは否応なしに盛り上がる。
舞が伊藤のアドバイスを菜々子に伝令するシーンも良かった
そして、舞が伊藤智弘(仲村トオル)のアドバイスを菜々子に伝令する。「さっき、バッティングセンターで自分自身がインコースの球を投げられた時の手が出せなかった恐怖心を、バッターに感じさせろ!」と。
しかし、菜々子は、インコースに投げた球が相手に当たることの方を怖がって身を引いてしまう。根っからの “相手に嫌われることを恐れ強気に出れない女” なのだ。
相手に嫌われたくないから笑顔でマウンドを降りる菜々子…
そして、伊藤は、相手に嫌われたくないから笑顔で自分の気持ちを誤魔化す菜々子を、相手にほくそ笑みをさせて自分が我慢するのは、途中で簡単にマウンドを降りるのと同じで勿体ないと意見する。
そこで登場する野球レジェンドが、日米で登板した試合は全てリリーフで、常に強気にインコースだけを攻め続けたるリリーフ投手・ 五十嵐亮太(本人役)。
あとがき
人間、誰でも臆病。でも、ここぞと言う時は、インコースを攻めるような強い気も必要だと言うことを教わりました。そして、ラストシーンで菜々子がクズ男に投げた “インコース” のキレ味が感動的でした。後味もスッキリして良かった。スポーツっていいものだと、改めて感じた第4話でした。やっぱ、矢島弘一さんの脚本は凄かった…
野球のドラマだから〔全9回〕だと思っていましたが〔全8回〕だそうです。
※第5話は8月11日(水)深夜1時10分から放送予定です。
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/15800/
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