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月曜プレミア8「病院の治しかた~スペシャル~」 (2021/7/26) 感想

病院の治しかた~スペシャル~
©テレビ東京

テレビ東京系・月曜プレミア8『病院の治しかた~スペシャル~』公式サイト
『コロナ過と超高齢化社会を目前に医療改革えんと立ち向かう病院を描く』の感想。

なお、テレビ東京「ドラマBiz」で2020年1月20日から3月9日まで放送された『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』は鑑賞済みで、「全7話」の感想も執筆済み。



2020年1月に突如現れた新型コロナウィルスは、瞬く間に世界中に広がり、各地で深刻な医療崩壊を引き起こした。日本の地方病院である有原病院も例外ではない。院内クラスターへの恐れから一斉に「受診控え」が起こったのだ…。
院長・有原修平(小泉孝太郎)と事務長の倉嶋亮介(高嶋政伸)はまたも経営危機に頭を悩ませていた。しかし、そんな苦境を救ったのは、意外にも3年前に始めた小さな「有原みなみ病院」だったのだ。
当時の有原病院は、高齢の軽症患者が多く、まるで老人用の療養施設と化していた。医療点数の高いオペが激減し、収益が上がらずに慢性的な赤字体質に陥っていた。
そこで一計を案じた修平は、地域初の退院支援・在宅医療支援の機能を持つ新病院を設立することを決断する。資金難の中、そのアイデアはあまりに無謀で、当然ながら反対意見が続出したのだが、それが未来に「希望の光」を灯すことになる。
何とかコロナ禍を乗り切った有原病院だったが、ひと息つく間もなく、次の災難が降りかかる。政府が推進する「病院の再編統合」だ。同じ医療圏内に大規模病院の新設が発表され、小さな病院は潰れてもかまわないと強引な政策が進められる。修平は待ったをかけ、必死で抵抗するのだが…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---


原作:なし
   但し、テレビ東京系経済情報番組「カンブリア宮殿」で「小平奈緒の金メダルを支え続けた感動物語! 知られざる相澤病院」として放送した内容のドラマ化。
書籍『患者に医療を取り戻せ 相澤孝夫の病院改革(増補新版)』もあり。

脚本:山本むつみ(過去作/病院の治しかた、ゲゲテの女房、八重の桜、コウノドリ1、相棒18)
演出:清弘誠(過去作/病院の治しかた、塀の中の中学校、昭和元禄落語心中)
音楽:羽毛田丈史(過去作/病院の治しかた、とんび、ごめんね青春!、天皇の料理番)

『病院の治しかた』のキャスト&スタッフが再集結の肝入り

まず、コロナ禍の2021年の東京五輪2020の開催が未決定の昨年放送されたテレビ東京『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~ SEASON5』(2021年4月30日 - 7月2日)中に、2021年前半の小泉孝太郎さんのスケジュールを押さえたのが凄い。

更に、テレビ東京「ドラマBiz」(現在は無くなっている)枠で、2020年1月20日から3月9日まで放送された小泉孝太郎さん主演の『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』を担当した脚本家や演出家やその他のキャストとスタッフを集めたこと自体も、テレ東の思い入れの強さを感じる企画だ。

現在の「コロナ感染未終結」の状況を先読みした脚本も凄い

そして、2020年の夏以降に、現在の「コロナ感染未終結」の状況を先読みした脚本も凄い。普通なら、コロナ禍で経営困難な有原病院を描くだけでも、テレ東の「ドラマBiz」枠的な役割は十分に払えるのは既知のはず。

しかし、脚本家の山本むつみ氏は、新型コロナウィルス感染だけでなく、我が国の厚労省を中心とした、まだまだ未解決な3つの大問題の解決を、 院長・有原修平(小泉孝太郎)と事務長の倉嶋亮介(高嶋政伸)ならば、どのような奇策で、そして “暴走特急” は解決するのかを描く方針に決めた。


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今の日本が抱える"3大医療問題"を描くバランス感覚がいい

その3大医療問題の1つが、新型コロナウイルス感染が落ち着く気配を実感できない、今の日本の医療界が直面している「コロナ禍」に於ける病院経営存続問題。

そして、2つ目は、その先に立ちはだかる西暦2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、我が国が超高齢化社会になるために、実に日本の人口の 1/4 が高齢者となる待ったなしの地方医療改革問題である『2025年問題』。

そして、3つ目は、政府が推進する「病院の再編統合」。コロナ禍の報道や経験で、全国の保健所が次々と合併・統合され、保健師さんの人数も減り、全国の保健所が業務量の異常な過剰で麻痺していたのは、まだ記憶に新しいと思う。

この「保健所の統廃合」に続いて、厚労省を中心に政府が推進しているのが、簡単に言うと、行政(厚労省と政府)からの強制力を発揮しやすい公立・公的病院に対し、統合や再編、規模縮小等をある程度強硬に行っていく姿勢を、民間病院も含めた医療業界全体に行うこと。

逆に、ある地域に劇中の「有村病院」のような私立の中規模な病院があるなら、その地域へ大規模な公立・公的病院を作って、行政の強制力が届きにくい病院を無くしていこうと言う政策だ。そう、本作の主人公・修平のような(政府や厚労省から見れば)自分勝手に病院経営をする人材を排除したいというわけ。

まあ。この件については、この度のイギリス政府がコロナ対策に成功した大きな一因とされている、イギリス国内の病院の殆どが、国立・公立病院だから、政府の掛け声が一気に伝わり、医療行政が素早く動けたこと。

逆に、日本は小規模なベッドを持たない個人病院が多いため、イギリスのような大々的な方策を取れなかった。国民一人ひとりにも、個々の病院に対しても。まあ、この先の議論は、今作のドラマとは離れるので、この辺で止めておくが。


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修平の「病院経営のセンスの良さ」が際立って描かれた

とにかく、個人的に上手いなぁと思ったのは、政府が推進する「病院の再編統合」の問題を、報道番組のような政治的な切り口で描くのを止めたこと。

そして、地域医療に拘る小柳病院の院長で、今は転職で有村病院に勤める夏目翔(加藤シゲアキ)の恩師である小柳隆一(益岡徹)と、小柳院長の経営方針に納得がいかず、更に、自身の技術向上のために研鑽に励む野心家の内科医・夏目の2人を使って、地域医療に於ける私立や個人病院の存族問題、医療従事者の人材確保問題に、話を巧みにすり替えたところだ。

これによって、修平の「病院経営のセンスの良さ」が際立って描かれたし、修平らしさも強調された。

あとがき

「2時間スペシャル」で終わらせるのはもったいないですね。せめて、「全7~10話」くらいの連ドラ版にして、特に有村総合病院と小柳病院の部分を掘り下げたら、新たな価値観が生まれると思います。

そうすれば、前向きな「地域医療ドラマ」、「病院経営ドラマ」として、コロナ禍に放送するテレ東らしいドラマとして、生き生きと映って来ると思います。コロナ感染についても疎かに出来ないのは当然です。でも、他にも日本の医療には様々な問題があることを知る意味でも、見る価値はあったと思います。

7月26日20時のテレ東・月曜プレミア8「病院の治しかた~スペシャル~」を見る予定!


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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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